カナダのバンクーバーは以前も紹介したとおり、世界で最も急速に成長するVR/AR/MR産業のハブの1つです。木々の茂る山や海に囲まれるこの都市では、産業界を変えるようなビジネスが興りつつあります。それも、驚くべき速さで成長しているのです。
5年前、バンクーバーにはVR/AR/MR産業すら存在せず、3年前にはVR/AR/MR関連企業は15社だけでした。しかし2018年現在、バンクーバーではおよそ200社以上の企業が活動しています。
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バンクーバーにおける産業の歴史
バンクーバーがこれほどまでに最先端の技術や企業を集めている理由はいくつかあります。1977年、バンクーバーは映画産業の先端拠点として地位を確立し「Hollywood North」の愛称を得るほどになりました。アニメーターや映画会社が集まり、北米大陸で3番目に大きな映画・テレビ産業の拠点となったのです。
その後産業間での交流が進み、80年代前半にはゲームやモバイルエンターテイメントの専門家、企業も集まるようになりました。そしてこれらの企業や専門家は、現在VR/AR/MRへと向かっています。
「コラボレーション精神」によるエコシステム拡大
に2017年以降、バンクーバーにおけるVR/AR/MRのエコシステムは劇的に拡大しています。この12か月で、エンタープライズ、建築、データビジュアルに関連したサービスを提供する企業はおよそ2倍になりました。
このエコシステムの拡大は、主にバンクーバーの「コラボレーション精神」によるものです。2017年9月、この都市にはインキュベーションを行う組織は2つだけでした。しかし2018年に入ってから9つの拠点が設立され、VR/AR/MRに従事する才能あふれた人や企業を育てています。これらの動きにより、昨年からのVR/AR/MR産業の成長率は54%にも達しています。
業界マップが示す活況
スタートアップが活躍する一方で、以前からある企業も成功を収めています。マイクロソフトなど顧客に持つFinger Food Studiosは、政府から累計14億ドル(約1,500億円)の投資を受けました。またVR専門の映画祭Vancouver Virtual Reality Film Festival(YVRFF)は、2回目となる年次イベントを行っています。
常に多くの新しい企業が競争に参加しているため、イノベーションに追いついていくのは大変なことです。VR/ARアソシエーション(VRARA)のバンクーバー支部は、バンクーバー経済委員会らと共同で、この都市におけるVR/AR業界マップを作成しました。9月にはバンクーバーでのVR/ARグローバルサミットも予定しています。
バンクーバーを拠点とする企業が増えるにつれ、この地がシリコンバレーに次ぐ、世界で2番目に大きなXR産業の集積地になりつつある様子が明らかになってきています。
(参考) VRScout
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