KDDI株式会社は、「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」とともに「デジタルツイン渋谷」を開発する旨を発表しました。「デジタルツイン渋谷」は、渋谷の街をバーチャル空間に再現したプラットフォーム。実際の渋谷の写真や位置情報とARを連動させ、場所に制限されないコミュニケーションが可能となる場を目指します。
デジタルツインと現実世界をリンクさせる新たな取組み
「デジタルツイン渋谷」は、渋谷スクランブル交差点エリア、センター街エリアなどを撮影し収集したデータをデジタル化し、バーチャル空間に再構築したプラットフォームです。実際の渋谷と「デジタルツイン渋谷」を連動させることで、空間にとらわれないコミュニケーションを可能にします。
本取り組みでは、現実空間の渋谷で「デジタルツイン渋谷」にアクセスしたスマートフォンをかざすと、「デジタルツイン渋谷」のユーザーが実際の渋谷に現れたようにアバター表示されます。反対に「デジタルツイン渋谷」内では、現実空間の渋谷に存在するユーザーがアバターとして表示されます。この位置連動は、ユーザーの現在地や向いている方向を特定できるVPS技術によって実現されています。加えて、空間を共有しながらスマートフォンを使用して会話する事も可能です。
「バーチャル渋谷」の知見をもとに開発へ
KDDIは、2020年5月より「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」とともに「バーチャル渋谷」を展開してきました。この運営で得られた知見を活かし、「デジタルツイン渋谷」を開発、拡張する見通しです。
同社は「デジタルツイン渋谷」プロジェクトの第一弾として、店舗接客の実証実験を行うとのこと。実際の渋谷にあるアパレル店舗の商品をバーチャル空間に再現し、リアル空間の店員がバーチャル空間のユーザーを接客します。
来店した「デジタルツイン渋谷」内のユーザーは、直接現実空間の店員に商品について質問できるほか、近づいたり指差すなどのジェスチャーだけで気になる商品を伝えることが可能です。また併せて実証実験に参加するバー形態の飲食店 では、遠隔地からバーチャル空間内の店舗に入店し、現地にいる来店客と互いに会話できます。
KDDIは今後、「バーチャル渋谷」をバーチャル空間を起点とした体験をメインに、「デジタルツイン渋谷」はリアル空間を起点とした体験を主として提供するとしています。同社は「デジタルツイン渋谷」の2023年における商用化を目指し、参加する店舗を増やしていく方針です。
(参考)プレスリリース