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テック 2015.05.29

【速報】Google、360度動画撮影へ。オープンソースによるVRプラットフォーム「Jump」を発表

28日、Googleは開発者会議Google I/Oにて、VR関連の発表として、360度撮影をのための「Jump」プログラムを発表しました。公式サイトにもJumpのページが出現しています。

この「Jump」は16個のカメラをつなぐVR動画撮影のデザインです。撮影した動画を同社が提供しているVRデバイス「Google Cardboard」でVRで体験できるようになります。この「Jump」は「Google Cardboard」と同様、オープンなものとされており、特定のカメラをGoogle自身が販売するわけではなく、Googleは360度撮影のための技術を提供します。Google Cardboardが、設計図のみを公開して、企業や個人が製造し販売することを認めていたのと同じ形での提供になります。

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既にアクションカメラメーカーのGoProとパートナーシップを結んでおり、16個のGoProを使った撮影機材が発表されています。この機材を使うことで、長時間、複数台のカメラを同期させて撮影することが可能になるとしています。

現在、複数台のカメラで360度撮影をするときに大きな課題となっているのは、撮影した動画をつなぎ合わせる(スティッチ)するときの繋ぎ目をどう解消するかということです。Googleはこの課題に対応するために、「Assembler」と呼ばれるスティッチのためのサービスを立ち上げました。撮影されたシーンを3D分析し、繋ぎ目を全くわからない形でつなぎ合わせ、3Dシーンを構築することが可能とのことです。5台の4Kカメラでの再生に耐えうる解像度が実現できるとのこと。Assemblerは今年の夏に公開予定です。

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また、Googleは今夏より、Jumpで撮影されたVR動画をYoutubeで体験できるようになると発表しました。Youtubeでは、360度の動画をアップロードし閲覧することができますが、Google Cardboardを使ったVR動画の再生も可能になります。Oculus Riftなど他のVRデバイスへの対応は不明です。

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360度撮影は、これまでGoProを6台使用しての撮影が多く、今回のGoogleの発表でさらに高解像度のより現実に近いVR動画が撮影されるようになります。サムスンなども360度カメラを発表しています。また、360camやRicoh thetaのように1つのカメラで360度撮影が可能なカメラも登場しています。

16台のカメラとなると手軽に撮影できるとは言えませんが、Youtubeという配信用のプラットフォームと、手軽にVRを楽しめるダンボール製のCardboardというデバイスを持つGoogleの「入口から出口まで」を押さえた戦略が、今後どの程度360度撮影を普及させることになるのか、期待したいところです。


(参考)
Jump – Google公式(英語)
https://www.google.com/get/cardboard/jump/

GoPro to Make 16 Camera VR Film Rig Based on Google’s ‘Jump’ Design – Road to VR(英語)
http://www.roadtovr.com/gopro-make-16-camera-vr-rig-google-jump-design/

Google ‘Jump’ is an Open VR Camera Design with “Seamless” Stitching Solution and YouTube Playback – Road to VR(英語)
http://www.roadtovr.com/google-announces-jump-an-open-vr-camera-design-with-stitching-solution-and-youtube-playback/


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