【体験レポ】個性的な作品が揃った Unity VR EXPO AKIBA(後編)

前編中編に引き続き、7月17日秋葉原にて開催されたUnity VR EXPO AKIBAで体験できた注目コンテンツを紹介します。

『Chaine Man(仮)』株式会社桜花一門

Unity VR EXPO AKIBA

現在PSVR向けに作られている、家庭用VRゲームの体験版ということで体験会では珍しい体験時間10分という長めのコンテンツです。

『Chaine Man(仮)』は一人称視点のアクションゲームです。道が崖で途切れているところに板を渡して向こう岸に渡る、ジャンプする。武器を使ってゾンビや大型モンスターを倒すなど、アクションゲームらしいアクションゲームです。HMDはOculus Rift、操作に使うのはゲームパッドです。

最初のシーンはマンションのリビングでソファに座り寛いでいます。目の前には100インチ程の大画面TV。体験を待っている間、モニターに映っていた3人称視点でのプレイ映像とは大分違う、平和な風景に戸惑います。すると突然TVが点き、ゾンビの映像が映ったかと思うと手が画面を突き出し、リビングに上半身が飛び出てきました。何が起きているのかと混乱する間もなく頭を掴まれTVの中に引きずり込まれていきました。

引きずり込まれた先は薄暗い荒野。そのまま空を飛び、突然現れたダンジョンの入り口らしき中に吸い込まれていきました。

ダンジョンの中、周りを見回してここがHMDを被る前に見ていたゲームの中だと気づきました。

ダンジョンの中は空中都市といった高所、いくつもの島のように巨大なサイコロ状の岩石ブロックが浮遊しています。岩石ブロックの端から下を覗けば地上は遙か下、一つ一つの岩石ブロックは数mは離れています。最初の移動には長い板が用意されています。板の近くには空中に大きなゲームパッドが浮かび、使うボタンが赤い丸で囲まれているのでどうすればいいか一目でわかるようになっています。指示通り、板を掴み次のブロックに渡すとその上を歩いて渡ります。板は幅が30〜40cmしかなく、しかも不安定に置いてしまい、渡るのはかなり怖いです。着いたら、渡ってきた板を掴み次のブロックに置いて進むを繰り返せば良いだけですが、持つのを失敗して地上に落としました。「落としてしまった場合は、ジャンプしても次に進めます」と、桜花氏からすかさずアドバイスが入ります。ジャンプも飛ぶ距離が絶妙にギリギリで怖いものでした。他には、巨大斧を投げてギミックを発動させると、空から巨岩が降ってきて道ができる箇所もあります。

次のステージはお待ちかねのゾンビの登場です。暗い中、高い壁で囲まれた通路で襲ってくるゾンビを落ちている武器を拾って倒します。一度使った武器は消えるので、倒しながら、足元の次の武器を探します。顔面に向かって弓矢を放ってくるゾンビには盾で防いだり。100人はいるゾンビ広場では、なぜかある巨大テーブルを抱え突き進むものの、360度をゾンビに囲まれ、剣で斬っても、槍で突き刺しても次々に集まってきます。すぐに武器を拾う時間もなくなり、ゾンビに取り囲まれる絶望感を味わえます。

最後のステージ、象サイズのモンスターとの一騎討ちです。地面に落ちている武器を拾っては、モンスターの腕をかい潜り斬りつけます。モンスターの弱点は赤い傷のように現れていましたが、ここでタイムアップで倒す前に終了しました。

一人称視点アクションゲームでネックになるのは移動で酔うこと。三人称視点ですら、酔うこともあります。このゲームは長時間遊ぶことを想定しているので、徹底的に酔わないよう工夫がされているようでした。実際に体験してみても、酔いやすい筆者が全く酔いませんでした。首を曲げなくても視点の方向が回転するボタンは、押すと90度ごとに回転するので、よくあるスティックの動きに従ってぐるぐる回転させるものとは違って、90度ごとに一旦止まる方向変更は酔いにくいです。徒歩移動もゆっくり、進むため酔うことはありませんでした。

板を持つ、武器を使うなどゲームパッドで操作する必要がでると、コントローラー自体の絵が空中に浮かび、どのボタンを押すのかが赤く記されていたり、どのようなアクションをするのかを示す人型ピクトグラムも浮かんでいるので初めてプレイしても戸惑うことはありません。

桜花氏は体験展示の経験も長く、要所に待っている人を飽きさせない、体験する人を楽しませる工夫がありました。

待っている間、飽きないようにどんなゲームか、プレイ映像を見せることはよくありますが、あえて体験者以外に見せない部分を作り、体験するときに驚かせるシーンを作っていること。「ウェルカムゾンビ」こと冒頭のTVから出てくるゾンビのシーンのことです。この「ウェルカムゾンビ」完成版の方には出ないとのことで、まさに体験会向けのシーンなのです。

待っている人には3人称視点で見せるのも、自分の番になって体験するとさっきまで上から見てた同じステージでも、まるで違う視点となり、新鮮な驚きが待っているからです。

長時間プレイさせることを目指しているこの作品、完成版が楽しみです。

開発元:株式会社 桜花一門

『Another Thread VR』UTJ安原隊

Unity VR EXPO AKIBA

一直線にハイスピードで突き進む、宇宙基地が舞台の一人称視点のシューティングです。攻撃機に乗り込み敵の機械生命体の基地に侵入して殲滅します。

攻撃はボタンを押すだけ、ロックオンは頭の向き、上下左右に動くことはできますが、コースは直線です。防衛してくる敵戦力を撃ち落としながら高速で離脱します。脱出経路に次々と扉がしまっていく中、隙間をすり抜けていきます。すり抜けられずぶつかっても止まるわけでもなく、そのまま進んで行けるのでぶつかって酔うこともないです。

真っ直ぐ進むのと、スピードを感じさせる集中線のせいもあるのか全く酔わない、ひたすら撃つことが気持ちいいシューティングでした。

『Dragon Breaker-TAG-』VR-IMAGINATIORS

Unity VR EXPO AKIBA

Oculus RiftとLeap Motionを使い、手から気孔弾を撃って襲ってくるドラゴンを倒すゲーム。ゲームの体験自体は以前、ニコニコ超会議に展示していたときと変わりません。変更点は映像が美しくなったこと、ホーミング弾が撃てるようになったこと、オペレーター役がついたことが大きいです。時間帯は決まっていましたが、声優の白石れいさんが隣でゲーム内の音声を生アテレコしてくれるという贅沢な体験もありました。

導入は宇宙船の中、攻撃してきた敵を殲滅せよという指示で地上に降り立ちます。このあたりの緊迫したかつ冷静な指示をかわいく、そばでだしてくだれたのが声優の白石れいさんです。
Unity VR EXPO AKIBA
生アテレコしてくれた声優の白石れいさん

周りで見ている人からは画面が2画面になり向かって右側が体験者が見ている一人称視点。左側が指示を出すオペレーターが見てる画面で、体験者が今どこを見ていて、どこが死角になっているのかがわかるようになっています。オペレーター役は死角から迫ってくるドラゴンを的確に体験者に伝える役目です。

ホーミング弾を撃つ方法は手を握って開き、指先を伸ばしたまま曲げたい方向に傾けること。気孔弾が遠くに飛び去りながら曲がっていくのを見ると自分で曲げた感覚があって嬉しいです。本番だとドラゴンとの距離が掴みにくいのであまり使いませんでした。

最後は辺り一帯を破壊する爆弾を味方に落としてもらってミッション終了です。最後まで協力プレイにこだわるつくりでした。

開発元:VR-IMAGINATIORS

『DOPAMINE』Synamon

Unity VR EXPO AKIBA

Gear VRとバーチャロンスティックを駆使して、「宇宙(そら)」を飛び回りながら、浮いている水晶のような敵オブジェを多く撃ち落とした方が勝つ、ハイスピードアクション対戦型シューティングゲームです。

プレイヤーはミニサイズのユニティちゃんを操り、敵オブジェを頭の向きでロックオン。右手のボタンでメインショット、左手のボタンでホーミングショットを撃ち込めます。スティックを両方前に倒して前進、両方後ろに倒して後退。それぞれ前後に倒すと旋回です。旋回は周りが宇宙空間で暗いこと、常にユニティちゃんが中心にいて動かないため酔わないように工夫されています。

ハイスピードで飛び回りながら対戦相手より多く敵オブジェを打ち落とすこと、または対戦相手をメインショットで攻撃してスコアポイントを減らします。

宇宙空間を飛び回りながら、あらゆる方向を見回し打ち落とす、それでも酔わない、爽快になるシューティングでした。

対戦者を撃つと相手のポイントを減らせるという対戦要素も盛り込まれていました。

開発元:Synamon

『Law Enforcement Project 多摩大学彩藤ゼミLEP』

フランスセキュリティチーム訓練シミュレータとして開発されたものです。捕虜とったテロリストを倒すことが目的のコンテンツです。

建物の中に潜むテロリストを撃つために歩いて移動しますが、移動範囲がちょうどHTC Viveのルームスケール内で収まり、ワープ等使わないのが目をひきます。

場所はビルの中です。いたるところに雑多なものがあり、障害物が多いです。廊下を歩き始めると、すぐに真横の部屋からアサルトライフルの連射を浴びせられます。腰を屈めて腕だけ伸ばし、銃であるコントローラーのトリガーをひいて乱射します。壁伝いに歩くと、壁が切れたところで、奥の部屋にいた敵の攻撃を受けます。撃たれてもゲームオーバーになるわけではないですが、慌てます。壁の後ろ側にはエレベーターがあり、現実のブースの中心の床には3cmほど高くなるように板のようなものが貼ってありました。この段差がVR空間では本物のエレベーターに乗り込むような感覚が残ります。

このエレベーターは作業用といった感じの扉のないエレベーターに乗り込む下の階に降りていきます、着いたら、降りて上の階と同じようにエレベーターを中心に回りこむように歩きます。

今回は降りて右側の部屋の奥に捕虜がいること、この捕虜は撃ってはいけないのですが、テロリストと服装が似ているので攻撃を受けていないにも関わらず連射してしまいました。

中央にエレベーターがあり、その周りを回り込むという作りは、狭い空間でも自分の足で歩ける階層構造を作られてるのが面白い試みです。
このコンテンツはUCO Laval 3Di (ユーシーオー ラヴァル)の学生ジャン-バプティスト ピグレ氏 と他3人のフランス人学生による共同プロジェクトです。

Unity VR EXPO AKIBA
左からジャン-バプティスト ピグレ氏、彩藤ひろみ教授、ジョセフ エリソン氏

開発元:多摩大学彩藤ゼミLEP

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