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Vision Pro 2023.06.20

Apple Vision Proってなにができるの? いま考えられる使い方をご紹介

6月6日、Appleより発表された空間コンピュータApple Vision Pro。かねてよりウワサされていた、「AppleのXR業界参入」を実現するデバイスとなりました。

しかし、デバイスの詳細はまだ明らかになっていません。加えて、「空間コンピュータ」という言葉や、3,499ドル(約48万円)という販売価格を前に、「これはなにができるの?」「一般人でも買うべきなの?」と疑問に思う方も多いはず。

本記事では、現状明らかになっている情報をもとに、「Apple Vision Pro」があると、どのようなことができるのか、用途などを紹介・考察していきます。

「Apple Vision Pro」ってどんなデバイス?

「Apple Vision Pro」は、”空間コンピュータ”というカテゴリの新型デバイスです。

VRヘッドセットなどと構造は同じですが、両目に表示されるのは(カメラで取り込んだ)現実空間の映像とバーチャルなモノを合成させたような映像です。既存のXRデバイスでは「パススルーMR(Passthrough Mixed Reality)」と呼ばれるものです。

基本操作では、リモコンやコントローラーを使いません。また、他のVRやARのデバイスであるように腕を上げて眼の前で操作する必要もありません。視線でメニューを選択し、両手でつまむような操作で”決定”したり、同じく指でつまむような操作でディスプレイの拡大したり、メール添付ファイルの移動したりができます。また、音声入力にも対応しています。

OSは専用の「visionOS」を搭載。本体にスピーカーが内蔵されており、イヤホンは必要ありませんが、動画では「Airpods」との併用も確認できます。また、MacやiPad、Airpods Proなどで導入された「空間オーディオ」を採用しており、ユーザーを取り巻くようなサウンド体験ができるとのことです。

装着中であっても、近くに人がいる場合、「Apple Vision Pro」の正面には装着している人の目元が表示される「EyeSight」と呼ばれる機能も存在します。ヘッドセットで目元が全て隠れてしまい、装着者と周囲の”壁”を作り出す懸念を緩和し、日常生活でも使いやすいデバイスにするための機能と考えられます。

電源は別途接続が必要となります。バッテリーパック給電の場合、連続稼働時間は2時間ですが、コンセント給電の場合は一日中使用できるとのことです。

なにができるの?

「Apple Vision Pro」の基本コンセプトは「身につけるコンピュータ」と言えます。PCを使う日常的なことを、頭にかぶった「Apple Vision Pro」だけで実現します。

さらに、独自機能もいくつか存在します。そこから考えられる活用例は、以下のようなものと見込まれます。

現実を”拡張”する

日常生活のあらゆる場面に、PCやスマホの画面をそのまま持ち込めたとしたら? そんなSFのような世界を、「Apple Vision Pro」は実現しようとしています。

たとえば、映像観賞がわかりやすい使い道です。リビングのソファに座り、「Apple Vision Pro」をかぶれば、テレビやプロジェクターなどを用意しなくても大画面で映像を楽しめます。写真やWebブラウザも同じように、どこでも自分の好きなサイズで見ることができます。パノラマ写真に至っては、実際の風景のように眼前に広げることもできます。

日々のデスクワークも、ノートPCの小さな画面ではなく、”眼の前”の大きな画面でこなせます。Macbookと接続し、その画面を眼前に表示しながら作業することもできることが示されています。「メール」や「メッセンジャー」といった公式アプリにもそのまま対応しているので、連絡もバッチリです。

また、公式動画では、MicrosoftのWordやExcel、Teamsなどのアプリに対応していることも言及されており、文字がくっきりと映っていることが公式動画で紹介されています。

ビデオ通話も「FaceTime」アプリで対応できます。通話に映る顔は、「Apple Vision Pro」使用時に顔面をスキャンして作成する「ペルソナ」が表示されるため、わざわざ外す必要はありません。あわせて、ZOOMやWebexといった会議通話アプリも活用できることも判明しています。

日々のあらゆる場面を”拡張”し、より便利にする。それが「Apple Vision Pro」でできる、最も基本的なことになるでしょう。

「3Dビデオ」を撮影する

家族との思い出を、「立体的な映像」で記録できたとしたら? 「Apple Vision Pro」は、「3Dビデオ」を簡単に撮影することができます。

撮影は、現実空間を映す正面のカメラで行います。イメージ映像から確認できる限り、撮影はヘッドセット上部にあるボタンを押すだけのようです。

3Dで撮影された写真・動画は、奥行きをもって表示されます。「Apple Vision Pro」でいつでも見ることができ、日々の思い出をより臨場感たっぷりに見返すことができます。

バーチャル環境へ没入する

“現実の上に情報を重ねる”ことが「Apple Vision Pro」のメインの用途となりますが、逆に”現実を遮断する”こともできます。

本体の上部にある「マジッククラウン」というつまみを回すと、「Apple Vision Pro」越しに見える現実の映像の割合が減り、かわりにバーチャルな風景が周囲を覆います。現実ではなくバーチャルな環境へ没入する、いわゆる「VR」と呼ばれる方式ですが、”段階的に変わる”というのがポイントです。

主な使い道は、周囲の情報をシャットアウトして、映像などに集中することが考えられます。イメージ映像においても、騒がしい飛行機に搭乗中の女性が「マジッククラウン」を回し、映画のディスプレイだけが浮かぶバーチャルな世界へ潜り込んでいく使い方が示されています。

3Dコンテンツを活用する

「Apple Vision Pro」を使えば、開発者やクリエイターの制作した3Dのオブジェクトを画面に立体的に表示させることができます。公式動画では、医学生向けの立体心臓の3Dオブジェクトや、F1マシンのデザインデモなどを表示させていました。また、DJブースやプラネタリウム空間など、一般の人でも楽しめるような3Dコンテンツも実現できるようです。

さらに、映像配信サービス「Disney+」と連携し、2Dの映像コンテンツはもちろんのこと、3Dを組み合わせたオリジナルのコンテンツが配信されることも、公式動画から明らかになっています。詳細は不明ですが、ディズニーおなじみの映像作品やスポーツ観戦をより楽しく鑑賞できるものが用意されるようです。

どんなアプリケーションが使えるの?

「Apple Vision Pro」は、「FaceTime」などのおなじみのApple公式アプリケーションのほかは、正式なアプリ対応が、ほとんど発表されていません。

しかし、既存のiOS/iPadOS向けアプリケーションが、ほぼ全てvisionOSに対応することが予告されています。お手持ちのiPhoneで使い慣れたアプリも、「Apple Vision Pro」でそのまま利用できるかもしれません。

ソーシャルVRプラットフォームの「Rec Room」は、「Apple Vision Pro」対応をいち早く発表しています。

さらに、国産メタバースプラットフォーム「cluster」も、CEOの加藤直人氏が「間違いなく対応する」とコメントしています。注目度の高いデバイスだけあって、今後も対応を予告するアプリケーションは増加するかもしれません。

いつ発売されるの?

「Apple Vision Pro」は、販売価格3,499ドル(約48万円)で、2024年前半に米国にて発売予定です。2024年後半には“さらに多くの国”で発売される予定とのことですが、具体的な発売対象国は発表されていません。

なお、日本国内で発売前に体験できるかどうかについても、正式な情報は未発表です。MoguLiveでは今後も、「Apple Vision Pro」に関する最新情報をお届けします。

「Apple Vision Pro」公式サイトはこちら。
https://www.apple.com/apple-vision-pro/


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