ハイファッション着せ替えアプリ「Drest」を開発・提供するDrest社が、1,500万ポンド(約27.3億円、2023/08/08時点)を追加調達しました。次世代アプリで「メタバースにファッション・ゲームをもたらす」ための研究開発に充てられます。
ハイブランドのフォトリアル着せ替えアプリ
ロンドンで2019年に創業したDrestは、ファッションモデルの2Dモデルにさまざまなアイテムを着せ替えて、実写の風景にレイアウトできるスマホアプリ「Drest」を開発・提供しています。ユーザーは最新の品揃えからお気に入りのアイテムを選び、スタイリングを楽しみ、完成したルックを共有し、現物を購入できます。
Drestによれば、同社はグッチ、バーバリー、プラダ、ロエベなどを含む250以上のブランドと提携し、高級ファッションECサイト「ファーフェッチ(Farfetch)」からシーズンごとの商品データを提供されています。ドイツの高級ホテルグループ「オトカー・コレクション」らが風景写真を提供したほか、2023年7月に開催されたコペンハーゲン・ファッションウィークではゲーム内コラボイベントが行われました。
(出所:App Store。スマホアプリ「Drest」のスクリーンショット例)
ハイファッション誌の元編集長が「メタバース対応」に挑む
複数の英字メディアによれば、今回の資金調達は共同創業者で共同会長のグラハム・エドワーズ氏が主導し、同氏の資産管理会社などから1,500万ポンドを調達しました。調達資金は「メタバースの構成要素であるアバター作成機能やソーシャル要素」などの研究開発に充てられます。これまでの調達総額は3,000万ポンド(約54.6億円)に達したとのことです。
創業者のルーシー・ヨーマン氏は、1992年にセント・アンドリューズ大学を卒業後、ファッションライター・雑誌編集者などを経て、ファッションメディアやラグジュアリーファッションサイトで編集長を務めていました。
各国でアバターブランドやバーチャルファッションショーが人気を集める一方で、3D測定技術を活用したバーチャル試着サービスやフォトリアル志向のデジタルアイテムも注目されており、2023年には「DressX」や「House of Blueberry」などのブランドが大型資金調達を行っています。