フライドチキンチェーン、ケンタッキー・フライド・チキン(以下、KFC)が、広告会社Wieden + Kennedyと共同で、自社の“バーチャルインフルエンサー”をリリースしました。
バーチャルインフルエンサーとは、バーチャルなキャラクターを影響力や発信力のある人物(インフルエンサー)として、人工的に作り上げる試みです。今回KFCは、自社のバーチャルインフルエンサーとして、同社のマスコット、カーネル・サンダースを起用しました。
インスタグラムで活動中
2019年4月現在、バーチャルインフルエンサーの大多数は、主にSNS上での情報発信を行っています。KFCのカーネルサンダースも同様で、2019年4月9日からKFC公式のインスタグラムアカウントで活動を開始しました。同インスタグラムには、女性(Dagny Gram)とのツーショット写真や、シャツをめくり腹筋を露出したカーネルサンダースの写真などが掲載されています。
バーチャルインフルエンサーのカーネル・サンダースは3DCGで作られています。モデリングはWieden + Kennedyのポートランド支社が担当しました。海外メディアAdweekによると、3DCGは通常の男性型モデルに、カーネル・サンダースの特徴を盛り込む形で制作されたとのこと。
他企業とのコラボ計画もスタート
バーチャルインフルエンサーのカーネル・サンダースには、情報の拡散力や経歴などを確認できる広報用の資料も用意されています。広報資料によると「人々をインスパイアする」のがインフルエンサーとしての目的であるとのこと。
資料にはこの他にも、バーチャルインフルエンサーのカーネル・サンダースの技能や提供可能なサービスが記載されています。
カーネル・サンダースの技能とサービス
・イノベーション
・ライフスタイル・インスピレーション
・インスピレーションあふれるコラボレーション
・破壊的なビジネス交渉テクニック
・製品の写真撮影
・Z世代(Gen Z)との確かな繋がり
2019年4月13日現在、バーチャルインフルエンサーのカーネル・サンダースと他企業とのコラボレーション企画が既に始動しています。KFCの公式インスタグラムからは、清涼飲料水ブランド、ドクターペッパーとの会議に臨む、カーネル・サンダースの様子が確認できます。
その他のバーチャルインフルエンサー
バーチャルインフルエンサーは、近年その存在感を急速に増しつつあります。アメリカのBrud社が作り出したバーチャルインフルエンサー、リル・ミケーラ(Lil Miquela)はその好例で、2019年4月時点で150万人を超えるインスタグラムのフォロワー数を有しています。
また日本で人気を博しているVtuber(バーチャルユーチューバー)も、バーチャルインフルエンサーの一種と見ることができます。
ニューヨークの投資会社Betaworks Venturesのパートナー、ピーター・ロジャス氏は、2019年から2020年にかけてバーチャルインフルエンサーが増殖すると予測しており、今後の業界の動向に各方面から注目が集まっています。
(参考)Adweek