Metaは9月28日、Meta Connect 2023で新型のスマートグラス「Ray-Ban Meta」を発表しました。サングラスメーカーのレイバンとコラボして開発、価格は299ドル(約44,000円)で2023年10月17日に発売。発表時点では、日本での発売は未定です。
AIの「目」「耳」になるスマートグラス
「Ray-Ban Meta」は、2021年に発売された「Ray-Ban Storie」の後継機にあたるスマートグラスです。フレームにカメラが埋め込まれているほか、対話型AI「Meta AI」が音声アシスタントとして搭載されています。写真や動画の撮影と音声の入出力に特化したデバイスであり、ディスプレイは搭載されていません。いわゆる「ARグラス」とは異なるデバイスです。
プロセッサとしては、クアルコムのSnapdragon AR1 Gen1チップを搭載。12メガピクセルの超広角カメラを2つ搭載、動画の画質は1080p(1920×1080ピクセル)で1回あたりの最大録画時間は1分です。なお前世代機であるRay-Ban Storiesでは、5MPのカメラが2機搭載されており、動画の画質は1184×1184ピクセルであり、今回のRay-Ban Metaでは大幅に画質が向上しています。メガネのフレームにある「撮影」ボタンを押すと写真撮影が、長押しするとビデオ録画が始まります。
音周りも大幅に性能を改善。フレーム内蔵スピーカーは最大音量が50%向上、さらにイマーシブオーディオ(没入型オーディオ)に対応しており、音の方向性や空間の広がりが感じられる再生が可能です。マイクは5つ搭載し、録画時にもよりイマーシブな音声の収録が可能となっています。
そして、前世代機では「Facebookアシスタント」だったアシスタント機能は、新たに発表された対話型AI「Meta AI」に変更。音声で指示が出せるだけでなく、視界にある物体について質問すると詳細に回答してくれるなど、昨今のAIの進歩を反映した最新の“スマートグラス”になっています。
Rayban Stories次世代機は音声によるAIサポートへ
いわゆる視覚的なARは技術的にまだとのこと#MetaConnect2023 pic.twitter.com/ZF5NbVvy4i
— Mogura VR News (@MoguraVR) September 27, 2023
また「Ray-Ban Meta」はFacebookやInstagramでのライブ配信に対応。スマートフォンでの配信中に、ダブルタップで配信カメラをRay-Ban Meta視点に切り替え、またスマートフォンでの配信に戻る、などの切り替えも可能です。「視点を共有しながらライブ配信を行う」スタイルは今後広がるかもしれません。
スマホでライブ配信しながらグラスをダブルタップしてグラス視点に切り替え#MetaConnect2023 pic.twitter.com/sLJ46zWkSv
— Mogura VR News (@MoguraVR) September 27, 2023
カラーバリエーションも増加。Ray-Banで買えばフレームもカスタム可
Ray-Ban Metaのバリエーションは前世代機よりも多く、スタイルはRay-Banでおなじみの「Wayfarer」スタイルとクラシックな「Headliner」スタイルが用意されているほか、カラーバリエーションはスケルトン3色を含む計5色が登場します。さらにRay-Banの公式サイトで購入する場合は、150種類のカスタムフレームを購入することもでき、カスタマイズのバリエーションが一気に広がりました。
欲しくなる……が、日本未発売
「日本での発売は未定」ですが、Meta Connectの現地会場ではそのまま予約ができたほか、デモエリアが用意されるなど、ひとつの“目玉コンテンツ”になっていました。ここからは、現地でのRay-Ban Metaの簡易ハンズオンレポートをお送りします。
まずは外見。筆者が試したのは、スケルトンの「Jeans」カラーでした。初代機は黒のみだったこともあり、カラーバリエーションが増えたのは嬉しいところ。
Ray-Ban Metaでの撮影は不可とのことで、カメラ画質の良さは残念ながらお伝えできません。しかし、筆者が前モデルで「Ray-Ban Stories」で撮影したときと比べ、明らかに鮮明でした。加えて、動画も激しい動きに耐えうるため、手軽に撮影・録画できるデバイスの使い勝手としては良好です。
前モデルと比べて音漏れが少なかったことも嬉しいポイント。スピーカー配置の関係か、音楽を聴いていても、環境によっては周囲には音が聞こえないほどでした。
スマートフォンとの連携もスムーズで、メガネ視点とスマホ視点(自撮りなど)を切り替えるのもシームレスです。またプライバシーについても考慮されており、撮影中はカメラの周囲を囲むLEDが発光します。写真や動画に付随するデータをMetaに共有するかどうかは、設定から選択できるようになっているとのこと。
かなり改善され、スマートグラスとしては洗練された印象の「Ray-Ban Meta」。昨今VLOG特価のカメラが登場し人気を博していることを鑑みれば、注目を集めるのではないかと考えられます。今後の日本での発売にも期待したいところです。
(参考)Meta