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VTuberはビジネスで活用できる?メリットから課題まで先駆者が語る

2019年6月19、28日、7月4日の計3回に渡り、東京、京都ににて株式会社Mogura主催による「VTuber(バーチャルユーチューバー)活用丸わかりセミナー」が開催されました。

本セミナーは店舗での販売促進、町おこしなどにおいて企業、自治体がVTuberを活用する事例が増えつつある昨今、ビジネス活用に関心のある方に向けて開催されたものです。VTuberの最新事情、実際に活用したことでどのような成果が得られたかの実例紹介のほか、各スポンサーや登壇企業のソリューション体験展示も実施されました。

「VTuber最新事情」

まず株式会社Mogura VTuber領域統括 兼 Mogura VR News / MoguLive 副編集長の永井良友より、最新のVTuber事情に関する紹介が行われました。

VTuberは2017年の終わりから2018年にかけ、数多くの新人VTuberが誕生し、大きな賑わいを見せました。キズナアイさん、電脳少女シロさんなどのテレビ番組への出演、輝夜月さんの著名企業とのコラボレーション、そして数多くのVRライブイベントの開催など、活躍の場も広がり、特にエンターテインメント、タレントとしての可能性が大きく高まっています。

2019年もその傾向が引き継がれつつ、企業、自治体がVTuber活用する事例が増えてきています。その象徴的な一例として、茨城県の公認VTuberである茨ひよりさんが、約2億円の広告効果を得たことが紹介されました。YouTubeのチャンネル登録者数も10万人を突破、ニュースキャスターであることを活かした幅広い活躍も取り上げられ、日増しに注目の度合いが上がっていることをうかがわせました。これに追随する形で、他の自治体でもVTuberを起用する例が出てきており、三重県の四日市競輪場の泗水美海さん、北海道北広島市のクラーク先生が続けて紹介されています。

また、企業の活用事例としてバーチャルプロショッパーソリューションズの「バーチャル店員」が取り上げられ、起用による移動コストの削減、人手不足解消などのメリットが紹介されました。他に大日本印刷、日立、サントリー、ローソン、ロート製薬といった著名企業のVTuber起用、「ウェザーニューズ」のバーチャルお天気キャスター・Airiさん、就職に役立つ動画やLINEでの転職相談を請け負う「バーチャルキャリアアドバイザー」ことなるはやちゃん、カフェにおけるVTuber起用例も取り上げられました。

その現状からも分かるように、一般企業や大手のメーカー参入例が急速に増えつつあります。そのため、今後はエンターテインメント、タレント以外の活用事例をより増やしていく、ビジネスモデルとしてのVTuberの広まりが今後の展望として語られ、講演は終了しました。

締めには、株式会社Moguraでも“バーチャルな存在が仕事を持つ”一例として、VTuberの佐藤ホームズさんを紹介。実際に編集部に参加し、他のスタッフと共に編集作業に取り組んでいることも語られました。

「世界を夢中にする3つのV」

ビジネス、エンターテインメント全域のVTuber過熱と同時に注目を集めつつあるのが、VRデバイス、モーションキャプチャーを始めとする関連技術です。

続く講演はHTC NIPPON株式会社の政田雄也氏による「世界を夢中にする3つのV / VIVE×VTuber×Vision」。新製品「VIVE Pro Eye」と「VIVE Focus Plus」の紹介を交えつつ、自身の日本好きのルーツを振り返りながら、いかに海外で日本文化、特にアニメを始めとする放送コンテンツが人気を博し、新たなポップカルチャーとなりつつあるVTuberがいかなる影響を及ぼすかを熱弁しました。

またVTuber制作・配信ツールの豊富さ、それらとVIVEを用いてVTuberを作成した一例も紹介。最新の「VIVE Pro Eye」に搭載された視線追跡機能があれば豊かな表情が出せること、「VIVEトラッカー」を用いてのモーションキャプチャーの例も動画を交えてお披露目され、すぐにでもVTuberとしてデビューできる強みをアピールしました。

「VIVE Pro Eye」と「VIVE Focus Plus」は、本セミナーの体験スペースにも展示。前者は視線追跡機能、後者は「バーチャルキャスト」と合わせての使用感を確かめられました。

「Xsens MVNモーションキャプチャのご紹介」

続く形でゼロシーセブン株式会社の池田隆行氏より、モーションキャプチャーツール「Xsens MVN」の講演が実施。XSENS MVNのコアテクノロジー、特に磁場の影響を全く受けないアルゴリズムをエンジンに搭載していることを最大の強みとしてピックアップし、過去のキャプチャーとの比較例と共に、関節部分に至るまで繊細な動きを読み取る模様が紹介されました。

国内での活用事例も取り上げられ、VTuberが誕生した始祖の地とも言える、2014年に放送された生アニメ番組「みならいディーバ」も実際の映像と共に紹介。他にVRライブコンサート、リアルライブコンサートでの一例もピックアップされ、バーチャルアナウンサーにも活用できるというメリットが取り上げられました。

こちらのモーションキャプチャーも本セミナーの体験スペースに展示。最新のセンサー固定の全身スーツで、磁場の影響を受けることなく、カメラも必要もない利便性の高さを実際に動かしている様子も含めて確かめられました。

講演終盤にも「ユニティちゃん」を実際に動かしてみた一例のほか、トヨタやホンダ、パナソニックなどの大手企業がユーザーとして動作分析などで導入していることも紹介され、その応用性の高さを感じさせられます。一般ユーザーを対象としたのものではありませんが(※価格にして600万円ほど)、VTuberの起用を考えている企業、自治体は検討の意義のある技術と言えるでしょう。

「HR領域でのVTuber活用の可能性」

次に取り上げられたのが、ヒューマン・リソース(HR)領域におけるVTuber活用の事例と可能性。VTuber最新事情でもピックアップされた、バーチャルキャリアアドバイザー・なるはやちゃんの運営元である株式会社ブルーツの宮川彰之氏より、これまでの活動経歴を交えながら、HR領域におけるVTuberの3つの活用方法が紹介されました。

1つは自社でVTuberを作り、採用広報として運営すること。言うなれば、第二のなるはやちゃんを作ることです。このケースでは自社のコンテンツとしての蓄積ができる、拡散力が強ければ採用のみならず、あらゆるPRで活用できるというメリットが紹介されました。

デメリットは自社で作るため、それに当たっての初期コストがかさむこと。ただ、なるはやちゃんのようにフルスクラッチによる制作を考えず、HTCの講演で紹介されたようなツールを活用すれば、ある程度抑えられるようです。

さらなるデメリットが拡散力。昨今、VTuber界隈は群雄割拠の様相を呈している関係上、新人が一人生まれ、YouTubeに動画を投稿したとしても、大きく注目されるような生易しい環境にありません。そのため、運の要素が強く絡み、運用コストがかさむのは避けられないとのこと。

特にTwitterを始めとするSNS上での立ち回りが重要で、VTuberのファンに向けてアピールしていかねば関心など持ってくれません。しかも、基本的にVTuberファンの活発的な時間帯は夜遅く、定時以降になります。その時間に立ち回れる人がいるのかなど、多くの課題をクリアする必要が生じます。自社のVTuberを作りたい思いがあっても、このことが重くのしかかるため、踏み切るにも相応の覚悟が求められてくるとのことです。

逆に上手く立ち回りができれば、人気のVTuberとコラボする機会に恵まれ、大きなリターンが得られもします。例え最初から人気が無くても、コラボすれば認知度を上げられる。なるはやちゃんも、普段はキャリアアドバイザーとして活動しつつ、ゲーム実況や他のVTuberとのコラボなど、多方面で活動し、そこから認知度を上げて実績へと繋げていますので、このような流れを作れるか否かが活用の可能性を大きく左右すると言ってもいいかもしれません。

順番が前後しますが、なるはやちゃんとコラボするのも活用方法の一つ。デメリットも費用の面に集約されますが、他の求人媒体よりも採用単価を抑えられもするとのことですので、一考の価値はあると言えます。

その他の活用方法としては、VR空間での採用PRイベントの実施が挙げられます。オンラインで物理的な距離関係なく参加者を募ることでき、現在に限れば話題性も付いて注目されやすいメリットもあります。ですが、開催側も参加者側も専用のソフトをダウンロードする必要があり、VRによる参加の場合は専用の機器と高スペックPCが必須。3つの活用方法の中では特にハードルの高い方法でしょう。とはいえ、VR空間内での採用イベントはそれほど実例がありませんので、狙うのであれば今と言えます。

なるはやちゃんの実績が示すように、大事なのは一箇所に留まらないこと。そして、コラボのために積極的に動けるフットワークの軽さが求められること。得られるメリットが大きい分、運営する側も会社として必要な人材に絞り込まず、VTuberのファンも含めた広い視野を踏まえた戦略が重要です。最後に質疑応答の時間を挟む形で講演は終了しました。

ちなみになるはやちゃん、午後4時以降にエゴサ活動しているようです。

「『はたらくVTuber』ができるまで」

企業の活用例に続く形で取り上げられたのが「はたらくVTuber」。店舗の販売員としてのVTuber活用事例です。導入と同時に見えてきたことに関し、リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ株式会社の関口俊一郎氏、それに続く形で株式会社アドパックの宮城亮平氏が登壇しました。

関口氏からは「はたらくVTuber」というソリューション誕生の経緯が、実際にVTuberを作ったことによる失敗談を交える形で紹介されました。会社としてもVR、MR技術の一般社会への普及には多大な関心を寄せており、様々なテーマの中から、買い物からバーチャルの活用シーンを考えるプロジェクトが立案。

折しも重なった、2018年のVTuberムーブメントを受けて市場調査を実施し、バーチャルプロショッパー、いわゆるプロ販売員のVTuber「りあ」さんが誕生するに至りました。実際のプロ販売員の方を“中の人”として起用し、同年9月に開催された「東京ゲームショウ2018」を始めとする複数のイベントに参加。多岐に渡って実演販売が行われたのですが、1年ほど経って、一つの問題に直面しました。

チャンネル登録者数、Twitterのフォロワーが増えない。動画は複数投稿されていましたが、いずれもYouTuberユーザーの琴線には触れず、再生回数は伸び悩んでいました。

また、企業がVTuberをやるに当たって「稟議」、いわゆる承認のスタンプラリーという大きな障害も。今まで経済活動の中で遭遇したことのない場面に何度も出くわすことから企業は守りの態勢に入ってしまい、即行動としたくても承認が降りるまでの時間が必要とされました。そのため、OKが出たころには提案の鮮度が落ちてしまっていた、なんてことも。

このような制約の強さから、プロショッパーのVTuber個人ではなく、ソリューションとして「バーチャルプロショッパー」を浸透させる方向性が立てられ、店舗にプロショッパーを提案するスキームが作られていくことになりました。

それに合わせて小売店とのリレーションの強いアドパックとの出会いがあり、中の人としてプロショッパーをやる人や、システムの提供などの支援を行っていく枠組みが出来上がっていったとのことです。

枠組みができて以降、店舗での販売に留まらず、双方向コミュニケーションができるモニターを設置し、バーチャルキャラクターを使ってティッシュ配りを行ったり、トラックを走らせ、道行く人に支給品を配る試みも実施されました。中の人として、60歳で定年退職されたプロショッパーさんが参加したケースもあり、遠隔地に居ながらもスキルのある人材を活用できる可能性も提示されています。

「バーチャルLIVE販売、実践導入で見えてきたこと」

そんな「はたらくVTuber」の広がりに貢献したアドパックの宮城氏も、続く講演において同様のことを紹介されました。

しかし、導入によって見えてきた問題も。一つに環境音。モニターからVTuberが実演販売を行うのが基本的なスタイルですが、意外に店舗内の音は大きく、80デシベル以上に設定しなければかき消されてしまうとのこと。また、中の人のトークスキルも重要。スキルのある人材を起用してこそ真価を発揮するということが、導入の実績によって証明されつつあるようです。

そこから打ち出されるのが、モニターサイズ、音響基準、魂力基準の三項目。

そして、商品の陳列状況、売り場ゾーニング、通行料、店頭の演出、トークコンテンツの「BEST MIX」の追求。これらを追求することで、初めて成果が出てくると宮城氏は語りました。

とは言え、「はたらくVTuber」はまだ始まったばかり。今後、より効果的な活用法などが見つかるかもしれません。これらのサービスを用いて店舗販売の新境地を切り開くのであれば、バーチャルプロショッパーにお問合せいただきたいと、いずれの講演もそれを締めにする形で終了となりました。

「カフェとバーチャルYouTuber」

本セミナー最後の講演は「カフェとバーチャルVTuber」。茨城県は土浦市の「技術と飲食を楽しむ」をコンセプトとするカフェ「テクノロジーカフェシンギュラリティ」のオーナーである岩田智之氏が登壇し、最初に開業に至るまでの経緯、カフェの概要と営業時間、おすすめメニューに関する簡単な紹介が行われました。

そんなこちらのカフェでは二人のVTuberの運営も担当しています。一人はカフェ野ゾンビ子さん。ゾンビとして異世界に転生した女の子で、2018年1月より活動を開始しています。もう一人は神山カナタさん。2019年4月から活動している、デビュー間もない新人VTuberです。特筆すべきはVTuberでありながら、リアルに顔出しをしていること。お店の営業中には店内からの生配信も実施し、来客すればその模様を見ることができてしまいます。

そんなVTuberの運営を何故始めたのか。きっかけは2017年末、来店客より「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん(ねこますさん)」を教えてもらったことでした。VRの勉強を目的にVTuberの制作を始め、一週間で仕上げた後、2018年1月よりカフェ野ゾンビ子さんの運営を始めました。

そのスタイルは「ハチャメチャな生放送」と「バラエティに富んだ企画」。さらにストーリー性を持たせ、独自の設定と世界観を下地にした動画が投稿されました。

運営は積極的に表には出してないものの、個性の強さから口コミで広がって各種メディアで紹介され、コアなファンやVTuber関係者が来客。さらには茨城県公認VTuberである茨ひよりさんとのコラボが実現したり、ネットやコミックマーケットでグッズが販売されるなど、大きな貢献を果たしました。

しかし、一つの問題が。世界観と設定を細かく作ってしまったため、お店の宣伝として使いにくくなってしまったのです。そのため、新たなカジュアルVTuberの制作を提案。キャラ付けもしない、さらには顔出しをし、一般のVTuberと同じ形式で配信も実施するというコンセプトが固められ、神山カナタさんが誕生するに至りました。

このようなVTuberが誕生したことで、どんなメリットがあったか。一つに配信が行われることで、その様子見たさで県外から客が訪れるようになりました。特に配信日はイベント日のような賑わいを見せているのみならず、固定客も出てきたとのこと。また、ライブビューイングという点で、どうすればVTuberになれるのか、どのように配信するのかといった仕組みも分かるので、これからVTuberを作って運営してみたい気持ちを抱く人にきっかけを与えられるようにもなりました。

結果、神山カナタさんは店に対するニーズを満たすVTuberとして定着しました。カフェ野ゾンビ子さんの人気も根強く、設定上の制約はありながらも、シンボル的なVTuberとして活動を続けています。

まさにテクノロジーを用い、新しいビジネスを作り上げたVTuberの活用事例になりました。また、カフェ野ゾンビ子さんが知名度を上げ、お店に貢献した過程はHR領域のVTuber活用の方法のセミナーで語られたことを実行に移しており、いかに大きなリターンが得られるかを示しています。

岩田氏はVTuberをキャラクタービジネスとして終わらせるのは勿体ない、二人のように活かし方次第でビジネス的なメリットが得られると力強く語りました。

現在もVTuberに留まらず、VR空間上にソーシャルVRアプリケーションとしてのカフェを試験営業するなど、様々な挑戦を続けているとのこと。それらが今後、いかなる形で花開くのか、今後への期待を抱かせながら講演は終了しました。

総括

テレビ出演にライブイベントの開催、近年においてはアニメ、ゲームへの声優としての出演、テレビドラマの放送など、エンターテインメント界隈での浸透が加速的に進むVTuber。しかしながら、ビジネス界隈での活躍はまさに一歩踏み出して間もない様相。今後、どのような場面でVTuberが姿を見せるのか、興味深い限りです。


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