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話題 2019.08.12

VRでまるで水中にいるような感覚を味わう「リキッドマスク」

ロサンゼルスで開催された世界最大のコンピューターグラフィックスのカンファレンス「SIGGRAPH 2019」にて、国立台北科技大学の研究者が、VRで海の中にいる体験をリアルに感じることができる「LiquidMask(リキッドマスク)」を発表しました。

VR内をリアルに感じる触覚デバイス

VR(仮想現実)内で、目の前にある物体に触れたときに、実際の感覚を再現できる触覚技術の分野では、多くの開発が行われています。物の硬さや持った感触を再現する触覚デバイス「EXOS」シリーズや、銃で撃たれる感覚やジープの振動を感じることができるジャケット型触覚デバイス「Woojer Vest」ドローン型の触覚デバイスなどデバイスも多種多様です。

今回発表された「LiquidMask」は、VRヘッドセットの下に装着し、ユーザーの顔を覆うマスク型デバイスです。実際に顔を濡らすのではなく、マスクの周りに液体を送り込むことで、水の感覚を再現しています。さらに、液体の温度を変化させることによって冷たさや熱さの感覚も再現することができます。

水の流れや温度を感じる

カンファレンスでは、「LiquidMask」のデモンストレーションが行われました。海の中に潜るVRスキューバダイビング体験では、海の奥深くへ潜れば潜るほど、液体の温度は下がり、マスク内の液体の量は水圧を再現するため増加します。開発者のレポートには、魚の群れが通り過ぎれば、頭の上に水の流れを感じるという、触覚デバイスは、よりリアルなダイビングのVR体験が提供できると記述されています。

「LiquidMask」は、温度感覚を提供できるデバイスのため、エベレストに登るときの吹雪の冷たさ再現するなど、水中以外のVR体験にも使用することができます。ただし、持ち運びの容易なデバイスとは言えず、マスクに流し込む水を貯蔵する2リットルのタンクと、水を加熱、冷却する装置が内蔵されたブリーフケースが必要です。

(参考)Fast Company


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