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テック 2021.03.29

国土交通省が東京23区の3Dモデルを公開 全国56都市分も追って公開へ

国土交通省は、3D都市モデル整備プロジェクト「Project PLATEAU(プロジェクト・プラトー)」の成果として、全国56都市の3Dモデルを開発しました。作成された3D都市モデルはオープンデータとしてG空間情報センターにて順次公開されます。先んじて、東京都23区の3D都市モデルが公開されています。

Project PLATEAUは、測量した3Dの建物・地形情報と2Dの地図情報、そして調査から得られた現況利用情報を追加した、3D都市モデルを作成。誰でも利用可能なオープンデータとして公開するプロジェクトです。

Project PLATEAUの2020年度の取組では、全国56都市の3D都市モデルとユースケースを開発。今回の開発で得た知見をまとめた3D都市モデル導入のためのガイドブック10編も公開しました。

公開された3Dデータの形式は、CityGML、3D Tiles、FBX形式等。ゲームエンジン等に取り込んで使うこともできるため、すでにSNSでは使ってみたという投稿が現れています。

今回開発された3D都市モデルやユースケースの一部のデータは、Wevブラウザから「PLATEAU VIEW」でプレビューできます。

3D都市モデルのユースケースを公開

Project PLATEAUでは、3D都市モデルを活用した社会的課題の解決として「都市活動モニタリング」「防災」「まちづくり」「新サービス」の4つのカテゴリを設定。今回、26件の実証実験の結果を公開しました。

都市活動モニタリング:スマホの電波を活用の混雑状況モニタリング

九州工業大学はスマートフォンなどが発する電波(Wi-Fiと4G/LTE)を活用した混雑状況モニタリングを実施。Wi-Fiと4G/LTEの異なる2種類の電波を使用して測定エリアの人数を推定、推定結果を比較分析しました。電波を活用した人流モニタリング技術の検証を行い、3D都市モデルと組み合わせた都市活動モニタリング手法の確立を目指しました。

実施事業者:九州工業大学 大学院工学研究院/IoTシステム基盤研究センター

防災:屋内外をシームレスにつなぐ避難訓練シミュレーション

森ビル株式会社は、虎ノ門ヒルズビジネスタワーの屋内モデルを制作し、3D都市モデルと統合。屋内と屋外をシームレスに繋いだバーチャル空間を構築しました。新型コロナウイルスの影響で大人数が対面で集まる大規模避難訓練の実施が困難になる中、バーチャル空間で複合施設における複数の避難計画のシミュレーションや、徒歩出退社訓練用の構築を行いました。

実施事業者:森ビル株式会社

まちづくり:都市構造を時系列で可視化

株式会社日立製作所、パナソニック株式会社、アジア航測株式会社の3社は、愛知県名古屋市にて、都市計画基礎調査情報を用いて過去からの都市構造の変遷を可視化しました。

平成3年から平成29年までの「建物利用現況」と「土地利用現況」の情報を3D都市モデルに統合し、PLATEAU VIEWで属性情報に応じて塗り分けた建物・土地の変遷を、時系列で閲覧可能にしました。

実施事業者:株式会社日立製作所、パナソニック株式会社、アジア航測株式会社

新サービス:新宿三丁目エリアをバーチャル化、まちあるき・購買体験を開発

株式会社三越伊勢丹ホールディングスは、新宿三丁目エリアを中心とする「バーチャル新宿」を構築し、バーチャル空間での「まちあるき」体験を開発しました。コロナ禍におけるエリア価値向上や立地店舗のEC活性化を目指します。

実施事業者:株式会社三越伊勢丹ホールディングス

(参考)Project PLATEAU プレスリリース


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