医療向けVRトレーニング開発を手がける米スタートアップ・GigXRは、米国空軍医療チームと新たなVRトレーニング開発を目的とした契約を締結しました。
（出所：HIT consultant）
ホログラフィック患者で医療訓練
GigXRは2019年創業。米ロサンゼルスに拠点を置くスタートアップです。VRを活用した医療トレーニングの研究開発を行い、多くの医療機関や大学医学部などにソリューションを提供してきました。
同社が開発した「HoloScenarios」では、VRデバイスを装着した医療従事者が、バーチャルな患者に対し治療シミュレーションが可能。没入感のある実践的なトレーニングを実施できます。また、MRデバイスを使ったバージョンも存在します。
GigXR Portfolio for Mixed Reality Healthcare Applications from GIGXR on Vimeo.
戦闘地特有の医療現場をVRで再現
今回、GigXRと米軍が締結した契約は中小企業育成制度（SBIR）に基づくものです。SBIRは米国政府が定めた中小企業支援プログラム。不確実性が高い医療科学分野における技術革新の促進を目的としています。同社は本契約を活かし、戦闘現場での医療行為を訓練できる、新たなVRトレーニング開発を目指します。
このVRトレーニングでは、銃声、爆発音、飛行するヘリコプターの騒音などの戦闘時の環境をはじめ、爆風による負傷、銃撃での損傷など、戦闘で想定される特有の負傷を再現予定。医療従事者は、戦闘地特有の高ストレスで安全が確保できない状況を想定した訓練が可能となります。
GigXRのCEOであるJared Mermey氏は、本締結に際し「GigXRが提供するVRを利用した医療トレーニングは、現場で目にする可能性のあるものに対して、より良い準備ができるよう設計されています。こういったトレーニングコンテンツを大規模に展開する場合、VR体験は臨場感、提供コスト、運用負担の面でアナログの代替品より、はるかに多くの利点を提供できます」とコメントしています。
（参考）HIT consultant
