4月27日、3Dアバター向けのバーチャルファッションブランドを展開している株式会社BALが、新ブランド「Brummellia」を設立しました。第1弾衣装「meltout」の発表に合わせて、「VRChat」上で展示会「【meltout】~AI、それは『呪い』か、それとも『祝福』か~ 」の開催も告知。一風変わったブランド展開を仕掛けています。
本展示会は、5月13日(土)より一般向けの先行体験会がスタートします。今回、筆者は先行体験会に先駆け、本展示会を体験してきました。
AIの歴史や技術背景を伝える
第1弾衣装「meltout」と展示会のテーマは「AI」です。昨今、各所で大きな注目を集めているAIですが、中には「AIが人間から仕事を奪うのでは」と危惧する人も見られます。本展示会の趣旨は、新しい技術であるAIを恐れるのではなく、新たなツールとして利用し、新しい価値を創造できるというメッセージを伝えることにあります。
展示会の序盤はAIにまつわる歴史や技術が、ポスター形式で解説されています。未知なるものへの恐れは「わからない」からくるもの。AIが技術的に、文化的にどのように醸成されたかを知り、巷で流行りの生成AIの原理を理解することで、AIが決して「よくわからない、恐ろしい新しいもの」ではなくなるはずです。
AIで初期案を作り、人の手で仕立てる
本展示会がAIを取り扱う理由は、「meltout」の製作過程にあります。「meltout」の衣装デザインは、初期案を生成AIに出力しているのです。展示会後半では、実際にAIが出力した初期デザイン案の数々が掲載されています。
このAIの初期案をもとに、デザイナーのruribitakiさんが最終デザイン画としてまとめあげることで、「meltout」のデザインが完成。「AIとの二人三脚」によって生まれたバーチャルファッションと言えるでしょう。
また、服飾デザインにも採用される「Marvelous Designer」を用いることで、「一枚の布から切り出す」という、現実の服飾と同じ手法でモデリングされているのも特徴とのことです。「布地のストライプが部位ごとに向きが異なるところ」まで再現されている細かさは、現実の製作工程を再現することで、「機能美」をバーチャルな服にも再現することが狙いなのだそうです。
衣装の動きも、スカートの揺れや貫通対策、腕を上げた際の布地の動きも現実に近いかたちで再現されています。リアル系の衣装がほしい人におすすめできそうな一着です。
一般向け先行体験も開催!
第1弾ではAIを活用した「Brummellia」ですが、このブランドのコンセプトは「技術や歴史などをバーチャルファッションとかけ合わせることで、その魅力などを発信すること」とのこと。第2弾ではまた異なるテーマから仕掛けるつもりですが、展示会とのセット展開は今後も続けていきたいとのことです。
「Brummellia」第1弾衣装「meltout」は、VRChat向けアバター対応衣装として、6月ごろに発売予定。対応アバターは、モデルとなったGrusのほか、10種類程度のアバターへの対応が予定されているとのことです。
そして、VRChat展示会「【meltout】~AI、それは『呪い』か、それとも『祝福』か~ 」は、5月13日(土)より先行体験がスタート、6月初旬に一般公開が予定されています(終了時期は未定)。先行体験に参加すると、「名前入りのチケット画像」という小粋なプレゼントもあるとのことです。
製作の初期段階にAIを用いつつ、製作過程は現実の服飾を再現し、生まれた衣装はソーシャルVRの世界でしか身にまとえないものとなっている……。様々な領域が混ざりあった新たなバーチャルファッションアイテムに興味が湧いた方、先行体験に応募してみてください。
展示会の先行体験の応募フォームはこちら。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScFgW-QxxVLQP_R8uiIJZ2z_jUqtgMxoUOZ3Dyqs-R2G5us-w/viewform
(参考)プレスリリース