米Leap Motion社が2018年に公開したARヘッドセットのオープンソースプロジェクト「Project North Star」のアップデート情報が、GitHubページの更新とともにブログにて公開されました。
このARヘッドセットのプロトタイプは、開発者がさまざまな検証に取りくめることを優先して設計されています。そのため、商用レベルの商品と比べるとかなりゴテゴテとした外見になっています。しかし、水平で100度以上の視野角、片目あたり1600×1440ピクセルの解像度、120fpsのフレームレート、そしてハンドトラッキングセンサー搭載という点で、既存の多くのARヘッドセットを上回る性能を備えたデバイスとして注目を集めました。
装着感と安定性の向上
アップデート内容は主にヘッドセットの機構に関わるものです。ヘッドセット装着時に直接触れる部分がほぼ頭部のみとなり、ディスプレイなど目の周りのデバイスは、ちょうど顔の前に浮かんでいるようなつくりになりました。その結果、個々人に合わせたより柔軟な調節が可能になり、さらに眼鏡をかけたままでの装着もできるようになったとのことです。
頭部にかぶさるヘッドギアの部分と、顔の前にかかる光学機器類の部分はスライドする部品でつながれています。スライド部分にはブレーキのためにスプリングが内蔵されており、たとえば下を向いた際に、ディスプレイがずり落ちてしまうなどの問題も防げるようになりました。
焦点距離を2種類用意
当初のモデルでは焦点距離は25cmのみでしたが、アップデート内容では75cm向けの設計も公開されました。腕を伸ばした状態での指先の動きをトラッキングを想定するなど、用途の幅が広がることが予想されます。
さまざまな改善の可能性
オープンソースプロジェクトであることから、North Starは世界中で作られ、その改良が行われています。2018年に公開された際、ハンドトラッキングを担う装置に新型のセンサーが使用される予定が、2019年1月現在は限られたパートナー企業のみへの提供に留まっています。今回のアップデートでは特に言及されていません。
(参考)
Leap Motion Reveals Updated Project North Star AR Prototype Design(英語)
https://www.roadtovr.com/leap-motion-reveals-updated-project-north-star-ar-prototype-design/
Project North Star: Mechanical Update 3(英語)
http://blog.leapmotion.com/project-north-star-mechanical-update-3/