カリフォルニアを拠点にするObENは人工知能とVR/AR技術によってパーソナルアバターを製作するスタートアップ企業ですが、今回500万ドル(約5億5000万円)の資金を調達しました。現在、セレブのパーソナルアバターを製作するソフトウェアを開発する同社は、中国でのサービス展開を見据えています。
中国からの積極的な投資
今回の投資の大部分は、中国最大のインターネット企業テンセントの主導によるものですが、他にもFengshion Capitalや、ベンチャーキャピタルChina Media Capitalの役員であるLi Ruigang氏も個人投資家として参加しています。
ObENは過去にも中国企業からの出資を受けており、昨年は盾安集団(DunAn Group)の投資部門であるCrestValue Capitalの主導によってシリーズAラウンドを完了しています。現在までにObENが調達した資金は137,000万ドル(約15億円)になります。
アバターを用いた新しいエンターテイメント
ObENが現在取り組んでいるのは、歌ったり喋ったりすることのできるセレブのアバターの製作です。コンピューターによって生成されたアバターは、自然言語処理技術によってユーザーの言葉を理解し、レスポンスを行うことができます。これによってユーザーは好きなセレブのアバターを生成し、VRやARを用いてインタラクションすることができます。
同社は現在韓国出身のセレブと協働してアバターの製作、サービス展開に取り組んでいますが、次の市場として中国、そしてアメリカを見据えています。
ObENに投資しているChina Media Captalは、米国出身の数多くのセレブとの契約を結んでいるCreatve Artists Agencyにも投資しているため、ObENの米国進出における追い風になるかもしれません。
テイラー・スウィフトやカニエ・ウエストなどの米国出身のセレブはグローバルな人気があります。ObENはいずれは米国でのサービス展開をロードマップに据えていますが、まずはアジアで地歩固めをする計画です。
(参考)
VentureBeat / ObEN lands $5 million from Tencent and others for AI-powered avatars(英語)
https://venturebeat.com/2017/07/18/oben-lands-5-million-from-tencent-and-others-for-ai-powered-avatars/