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AR/MR 2019.01.09

軽量なスマートグラス「DigiLens Crystal」登場 スマートフォンで駆動

アメリカでARハードウェアの開発を行っているスタートアップDigiLensが、CPUやバッテリーなど内蔵しないスマートグラス「DigiLens Crystal」を発表しました。

2019年1月8日からラスベガスで開催されている家電見本市Consumer Electronics Show(CES)に合わせて発表されたもので、「DigiLens Crystal」は2019年末までに提供開始予定です。予定販売価格は500ドル(約54,000円)です。

スマートフォンに接続して使用

Digilensはこれまで、ARディスプレイの研究開発を続けてきました。2018年12月には「ポケモンGO」の開発元であるナイアンティックと、三菱ケミカルホールディングス(MCHC)100%子会社のベンチャーキャピタル、ダイアモンド・エッジ・ベンチャーズからシリーズCの資金調達を行っています。累計調達額は2,500万ドルです。

「DigiLens Crystal」は、スマートグラス本体をスマートフォンに接続して動作します。スマートフォンとの接続はUSB Type-Cコネクターを使用。接続されたスマートフォンは「DigiLens Crystal」のプロセッサとバッテリーとして機能します。接続可能なスマートフォンの機種は、2019年1月現在公表されていません。

「DigiLens Crystal」は、スマートフォン用のアプリが利用可能です。DigiLensによると「DigiLens Crystal」は、5G通信と音声入力の実装により、ゲームアプリに高い適性を有するとのことです。対応するアプリを使用した、教育目的や工場、物流チェーンでの活用も想定されているとのことです。

DigiLensの最高経営責任者(CEO)Chris Picketts氏は、米Tom`s Hardwareの取材に対し「我々は(DigiLens Crystalから)CPUやバッテリーといった電子機器のほとんどを排除し、スマートフォンに処理を代行させることで軽量化を実現しました。アプリも、AR(スマートグラス)用ではなく、スマートフォン用のアプリを制作すれば事足ります」とコメントしました。

開発技術のライセンス供与や販売も検討中

「DigiLens Crystal」は、OEMによる生産が予定されています。生産の際には「DigiLens Crystal」の開発に使用された技術がライセンス供与されます。その他の企業に対する、技術の販売も検討されています。

2019年1月現在、DigiLensと提携を結んでいる企業は、Texas Instruments DLP Pico Products、台湾のYoung Optics、waveguide manufacturer、中国のMalataの5社です。

DigiLens Crystalのスペック

CPU

なし(接続したスマートフォンのプロセッサを使用)

視野角

30°

バッテリー稼働時間

連続5時間稼働(接続したスマートフォンのバッテリーを使用)

カメラ

8MP(800万画素)

重量

85g以下

価格

500ドル(約54,000円)

(参考)Tom`s Hardware


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