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AR/MR 2022.10.20

「モナ・リザ」や「真珠の耳飾りの少女」の絵画世界に入れる? Instagramの画期的なフィルターに注目

有名なアート作品を題材にしたInstagram(インスタグラム)のARフィルター「Museum of the Future」に注目です。自宅に絵画三枚を出現させるだけでなく、額縁のなかの世界に入り込むことができます。

「Museum of the Future」は3種類の絵画(レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」、ルネ・マグリットの「人の子」)の絵の世界を「体験」できます。

実際に試してみた

ARフィルターを利用するには、まずKaren Xさんのインスタグラムにスマートフォンからアクセスして、「Museum of the Future」を選択。左下に「試す」ボタンが出現するので、タップします。

起動すると、平面をカメラでとらえるよう指示されるので、従うと“AR画廊”を設置できます。左から、「人の子」「真珠の耳飾りの少女」「モナリザ」が並ぶ構成となっており、各アート作品に向かって“突入”することで、その内部に広がる光景を鑑賞できる仕組みです。

例えば「モナ・リザ」の場合は、覗いてみると(本物には存在しない)気球のようなものが、モナ・リザ本人の後ろに浮いています。作者のダ・ヴィンチは、飛行を目的とした機械をスケッチしたことで知られており、そこから気球が連想されたのかもしれません。

「人の子」については、もっと不思議です。中に入ると、大量のおじさんが“お出迎え”。筆者は、前情報もなくフィルターを試したので、最初に見たときは、ちょっとギョッとしてしまいました。

調べてみると、マグリットは「ゴルコンダ」という絵を描いており、それが画像の背景のような、“大量男性”が登場するという作品。「Museum of the Future」は、これら2つの絵を合体させているようです。

「真珠の耳飾りの少女」については、入ると中世の建物のような風景が広がります。奥には同じくフェルメールの名画「牛乳を注ぐ女」を思わせる机も置いてあるなど、フェルメール作品へのリスペクトを感じさせる作り。覗き込むと一気に情報量が増える感じが、筆者のお気に入りです。

今回、このフィルター制作を主導したのは、インスタグラムユーザーで、ARクリエイターのKaren Xさんです。同じくクリエイターのJake Bergさんなど複数の人物が共同参加しています。制作には、テキストを入力することでアートに情報を追加できる、画像生成AI「DALL-E」の「アウトペインティング」機能が活用されています。Karenさんによると、2018年にリリースされたVRコンテンツ「Art Plunge」にインスパイアされているとのこと。

ARとアート作品を組み合わせる試みは以前から行われており、6月には三井不動産が創立80周年記念事業として「未来特区プロジェクト」を実施。デジタルアートが東京・日本橋に登場し、街中でARアートを鑑賞できる催しが実施されました。

また海外では、ARアートをタトゥーとして“彫る”事例もあり、海外メディアVRScoutの記者は実際に自分が彫った経験を紹介しています。

ARフィルターへのアクセスはこちら。
https://www.instagram.com/karenxcheng/

(参考)インスタグラム


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