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VR動画 2018.08.22

VRで体験する性的・人種マイノリティの視点 理解を深めるツールとして注目

「Machine to be Another」は、VRを通じて他者を理解するコンテンツです。他者の視点から世界を見て、いつもと違う自分を眺め、全く新しい体験をすることが出来ます。そして、相手への理解を深めていきます。

オペレーターが触感も再現

「Machine to be Another」では、自分と異なる宗教、性別、人種の人の立場をVRで体験し、他者への理解を深めることが目的です。

内容はいたってシンプル。ユーザーはVRヘッドセットOculus Riftを装着し、他者の視点で見る景色を体験します。ライブデモでは同席するオペレーターがコンテンツ内容に合わせてユーザーに触れることで、触覚も体験できるようになっています。

シアトルで行われたXRイベントFearless 360で提供されたのは、トランスジェンダーの男性、Jonahの視点を体験するデモでした。ユーザーはJonahの目で周囲を見て、パートナーから優しく触れられる、といった触感も体験します。

身体の内で感じるストーリー

生き生きした映像と実際に触れられる体験とが合わさり、とてもリアルに感じる内容になっています。プロジェクトを企画したアート団体BeAnotherLabは、この体験は“身体の内で感じるストーリー”だとしています。

体験者の一人は、「自分自身を異なる視点から見るのも、面白い経験でした」と語ります。「まるで赤ん坊のようなものです。自分の手を見ても、それをどうやって使うか分からない。全てが新しいのです」

VRは人の視点を変える力を持つ

BeAnotherLabのミッションは、最新技術とアートを使って人々を繋げること。このプロジェクトは、その目的も達成しようとしています。「Machine to be Another」では、他にも異なる人種や、文化の人の視点も体験できるようになっています。

複数の研究結果では、VRは人々の視点を変える力を持つ、という可能性が示されています。例えばバルセロナ大学のMel Slater教授は、白色人種の人が黒色人種の人の視点を体験すると、潜在的な人種差別意識が低減する、という観察結果を発表しました。

BeAnotherLabのアーティストの一人、J.J. Devereaux氏は「別の人の身体を借りて体験を共有すると、その人を理解する助けとなります」と話します。

本棚から書籍を手に取るように、誰かの身体と体験を手にし、自分でもその感覚を体験する。そんな日が来るのも、遠くないかもしれません。

視点を自由に変えられるVRの特性を活かし、他者の立場を体験して理解を深めるコンテンツはこれまでにも数多く発表されています。

(参考)VRScout
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