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テック 2018.08.31

29万円からのモーション筐体、Kickstarterの目標額を5時間で達成

8月28日にKickstarterでクラウドファンディングを開始したモーションシミュレーター「Feel Three」が、スタートから僅か5時間で目標額を達成しました。競合製品には高価な筐体が多い中で、2,000ポンド(約29万円)程度の出資から入手可能な手軽さも、人気の秘密と考えられます。

シンプルな構造で安価なモデルに

シミュレーターは半球状で、複数のモーターと全方向に回転する車輪”omni wheels”の上に据え付けられています。これにより、前後・左右・回転という動きを実現しています。リニアアクチュエーターのような高価な部品を使わず、比較的安価な構造です。そのためKickstarterの出資額も、早期割引で2,000ポンド程度からと手の届きやすい設定になっています。

プロジェクトを行うマーク・トーナー氏は製品について「(リニアアクチュエータを使えば)ユーザーを上下に動かせますが、お金のかかる構造ですし、消費電力も大きくなります。そこでomni wheelsとDCモーターだけを使い、ユーザーを非常に素早く動かせるようにしました。ユーザーは重心に座り、バランスが取れています。よりシンプルなソリューションです」と説明しています。

触覚フィードバック、トラッキングにも対応

またこのシミュレーターは触覚変換器も備え、コンテンツの内容に合わせた振動の効果を与えることが可能です。変換器はユーザーの足、手、背中部分に設置されています。

VRコンテンツで重要になるトラッキング機能については、ユーザーの頭近くにトラッカーを設定。「シミュレーターの確度を常に把握し、ヘッドセット側で見える動きを固定する」としています。

通常のシミュレーターと比べてFeel Threeの動きは非常に大きいため、この動きを固定する機能は不可欠になります。

同社はこの点がFeel Threeの欠点だと認めた上で、

・個々のゲームごとに動きを止めるためのコードを追加する
・UnityやUnreal Engineがサポートする固定の機能を有効にする

といった対策を挙げています。

すでに非VRタイトルも含め100以上のゲームコンテンツに対応。オプションパーツを使い、コントローラーをハンドルに付け替えたりすることも可能です。製品出荷は2019年5月を予定しています。

「Feel Three」は目標額5万ポンドに対し、8月30日現在7万2,000ポンド以上を集め、現在も調達金額を伸ばしています。クラウドファンディングは9月28日まで。こちらのKickstarterで受付中です。

主なスペック

・前後左右の回転:90度/100度
・最大回転角:3600度~
・回転速度:70~120度/秒(前後左右)
・製品重量:チェアー部分60kg+ベース部分25kg
・ベース部分消費電力:220/110V 600W
・チェアー部分消費電力:220/110V 600W
・身長制限:140cm~200cm
・体重制限:110kg(3車輪)/135kg(6車輪)
・素材:アルミニウム98%
・必要PCスペック:Windows8以上、USB2.0×2

(参考)KickstarterRoad to VR
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