株式会社ProVisionが世界遺産・石見銀山(島根県大田市)に、Instagramを用いたARフィルターを設置しました。若年層の認知度向上と、来訪のきっかけ作りを目指します。
InstagramのARフィルターで世界遺産展示の集客を
石見銀山は、2007年7月にアジアで初めて鉱山遺跡として世界遺産に登録されました。石見銀山が世界遺産に登録された理由は、「16世紀から17世紀初頭の石見銀山が世界経済に与えた影響」「銀生産の考古学的証拠が良好な状態で保存されている」「銀山と鉱山集落から輸送路、港に至る鉱山活動の総体を留める」の3つです。展示室はこの「3つの価値」と、1996年から進められてきた「石見銀山遺跡総合調査の成果」の4テーマから構成されています。
展示室に設置されたタブレットでは、壁面模型の奥から明治の鉱山作業員がトロッコを押してやって来るARアプリ「石見銀山AR 大久保間歩」が体験できます(「令和3年度文化財多言語解説整備事業」で株式会社計測リサーチコンサルタントと株式会社ビーライズが共同開発)。
新たに設置されたARフィルターは、スマートフォンやタブレットなどで展示室に設置されたQRコードまたはURLを読み込み、Instagramで利用します。利用者は石見銀山オリジナルのInstagramフィルターを通じて、いつでも写真や動画を撮影できます。ARフィルターは全部で3種類あり、それぞれが石見銀山ならではの体験を提供します。
ProVisionによると、石見銀山は世界遺産登録後の集客面で課題を抱えており、また、石見銀山を通じて島根県自体のPRにも貢献したいという理由から、AR技術の導入が計画されました。ProVisionはこれまでにも、世界遺産の富岡製糸場(群馬県富岡市)や大船観音寺(神奈川県鎌倉市)にARコンテンツを提供しています。
(参考)プレスリリース、石見銀山世界遺産センター