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VIVE 2017.09.01

HTC Vive、意外と知らない機能や開発Tipsが紹介【CEDEC2017】


CEDEC2017にて、HTC NIPPON株式会社の西川美優氏が登壇するセッション「HTC VIVEの中~上級者向け利用方法と今後の新製品について」が行われました。中〜上級者向けと題されていますが、これからVRを始める人にも関わってくるような内容が多くありました。その内容についてまとめて行きます。


今回のセッションは今までVRコンテンツを開発してきた開発者からよくある質問に対して答えて行く内容で、実際の事例なども交えつつ解説がありました。

HTC Viveのフロントカメラは何のためにある?


まずはフロントカメラについてどう使うかといった問いに対しては、周囲の確認および現実の体験者とVRの世界の中にいるように見せるMR撮影に使用できると回答の。周囲を確認するためには、SteamVRの設定画面から、ルームスケールの範囲外に出そうになった時に外部の画像を映すといったような設定が行えます。また、MRの対応に関してはクロマキーを応用して近くの人物を映し出すといった事例も紹介されました。

Viveトラッカーは最大7台まで


次に、現実のさまざまな物体を認識させるViveトラッカーは何台まで同時に使用できるかという問いには、7台までは可能ということでした。8台目からはトラッキングがずれるようになります。5台同時に使い、予備を用意する際などに特に発生しやすいとのことでした。


Viveトラッカーを複数同時接続するとトラッキングが不安定になる問題に関しては、ドングル同士を離すことで解決するとのことでした。USBハブなどに複数台ドングルを接続するのはとくにNGです。またPCからもドングルを離して使用するのが望ましいとのことでした。特にWi-FiやBluetoothなどの2.4GHz帯の電波を発するものから遠ざける必要があり、壁にアルミホイルを挟むといった大掛かりな解決方法も紹介されました。

そしてViveトラッカーではなく、Viveコントローラーを3台以上使いたいという問いに対しては、Viveトラッカー用のドングルを接続すればペアリングが可能とのこと。Vive本体にもドングルと同じような物が搭載されており、それでViveコントローラーをペアリングしているためそれを増やせば認識します。

気になる新型コントローラーは……


また、Valve社から発表された試作型コントローラー「Knuckles」について非常に問い合わせが多いということですが、こちらはHTC社が関わっている物ではないのでHTC社に連絡をいただいても何もできない状況です。そのため直接Valve社に連絡してくださいとのことでした。

ベースステーションの最適な置き場所とは?


ベースステーションを置く最適な位置に関しては、基本的にはセンサー同士の距離が2m以上の場所でセンサーが下向きになるように置くのがベストです。これはベースステーションが赤外線を照射する仕組みであるため、床等に置いてしまうと手や体に赤外線が遮られてしまうため快適な体験ができないという理由が述べられていました。
そのほかにも主に赤外線の干渉を防ぐ、反射する材質のものがある環境を防ぐ、直射日光を避ける、3つ以上のベースステーションを置かないなどがあげられました。またどうしてもこのような環境で使用する場合はシンクケーブルを使うと改善するケースが多いとのことでした。


また、これはあくまで基本的な使用に限ったことであり、例外のパターンも紹介されました。1セットのベースステーションで10台のHTC Viveを稼働させる事例や、同じ部屋に20台のHTC Viveを置き2セットのベースステーションで運用することも可能ではあるとのことでした。また、ベースステーション同士の距離は5mまでが推奨ですが、9m以上で稼働させた事例も紹介されました。あくまでお勧めというわけではなく、これくらいは赤外線が届いてしまうという例でした。

新規格SteamVR Tracking 2.0とは?


またベースステーションを3台以上使う場合に関しては、現在のバージョンでは対応していないためSteamVR Tracking 2.0がリリースされるまで待ってほしいとのこと。バージョンアップすることで3台以上使えるようになる他、小さく、静かに省電力でより安定して低価格になるとのこと。詳しくは以下のサイトに記載されています。

https://steamcommunity.com/games/steamvrtracking/announcements/detail/1264796421606498053

気になる新型デバイスについては詳しく言及されず


また、今後の新製品については具体的な発表はなく、すでに発表されているスタンドアロン型のHMDの紹介のみでした。性能は画像の通りで、今年中には詳細が発表されるとのことです。


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