2022年10月7日(金)に発売された新型VRヘッドセット「PICO 4」。PCとの接続や外部センサーなしで遊べるスタンドアローン型VRヘッドセットの新星として、注目を集めています。
本記事では、PICO 4では何ができるのか、従来のPicoシリーズやMeta Quest 2とどう違うのか比較。スペックや購入方法、おすすめのVRゲーム・アプリなどの最新情報を詳しく紹介します。
目次
1.PICO 4とは?
2.何が体験できるのか
3.従来のPicoシリーズからどこが変わった?
3-1.レンズが変更され解像度がアップ
3-2.重量はより軽く
3-3.コントローラーはスリムに
3-4.瞳孔間距離はVR内で調整
3-5.フルカラーパスを搭載
4.Meta Quest 2との違いは?
4-1.重量やバランスは?
4-2.映像の美しさは?
4-3.遊べるゲームの数は?
5.PCVRは体験できるか?
6.スペック比較
7.価格や購入方法は?
8.PICO4で遊べるおすすめのゲーム・アプリ
PICO 4とは?
「PICO 4」は、VRデバイスメーカー・Picoが2022年10月7日に日本国内で発売した新型VRヘッドセットです。解像度は4K、視野角105度ながら、正面部の重量は295gと軽量であることが特徴です(MoguLive編集部の本体全体の実測値は588g)。ストレージ128GB版、256GB版の2モデルが展開され、さらにハイエンドモデル「PICO 4 Pro」も発売が予定されています。
何が体験できるのか
PICO 4はVR内で身体を自由に動かせる6DoFのトラッキングに対応した、スタンドアローン型(一体型)のVRヘッドセットです。PCに接続する必要はなく、外部センサーもなしで、手軽にVRを体験できます。
対応ゲームは「After the Fall」「Blade & Sorcery: Nomad」「ALTDEUS: Beyond Chronos」「ルインズメイガス」「Eleven Table Tennis」「SUPERHOT VR」「DEMEO」「Green Hell VR」「Gorn」「Puzzling Places」など。
さらに「The Walking Dead: Saints & Sinners」や、Picoへの独占タイトルとしてUbisoftから「Just Dance 2023」が発表されています。
ソーシャルVRは「Rec Room」に対応。また、メタバースプロジェクト「Project Pico Worlds」も発表されており、独自のアバターを活用したプラットフォームを目指すとのことです。
従来のPicoシリーズからどこが変わった?
レンズが変更され解像度がアップ
プロセッサはPico Neo 3(Link)と同じくQualcomm Snapdragon XR2を内蔵。大きな変更点として、解像度が4,320×2,160と、従来の3664×1920からさらに高くなりました。さらにフレネルレンズからパンケーキレンズとなり、正面部の薄型化につながっています。
重量はより軽く
重量は、Pico Neo 3 Linkがストラップなしで385g(総重量642g)となっており、PICO 4は正面部295gと、公式発表では90gの軽量化を実現しています。編集部の計測では全体の重さは588.5gでした。ストラップも合わせた重量差は約53gほどにとどまっています。
一方、重心バランスが前後で均等になるよう設計されており、重量が顔面と後頭部で分散するようになっています。このため、相対的に「軽さ」を感じやすくなっています。ただし、ストラップを脱着できないため拡張性は低めです。
コントローラーはスリムに
コントローラーはPico Neo 3 Linkと比較すると、持ち手が若干短くスリムになっています。電源は乾電池で、コントローラー1本につき単3乾電池が2つ必要です。グリップ内部に、出し入れが容易な電池を入れるホルダーがあり、Meta Quest 2よりも電池交換が簡単です。また、各ボタン・スティックは静電容量式タッチセンサーのように「接触した反応」を検知できるようになっています。
瞳孔間距離はVR内で調整
IPD(瞳孔間距離)はVR内で調整することができます。IPD設定画面で数値を調整すると、その数値のとおりにレンズが自動で移動するしくみになっています。
フルカラーパスを搭載
PICO 4はVRヘッドセットをかぶった状態でVRヘッドセットの外側を表示できる機能をフルカラーで再現。解像度は高く、装着したままでも現実世界の様子を確認できたり、アプリ次第ではAR/MR的な表現ができます。
ただしPICO 4のパススルーは正面部中央の単眼カメラで行っており、立体視ではない点は注意が必要。周囲の視認だけならば大きな問題ではないですが、遠近感が正確ではないため、物に触れる際には慣れが必要です。
Meta Quest 2との違いは?
同じくスタンドアローン型のVRヘッドセットとして販売され、高いシェアを誇ってきた「 Meta Quest 2」。同価格帯のスタンドアローン型の対抗馬として注目が高まるPICO 4ですが、近い部分こそあるものの、比較するとそれぞれの特徴が浮き彫りとなりました。
重量やバランスは?
Meta Quest 2の重さは503gに対し、PICO 4は588.5g。数値上ではMeta Quest 2の方が軽量ですが、これはデフォルトの布製ストラップでの重さです。布製ストラップは重量が前方に偏るため、顔面全体で重さを受け止めてしまい、「重さ」を感じやすくなっています。
Meta Quest 2の装着感や重心バランスを改善する「Eliteストラップ」を装着する場合、合計の重さは651g。どのスタイルでQuest 2を使用するかにもよってきますが、バランスはPICO 4の方が軽く感じやすいです。
映像の美しさは?
Meta Quest 2の解像度は3664×1920に対し、PICO 4は4320×2160となっています。解像度はPICO 4がやや上で、映像の鮮明さや発色の良さを感じられるものとなっています。
遊べるゲームの数は?
正確な総数こそ不明ですが、正規ストアに加え「App Lab」でも配信されているゲームがあるため、遊べるゲームの数は「Meta Quest 2」の圧勝です。「Beat Saber」や「バイオハザード4 VR」といった人気タイトルを遊べるのも「Meta Quest 2」ならではの利点です。
一方で、「PICO 4」にもだいたい100本近くのゲームが配信されており、「After the Fall」や「Blade & Sorcery: Nomad」、「ALTDEUS: Beyond Chronos」といった人気タイトルも存在します。「ルインズメイガス」や「オノゴロ物語」といった国産VRゲームも配信が予定されており、今後ラインナップが充実していく可能性があります。
その他、細かな比較やどちらを選ぶかのケース別回答などはこちら。
PCVRは体験できるか?
「PICO 4」はスタンドアロンで動作する一体型VRヘッドセットですが、PCと接続することでPC用VRコンテンツを遊ぶことができます。PCへ「SteamVR」と専用ソフト「Streaming Assistant」をインストールすれば、USB Type-Cケーブルによる有線接続(※ケーブルは2〜3m以上のものを推奨)、およびWi-Fi(5GHz以上)による無線接続が可能です。
ただし、有線接続も無線接続も、多少の映像圧縮が見られます(接続するPCのスペック、無線接続の場合は通信環境次第)。「Streaming Assistant」の設定である程度カバーできますが、PC接続に関しては、DisplayPortケーブルによる無圧縮・無遅延な有線接続ができる「Pico Neo 3 Link」の方が、より快適なPCVRが可能です。
スペック比較
PICO 4 |
Pico Neo 3 Link |
Meta Quest 2 |
|
ディスプレイ解像度 |
4320×2160 |
3664×1920 |
3664×1920 |
視野角 |
105度(対角) |
98度(水平) |
110度(対角) |
リフレッシュレート |
72Hz,、90Hz |
72、90、120Hz |
72、90、120Hz |
重さ |
588.5g(総重量、編集部計測) |
642g(ストラップ含む) |
503g(デフォルトの布ストラップ時の重量) |
レンズ |
パンケーキレンズ |
フレネルレンズ |
フレネルレンズ |
ストレージ |
128GB、256GB |
256GB |
128GB、256GB |
RAM |
8GB |
6GB |
6GB |
トラッキング |
インサイドアウト |
インサイドアウト |
インサイドアウト |
IPD(瞳孔間距離) |
62~72mm |
58mm、63.5mm、69mm |
58mm、63mm、68mm |
バッテリー稼働時間 |
2.5~3時間 |
2.5~3時間 |
2~3時間 |
価格や購入方法は?
PICO 4の価格は、128GBモデルが49,000円、256GBモデルが59,400円(税込)です。Amazon、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、エディオンといった国内ECサイトにて購入できます。また、上記の家電量販店でも購入でき、一部体験コーナーの設置も予定されています。
販売ECサイト
・Amazon
・ビックカメラ
・ヤマダ電機
・ヨドバシカメラ
・エディオン
・ケーズデンキ
・コジマ
・ソフマップ
・ECカレント
・TSUKUMO
PICO4で遊べるおすすめのゲーム・アプリ
After the Fall
「After the Fall(アフター・ザ・フォール)」は、「スノーブリード」と称される突然変異型ゾンビたちの壮絶な戦いを繰り広げるVRアクションシューティングゲーム。氷河期到来によって廃墟と化した1980年代のアメリカ・ロサンゼルスの地を舞台に、「ハーベストランナー」と呼称されるプレイヤーは地下に追いやられた人類に物資を持ち返るため、仲間たちと協力しながらスノーブリードたちに立ち向かっていきます。
Blade & Sorcery: Nomad
「Blade & Sorcery:Nomad」は、剣と魔法が織りなす中世ファンタジー世界を舞台に、現実の物理法則に従ったリアルな剣戟を楽しめる戦闘特化型のVRアクションゲームです。長剣や大剣、槍や弓などさまざまな武器を扱って戦えるだけでなく、魔法で敵をふっとばしたり、物をつかんで投げたりなど、プレイヤーの想像力をダイレクトに反映させられる派手な戦いを体験できます。
レビューはこちら。
ALTDEUS: Beyond Chronos
「ALTDEUS: Beyond Chronos」は、人型都市防衛兵器「マキア」に搭乗し、人類の敵である「メテオラ」と戦うことになる、VRインタラクティブストーリーアクションです。マシンアクションパートでは、ロボットに乗って巨大な敵と戦う迫力のシーンを体験できる一方、アドベンチャーパートではプレイヤーの選択によってストーリーが分岐するなど、ドラマチックな展開が人気を得ています。
体験版レビューはこちら。