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話題 2023.05.10

「ChatGPT」を使って「Beat Saber」は作れるのか? 海外YouTuberの挑戦が注目を集める

AIチャットボット「ChatGPT」を使って、名作VRリズムゲーム「Beat Saber(ビートセイバー)」を作成するという試みに挑戦したYouTuberが、海外で注目を集めています。

「Beat Saber」の“再構成”に挑戦したのは、ベルギーのYouTuberで、Valemさん(本名:Quentin Valembois)。Valemさんは、YouTubeでの動画投稿を行いつつ、VR/AR関連の講師としても活動している人物です。

今回の企画には「ChatGPT」の最新言語モデル「GPT-4」が使用されました。Valemさんはまず「どうやったら『Beat Saber』をリメイクできますか(愛をこめて)?」と質問したものの、この問いかけではプログラミングに必要なコードが出なかったそうです。

より詳しいガイダンスを求めた結果、「Unity」のセットアップに必要な情報が提示され、その解説に従って準備したところ、基礎的な“VRゲーム”が出来上がったとのこと。

ゲーム内のオブジェクトのテクスチャーや光り方などを設定する「シェーダー」の作成も、「ChatGPT」を使用して行われました。 最初は通常の説明が表示されたため。Valemさんは「テキストシンボルを使って、ノードの接続を表示してほしい」と質問。

その結果、「ChatGPT」が以下のように、テキストを使った図解で手順を説明してくれたとValemさんは説明しています。

「Beat Saber」ではゲーム中、画面の奥に回転する四角いオブジェクトが表示されます。Valemさんは、オブジェクトの作成と、その回転に必要なコードを要求。今回の質問にも「ChatGPT」は回答を提示しました。

回転を実現するコードには問題があり、その修正を指示したところ、「ChatGPT」は問題を修正したそうです。ただ動作自体は旧バージョンの方が良かったため、最終的にはそちらが採用されました。

次に行われたのは、飛来するキューブの切断スクリプトの実装です。「Beat Saber」では、このキューブを切断することでスコアを得られます。

残念なことに、「ChatGPT」は上手く動作するコードを出力できず、代わりに「GitHub」で公開されているアセットのダウンロードをレコメンドしたとのこと。ただ、このアセットと組み合わせることで適切に動作するコードの生成には成功したそうです。

カスタムマップの制作には、すでに公開されているマップのデータから、処理方法を学習させるという手法が使用されました。

キューブを切断するセイバー用のエフェクトは、YouTubeで公開されているチュートリアル動画の書き起こしを「ChatGPT」用プラグインを使って作成し、それを「ChatGPT」側に送信。スクリプトを“再開発”させるという手法が用いられました。

これらの手順を経て完成した、“ChatGPT版「Beat Saber」”が以下の画像になります。オリジナルの「Beat Saber」の雰囲気やゲーム性を、かなり再現できていると言えるのではないでしょうか。

今回の動画は個人YouTuberの挑戦企画的な内容でしたが、今後AIを活用したVRゲーム開発が本格的に発展していくかもしれません。これから、どのような作品が出てくるのかに注目です。

(参考)YouTube


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