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VRChat 2023.01.20

日産自動車がVRChatにゲームワールドを公開! 電気自動車を使って、キャンプサイトを復興しよう!

1月20日(金)、日産自動車株式会社はソーシャルVR「VRChat」に、新ワールド「NISSAN EV & Clean Energy World」を公開しました。

日産自動車はこれまで、「VRChat」にて様々なワールドを公開し、継続的なメタバース上での取り組みを続けています。そして今回公開されたワールドは、電気自動車(EV)を活用したサステナブル(持続可能)な暮らしを体験し、再生可能エネルギーとEVの生活への活用を学ぶことができる、ゲームワールドとなっています。

MoguLive編集部は今回、「NISSAN EV & Clean Energy World」のメディア向け先行取材回に参加。これまでの日産のVRChatへの取り組みからまた一歩踏み出した、新たなワールドの概要をお伝えします。

舞台はおしゃれなキャンプサイト! ところが……?


ワールドに入場すると、「日産アリア」と箱型の物体が存在する空間に登場します。中央には「スタート」と書かれたボタンがあるので、準備ができたら押しましょう。

日産アリアの近くに置かれているのは「V2H(Vehicle to Home)」。EVに蓄えられた電気を、家庭でも使えるものに変換するための装置で、このワールドのキーアイテムとなります。

V2Hからはプラグが一本伸びています。これを日産アリアの給電口につなげると……


緑が一面に広がる場所へ移動します。ここはキャンプサイト。コテージもあり、テントもあり、近くには大きな湖もあり、休日を過ごすにはとてもいい感じです。

しかしコテージの中に入ってみると……


(よどんだ空気)


(あたりに散らばったゴミ)

めちゃくちゃ汚れています! これはどういうことか。スタッフの方が口を開きます。

「どうやらこのキャンプサイトは、しばらく放置されていたみたいですね。みなさんの力で、キャンプサイトをきれいにしていきましょう……日産アリアの電気を使って!」

EVの電気で、キャンプサイトをよみがえらせよう!

そう、このワールドの目的は「寂れたキャンプサイトをEVの電気を活用して復興する」というもの。V2Hを経由して、日産アリアから電気を供給し、キャンプサイトを蘇らせていくのが、ワールドを訪れる人に与えられたミッションです。

まずは、トイレからコテージ内の換気扇を起動(消費電力 1kWh)。よどんだコテージの空気をこれできれいにできます。

次に「エポロ」が乗っかった自動掃除機を起動(消費電力 1kWh)。ゴミだらけの部屋をきれいにしていきます。

外にあるお風呂を沸かすには……消費電力は50kWh。かなりの電気が必要そうです。

というように、ワールド内の様々な設備を動かすと、その都度電気が消費されていきます。コテージには蓄電池が置かれていますが、初期電気量は心もとないため、日産アリアからV2Hを経由して蓄電池に充電してあげる必要があります。

ただし、蓄電池の最大容量は11kWh、日産アリアの蓄電量は「車を動かすための最低ライン」である6kWhから下へ動くことはありません。こうした細かな挙動や、各種消費電力量などは、実際の消費電力などに合わせたリアルな値が設定されています。

そして、ミッションはコテージの中にリストとして表示されています。これらを一つずつクリアしていきましょう。ちなみに、最初の「スタート」を押したタイミングで時間計測が始まり、経過時間がリアルタイムで表示されています。

とはいえ、日産アリアの蓄電量も有限です。いろいろな設備を動かしていると、日産アリアから充電した分もすぐに尽きてしまいます。

そこで、日産アリアにも追加で充電してあげる必要があります。日産アリアに乗ってやってきたのは、風車が並ぶ山の上。風力発電が行われている場所です。

しかし、風車のいくつかは止まっています。どうやら風が吹いていないようです。そこで巨大なうちわの出番です。

風が吹いていないならば、起こせばいい。巨大なうちわをあおぎ、風を起こして風車を動かしましょう!

風力発電に成功すれば、日産アリアへまとまった電気が充電されます。これだけあればいろいろな設備を動かせそうですね!

そして、風力発電以外にも太陽光発電、地熱発電を利用することができます。様々な自然エネルギーを日産アリアに蓄電していきましょう。


電気を活用できる場所はコテージの中だけではありません。キャンプサイトではコーヒーを淹れたり、テントに電気をつけることができます。


コテージでは料理を作ることもできます。IHコンロ、電子レンジ、冷蔵庫など、調理にもいろいろと電気を使うタイミングがあります。

ワールド内にはクイズに挑戦できる看板がいくつかあります。「クイズに5問正解する」もミッションのひとつなので、じっくり考えて回答したいところ。正解するとちょっとだけ電気がプラスされます。

今回の取材会では、ギリギリ全ミッションクリアに成功しました! 全ミッションクリアはもちろんですが、どれだけ早くクリアできるかタイムアタックに挑戦してみるのも一興です。ぜひチャレンジしてみてください!

ゲームを通して、持続可能な未来を考えるきっかけを

今回オープンした「NISSAN EV & Clean Energy World」は、「走る蓄電池」としてのEVの価値を「VRChat」上のゲームとして伝えつつ、二酸化炭素を排出しないEVに自然エネルギーを利用する「サステナブルな未来」を考えるきっかけを提供する、というような目的から作られたとのことです。

EVは家庭への電力供給だけでなく、災害時にも蓄電池として利用できます。かつて千葉で発生した長期停電では、避難所の電力供給に「日産リーフ」が活躍したという事例もあるのだそうです(参考記事)。

実際、筆者もEVの電気を、家で使うための電源や、キャンプ場でコーヒーを淹れる電力として活用できることは知りませんでした。そして本ワールドで、「EVがあると生活はこう変わるかもしれないね」という追体験を経たことで、EVに対する理解がより一層引き上がったのも事実。「VRによる追体験」が、物事の理解に大いに役立つことをあらためて実感しました。

2021年に「VRChat」にバーチャルギャラリーをオープンして以来、日産自動車の「VRChat」を軸にしたメタバース展開は継続的に続いています。新型EV「日産サクラ」の新車発表会と試乗ワールドや、環境ツアーやデザイナーによるトークイベントの実施など、自社製品のPRにとどまらない様々な展開をしています。

日産サクラ試乗ワールドの体験を経て、実際に日産サクラを購入する人が現れるという「大きな効果」も現れています。しかし、日産自動車はこれにおごることなく、今後も「VRChat」を通して、日産を好きになってもらったり、車をより身近に感じてもらうことを重視していきたいとのことです。

「走る蓄電池」がある日常という近い未来と、クリーンで持続可能なエネルギーで社会を回す遠い未来。2つの未来を、ゲームを通してみんなで楽しく考えるきっかけとして、ぜひ訪れてみてください!

ワールドへのアクセスはこちら(Meta Quest 2、またはPC接続型VRヘッドセット、高スペックPCが必要です)。
https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_230e9d9c-41ed-46c5-980f-1b0ed17885e1

(参考)プレスリリース


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