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メタバース 2023.02.02

デジタルフィギュアのミクが自宅にやってくる? 開発中のQuest対応「HoloModels MR」を先行レビュー

スマートフォンのカメラを使って、好きな場所にARで顕現させることができるデジタルフィギュア「HoloModels」は、「SSSS.GRIDMAN」や「コードギアス」、「ゲゲゲの鬼太郎」に「銀河英雄伝説」といった人気アニメ作品に登場したキャラクターや戦艦などのデータをコレクションできるサービスです。

今まではスマートフォンもしくはタブレットの画面の中でしか見られなかったのですが、サービス提供元のGugenkaは、現在、Meta Quest2やQuest Proで使える専用ビューアー「HoloModels MR」を開発中。今後、Questシリーズのパススルー機能を用いて、現実に受肉したと感じられる姿を見られます。

開発中のα版をテストする機会に恵まれたので、実際にQuest2およびQuest Proを用いて触れてみました。

α版に登録されているHoloModelsは10体の初音ミク

前述したように「HoloModels」には様々な作品のキャラクターなどが登録されていますが、現状「HoloModels MR」のα版で映し出せるのは、初音ミクの「HoloModels」のみ。しかし喫茶「Cafe MIKU」の店主カフェミクや「マジカルミライ10th Anniversary in MIKULAND ver.」の初音ミクなど、様々な衣装に身を包んだ10体のデータがプリインストールされていました。

同じ初音ミクの素体であっても、モデリングを担当したクリエイターの違いやファッションが変わることで印象も大きく変わります。また「HoloModels MR」は「HoloModels」を立たせる場所を自分で決められるため、遠くに立たせて手乗りサイズにしたり、眼前に立たせて等身大の姿とすることが可能です。サイズの違いでも受ける印象に差がでてきます。

カラーパススルー対応のQuest Proで見ると、自宅のなかにリアルな初音ミクがいるという錯覚が呼び起こされます。

単なる等身大ビューワーではなく、MR的なアプローチと掛け合わせることで、自分の所有している「HoloModelsが自宅に遊びに来た」という感覚を得ることができる仕組みを作ろうとしているのでしょう。

HoloModelsの入れ替えはBボタン、HoloModelsを立たせる位置はトリガーで決定。またスティックを左右に傾けるとHoloModelsを回転させることができます。

「HoloModels MR」をQuest 2で実行すると、モノクロパススルーゆえに没入感はやや薄れます。とはいっても、等身大の初音ミクが手の届く場所にいるという感覚は強く、HoloModelsのコレクション欲が高まるのは間違いありません(なおQuest 2でのキャプチャはパススルー映像を取り込むことができなかったため、黒バックとなっています)。

もしも話ではありますが、強力なハプティクスアクチュエーターが内蔵されたQuestシリーズ対応コントローラが今後登場するとして、HoloModelsと自分の距離を正確に認識できるようになれば、握手をしたときの感覚なども得られるようになるでしょう。

ポートレート修行にもぴったりのコンテンツ

回転させると、「HoloModels」の首や目が動きます。常にユーザーに対して目線を送ってくれるインタラクティブな設計となっているようです。好きなキャラクターを自分を見てくれているというのもまた、満足度に直結するものですね。

背伸びをしたりしゃがんだりして「HoloModels」の各部の細部をチェックできるのも面白い。背後から、初音ミクのアイコニックなツインテールばかりを眺める・写真(キャプチャ)を撮るといった遊び方もできます。

なお、α版の概要説明には「撮影やSNSの投稿はOKです」と書かれていました。正式版が公開の暁には、きっと自分が所有しているHoloModelsが登録可能になり、玄関で、リビングで、自分の部屋で撮影を楽しんでネットでシェアできると考えられます。

せっかくなので、HoloModels初音ミクたちにモデルとなってもらって、様々な角度から撮影をしてみました。

これは楽しい体験です。表情・ポーズが定まっているとはいえ、自分に目を向けてくれる仕様によって、ポートレート撮影をしているような感情も湧き出てきました。

もしもポーズを自分でコントロールできるようになれば(例えばmocopiで記録したモーションデータを送り込むこめるなど)、自分の好きなキャラクターが自分の好みのポーズをとってくれた状態で撮影できるようになるわけで、これはもしかしたらポートレートカメラマン育成ツールとしても価値が出る予感がしてきます。

願わくば自宅だけではなく外にも連れ出したい。一緒に散歩をしている気持ちで撮影をしてみたい。屋外で使えるパススルー機能付きVRヘッドセットやMRヘッドセットが登場したら、そんな夢もかないそうじゃないですか。ハードウェア側の進化とともに、楽しみ方の幅が広がる。「HoloModels MR」にはそんな期待値の高さを感じました。

HoloModels公式サイトはこちら(HoloModels MRは現在開発中)。
https://xr-marketplace.com/holomodels


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