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VRとARはまだまだ進化する 次世代技術に取り組むスイス企業の野望

VRやAR(XR)分野において、まず注目されるのはハードウェアだ。今もなお日進月歩で進化が続いており、その最前線では様々な企業や研究者たちがしのぎを削っている。

例えば2020年10月にフェイスブックから発売された「Oculus Quest 2」は、10年前からしたら想像もつかなかったようなデバイスだろう。VRに熱心な投資を続ける彼らが作り出したこのVRヘッドセットは安価で高性能、家電量販店でも購入できるほど入手が容易、そして非常に使いやすい。しかし、このOculus Quest 2をもってしても、“究極のVR体験”にはまだまだ遠い。

今回は“究極のVR(そして究極のAR)”に向かうための課題の1つ、「焦点を合わせる技術」に取り組むスイスのスタートアップ、CREALを紹介しよう。

自然なVR/ARに不可欠な「焦点深度」

「ライトフィールドで見ると、私たちの視界はより自然になる。今のVR/ARデバイスでは実現しえないレベルだ。白黒テレビがカラーテレビになるくらいの変化をもたらすだろう」そう語るのは、CREALのCEO、トーマス・スルカ氏だ。

CREALが開発している「ライトフィールドディスプレイ」は、将来的にVR/ARデバイスに必要となる「焦点深度」を実現する技術だ。スルカ氏は、今後のVR/ARデバイスに要求される多くの技術のうち、まだ未解決かつブレイクスルーが必要なものは「焦点深度」と「フォービエイション」(視界の中心部分を高解像度で表示すること)だと語る。そしてCREALはその両方、特に焦点深度の解決に取り組んでいるという。

では、焦点深度はなぜそんなに重要なのか?

現行世代のVR/ARデバイスでは、映像を映し出すディスプレイはあくまで平面にすぎない。特にVRヘッドセットでは分かりやすいが、レンズ越しに平面のモニターを見ている。実はこの“見え方”は、我々が現実世界を見るときと全く異なっている。現実世界では、遠くのものを見ているときは遠くにあるその対象にピントが合い、近くにあるものは自動的にぼやけて見える。逆に手元を見ると遠くはぼやける。こう書いてみると当たり前のようだが、一般向けのVRデバイスにおいて、この「ピントを合わせる」技術は実現できていない。

スルカ氏は焦点深度について、「そもそも見え方が現実と異なる時点で目に負担がかかる。そして焦点深度のないイメージは、本物とは異なり、没入感がなくなる」と健康上のポイントやVRへの没入感への影響を語る。

「なにより最も重要なのは、光学的に平面に映っているイメージは、現実の物体の隣に置いたときに正しく見えないことだ。ARではこれは非常に重要な問題になる」(スルカ氏)。確かに、ARで表示されている物体の隣に手をかざしても物体が表示されている平面と手の実際の奥行きは異なるがゆえに、本来横に並でいるように見えるはずが焦点が合わない。

ライトフィールドディスプレイの魔法

「CREALのライトフィールドディスプレイは、現実のものを見るのと同じような光を再現する」と豪語するスルカ氏。ライトフィールドディスプレイは、プロジェクターから射出される光が形成する光線空間を見ることになるが、光線がプロジェクターから射出される時点で、異なる距離にある現実の物体から入る現実の光の性質を持っている。

CREALの技術では「秒間60億本の光線を射出。各光線の色だけでなく方向もコントローラすることができるため、現実の世界から入射する光の再現ができている、という。スルカ氏は、アイトラッキングを使わずに焦点を合わせることができると自社の技術の強みをアピールする。

https://www.youtube.com/watch?v=zYnDYzTG8Cw

(CREALのライトフィールドディスプレイの仕組みを表現した動画)

なお、Magic Leapは焦点深度をまさにARの重要な要素として挙げ、手に小鳥が乗るイメージ映像などを通じてアピール。独自のライトフィールドディスプレイで解決するとしていたが、初代機であるMagic Leap One(Magic Leap 1)では実装されず、アイトラッキングを使い、わずかに遠近の2つの焦点を切り替える限定的な機能の搭載にとどまった。

小型軽量化に向けての自信

CREALは2021年初にオンライン開催されたCESにて今後のロードマップを公開していた。そこに掲載されていたのは、同社が驚くべき速度で小型軽量化に取り組むという姿勢だ。特にARデバイスに関しては、2022年末にはメガネ大にまで小型化が進む計画だという。

スルカ氏は、「ディスプレイの小型化にはシリコンを含む重要な部品のさらなるカスタムが必要で時間もコストもかかるが、すでに目処が立っている」とこちらも自信を見せる。さらに、光学系で重要なホログラフィック関連部品の小型化に関しては、インテルの「Vaunt」のような小型化が実現できるとしている。Vauntはインテルが2018年に開発を電撃発表したメガネ型のARデバイスの開発プロジェクトであり、その直後に開発が打ち切られた幻のデバイスだ。メガネと見分けのつかない小型・軽量化が2018年時点で実現していた。

なお、小型軽量化は行う一方、CREALは視野角に関しては30度を目標に掲げており、それ以上に広げるつもりはない、としているがその理由も理路整然としたものだ。「人間の目は思っているよりも曖昧であり、焦点を合わせているのは5度くらいだ。範囲としては30度位が見えていれば問題ない。周辺視野が必要になると足りないが、その場合はライトフィールドを動かす仕組みが必要となる」(スルカ氏)。

価格に関しては、「コンシューマー向けなら1000ドル以下が求められるが、(ライトフィールドディスプレイにとって)コンシューマー市場は遠い」とスルカ氏は語る。ハイエンドなデバイスとして登場し、最初の価格は「1万ドル付近から」とのこと。デバイスの小型軽量化が実現しても、まだ一般ユーザーの手元に来るには時間がかかりそうだ。

日本市場もターゲットに

さらなる技術開発に向けて資金調達も行い邁進するCREALだが、そのチームメンバーを見てみると“快進撃”の理由もうなずける。CEOでファウンダーのスルカ氏を始め、スイスの研究所として世界的にも知られるCERN出身者が多く所属しており、技術とリサーチに強みを持っている。さらに先に紹介したインテルのVauntチーム、そしてMagic Leapにも在籍したメンバーが加わり開発に当たっているというのだから、ARグラスの実現に向けた志のある技術者が集結していると言えるだろう。

ビジネスモデルとしては、VR/ARデバイスを自身で製造するのではなく、ハードウェアメーカーへの技術のライセンス提供を目指す。現時点では、眼科関連の市場に進出しており、今後VRとAR市場に乗り出す。

さらにCREALが2018年に最初のデモを公開してから、多くの反応があるとのこと。その中には日本企業も含まれているとのことで、すでに議論が始まっている。「最初のユニットは日本にも届けている」と言う。スルカ氏によれば日本におけるオープンイノベーションの流れやデジタル化に注目しているようだ。「日本は、没入型のVRやARが伸びる完璧な環境だ」と日本への期待は大きい。

VRとARの普及には、「3Dディスプレイも重要だが、ハードウェアだけでなくソフトウェアも揃った完璧なエコシステムを作ること」が重要だと語るスルカ氏。果たして理想のVR/ARデバイスが実現するのか? ライトフィールドディスプレイが搭載されたデバイスの登場が待ち遠しい。


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