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VTuber 2024.04.29

この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画(~4月27日)

日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!

【ゴールドシップリン監督作品】『ゴルシ・タイムス』

「ウマ娘」の広報を続けてきたチャンネル「ぱかチューブっ!」のVTuberのゴールドシップ。2018年3月スタートの6年選手です。このチャンネルはゲーム・アニメの告知のみならず、他のウマ娘たちが登場してゲームをするなど2.5次元的な企画も増えてきています。
ゴールドシップはさらにユニークな企画に挑戦し、新しいコンテンツ作りをしています。今回出たシリーズは「ゴールドシップリン」というチャップリンのオマージュキャラによる映画パロディ。これが一切手抜きなしの本気で作られた映像になっており、ファンを驚かせました。

「モダン・タイムス」のパロディ「ゴルシ・タイムス」、「黄金狂時代」のパロディ「黄金船時代」、「サーカス」のパロディ「ピスピス」と、それぞれの映画を観ていた人ならニヤッとしてしまうシーンが続出。再現度はものすごく高く、ゲストキャラクターのウマ娘たちもはまり役ばかりです。
モノクロの映像であることのみならず、画面の粗さ、ノイズ、無声映画の字幕など、抜群のレトロフィルムらしさです。特に宣伝なわけでもなんでもない、ただ面白いことをやりたいというだけで作られた感のあるこのシリーズ。真剣に遊んでいて、観ていて好感が持てます。
バーチャルの場合、無声であるがゆえに色々できる表現の幅があるので、そのあたりをも計算して考えて作っているようにも感じられます。作り手の企画のうまさと映像のこだわりが産んだシリーズ作品です。

【コミネ】コスパ最強クラス! ネオレトロフルフェイスヘルメット使ってみた!【HK-190】

バイク乗りなら役に立つ部分だらけのオトクな情報チャンネルみやのニハリ。見せ方がちょっと変わっており、紹介と説明はバイク擬人化VTuberの「ニハリ」、体験映像部分はオーナーの「みやの」に分かれています。

車やバイクなど乗り物系のレビュー解説をする際、またライブ配信の際はVTuberの姿の方が温かみがあって聞きやすいです。元々はニハリひとりで動画に出ていました。
しかし実際に運転して使い心地を知るという段階になると、人間が運転している映像を映した方が細かい使い方が見えて役に立ちます。そこで「オーナー」としてみやのがリアルに登場。ニハリというVTuberの彼女とは重なりつつも別人格の存在として分けたことで、見ている側がすんなり飲み込みやすい見せ方になっています。
バイクアクセサリを買う際の参考として実際使っている様子が多く映されているため、感覚的に理解しやすい情報が満載のチャンネルです。まずはニハリの客観的な解説を聞いてチェックし、みやのの主観的な使用感想を聞いてイメージ。視聴者側が総合的に判断できる構成です。視点が広がるレビューの新しい形式として、バーチャルとリアルの両方を用いる面白さを感じさせてくれるチャンネルでした。

【#性癖教室】徹底解説🎓男の娘・女装男子・ショタ・ふたなり・バ美肉⁉【犬山たまき/伊東ライフ/千羽黒乃/瀬兎一也/冥海らぶか】

犬山たまき伊東ライフ千羽黒乃瀬兎一也冥海らぶかというコアな面々が揃って行われたのは、少年を軸に広がった2次元的な性癖としての「男の娘」「女装男子」「ショタ」「ふたなり」「バ美肉」そして「TS」についての掘り下げと解説、より思考を深めるための座談会です。話題が大量にある上に、資料もかなり丁寧に整理されており、かつそれぞれのメンバーが専門分野で語っているため、この手のサブカルチャーに興味がある人なら、2時間半の配信を見た後もまだまだ見たくなるくらい楽しめるはずです。

特に犬山たまきの「ママ」である佃煮のりおは「ひめゴト」という男の娘漫画が大ヒットしていたこともあり、男の娘についての造詣の深さは尋常ではありません。様々な好みだけでなく、こだわりがぶつかりがちなナイーブな部分についても気をつけながら、細かく説明しています。
また「バ美肉」項目では実際にVTuberとして活躍している伊東ライフが自身の体験から、男の娘でもない女装男子とも違う存在としてのあり方を分析しています。一方で冥海らぶかは女装男子として活動していることから、男の娘と女装男子の違いのこだわりも語りつつ、自身の持つサブカルチャー知識を披露してくれます。

瀬兎一也と冥海らぶかは犬山たまきが所属する佃煮のりおのプロダクション「のりプロ」にクリエイターとして所属しているVTuber。のりプロでは他にも「のりプロ全員集合歌リレー」や「のりプロ新人歓迎会」など、メンバーにスポットを当てる企画を多く行っています。箱としての盛り上がりを大切にし、それぞれ魅力を知ってもらうように積極的に動いているのがわかります。

しちじはちじ人狼2

しちじはちじ所属の五月雨空也のチャンネルで、人狼ゲームが行われました。…ん?しちじはちじなんてグループあったっけ…?
一緒に人狼を行う事務所のメンバーは、しげる、キャスバル兄さん、小野さょ、なめくじ太郎、バーチャルおばあちゃん、工場長、わんたんの9人。
この時点で分かる人は分かると思います。詳しくは触れられませんが、つながりがあるのは理解できるのではないかと思います。一応バーチャルおばあちゃんは配信内で「イケボの空也をやっている」という意味の発言は幾度もしていますので、あとは察してください。9人が集まったことでとある特殊能力が開花した、他に類のない人狼になりました。

VTuberの持つ「人形劇」性がフル活用された内容でした。最初の挨拶の時点で大体方向性は理解できると思いますし、正直ギャグ的なノリもあります。しかしシビアさが増してくると、本当に9人で人狼をやっているような感覚に陥ります。「わからない」ことが前提なのに「わかっている」人狼を成立させる不思議さ。観終わった後に9人のキャラ性を理解すると、これが達人芸であることが分かります。

しちじはちじ内でスト6のコーチングをするコラボを行ったり、歌い手ユニット「んこぷり」を結成したり。パッと見しちじはちじは元気に仲良く活動する箱に見えますし、個性豊かな仲間たちにも見えてしまいます。そう感じたら、とある人物の手のひらの上です。
バーチャルであることを活かしながら、徹底したエンターテイメントであり、オルタネイティヴひた走る側面を持つ、特殊な配信シリーズです。ぜひバーチャルおばあちゃんのチャンネルとあわせてチェックしてみてください。

【栞葉るりのゆるゆる文学教室】第一回 拳で語る平安貴族【ゲスト:倉持めると】

栞葉るり倉持めるとを招いて行ったのは「栞葉るりのゆるゆる文学教室」。元々文学や和歌に非常に詳しいことで話題になっていた栞葉るりが本格的に文学について語る配信シリーズで、第一回目は平安貴族たちの話題です。タイトルの通り、攻撃的で手が出やすかった貴族の歴史から話題をたっぷりピックアップしています。

キャッチーなポイントを大量に準備し、飽きさせない語りで歴史を楽しく紹介しています。喧嘩は会社の前でぱんつを脱がし合うようなもの、などの表現で当時の文化のギャップをわかりやすく、印象に残るように紹介しているのも見事です。またスライドの量もものすごく多く、それでいて覚えるべき部分はしっかりおさえて解説しています。
倉持めるとが等身大の反応をするため、視聴者もそれに同調する感覚で一緒に突っ込んだり笑ったりできる空気感ができているのも、この配信の見やすさにつながっています。倉持めると自体が瓦を20枚割るほどの身体能力の持ち主なので、今回の「拳」のテーマにぴったりでした。
視聴者が「ゆるゆる」と楽しめるようにするために、栞葉るりの高いトーク技術と豊富な知識量がフル活用されている、ハイレベルな学習配信でした。

憧憬のジョバンニ(Longing for Giovanni) / 釣鐘ふうり Original Song – Official MV

釣鐘ふうりのオリジナル新曲は宮澤賢治「銀河鉄道の夜」をモチーフにした作品。りんどうの花など物語中に出てきたモチーフも登場し、曲のイメージを固めています。小説「銀河鉄道の夜」自体はハッピーエンドとはあまり言えないので切なめな印象ですが、この楽曲はほんのり痛みを持ちつつも前向き。電車の走る速度のように、メロディは最後まで軽快でノリがよく、聴きやすい楽曲です。

釣鐘ふうりの歌声は温和さと切なさと明るさを絶妙なバランスでミックスしており、聞く人それぞれ自分なりの解釈ができる不思議な魅力があります。特に今回の作品はメロディが軽やかであるがゆえに、歌で描いた彼女の思いが多角的に受け止められるかもしれません。彼女のオリジナリティあふれる歌声の表現から、そのイメージを感じ取ってみてください。

オリジナル一作目の「カンパニュラを響かせて」では、彼女の自己紹介である「カンパニュラのように涼やかで可憐な声で、好きな世界を歌います」という言葉を彷彿とさせる内容です。
ここで出てくるカンパニュラの花の色は、彼女のイメージにぴったり。「私は私を好きでいたいから」「焦らずに私なりの幸せを」「耳を澄ませてくれた君に届け」など、今回の「憧憬のジョバンニ」の考え方に連なるような彼女の音楽・表現を聞くことができます。

【MV】フライデー・パーリナイ / だらだら組 【From EP “ダラリアン” (2023)】

坂神蟬丸ぷりやまぷりを氷雨悠冰ヌコメソーセキによるVTuberHipHopユニット「だらだら組」のMVが2本アップされました。
「フライデー・パーリナイ」はディスコ・ファンク感あふれるトラックに、4人の個性あふれるリリックを乗せたハッピーなナンバー。踊りだしたくなるようなリズムと、共感度の高いワードの数々にテンションがあがります。
一方「darada life style」は飲みながら時を過ごす4人のクリエイターたちの思いが伝わってくる、ポジティブな男たちの思いを感じられる楽しい作品です。「二次元、三次元、いいとこ取りしてSir Biz」「現実と非現実を行き来してKickin」など、VSinger・Vラッパーファンにはニヤリとしてしまう発言も多々あります。背景に流れる今までの歴史の映像が、これまたエモ度高くてニヤリ。

新作EP「Sidekick」からもMVがアップされています。「Dara & Joint」は「darada life style」と対になるような作品。少しリアルな事情も含めてこちらは酸いと甘いが入り混じりますが、だからこそ集まる時間の心地よさも伝わってきます。是非セットで聞いてみてください。
「Good Routine」は氷雨悠冰、ヌコメソーセキ、座頭景覆面忍者による作品。四人の次々畳み掛けるような歌い方は、まるで肩を組んでいるかのよう。一斉にフックに流れ込んでいく様子は才能ある面々が集っていくかのようでワクワクします。それぞれお互いのリスペクトにあふれているため、「いい歌詞にはいいダチといいパーティ」というパートに説得力があるのも素敵です。

Bling-Bang-Bang-Born / 天音かなた(cover)

天音かなた版「Bling-Bang-Bang-Born」カバーは、とてもサムネイルからは想像できないような破天荒なMVでした。動画制作が天音かなた本人、というのを念頭に入れて観てみてください。ニコニコ動画文化さながらのMAD、しかも全部本家の映像の作品です。あまりにも二次創作的なテイストがうますぎて、天音かなた本人制作のものだと一瞬わからなかった人も多かったようです。

アーティストとして活動の場を広げ、美しくかっこいい世界観も披露している天音かなたですが、一方で芸人魂もしっかり保っているのがよくわかる映像です。ボーカルのレベルは高く、難しい楽曲を歌いこなしているからこそできるハチャメチャさは、ある意味Creepy Nuts本家のマインドリスペクトにも感じられます。彼女の今までのMVからの切り抜きも多いので、気になった方は是非過去のMV作品もチェックしてみて、どのパートなのか探してみてください。

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