前編に引き続き、筆者が体験したコンテンツを紹介します。
『VR賽の河原』tatsunoru氏
賽の河原といえば、三途の川の河原で死んだ子供が親の供養のためひたすら石を積み、積み上げると鬼が崩しに来るというあれです。
HTC Viveを装着すると、目の前に広がる光景は”あの世”ぽい夕景の河原。足元には大小様々な石が転がっています。コントローラーから伸びるマジックハンドで石を拾い目の前のスタート画面に投げつけるとスタート。スタートするまでに何度か失敗してしまいました、石を思った方向に投げるのが難しかったです。スタートする前にチュートリアルのように練習させるのは作品世界を壊すことないやり方だと感じました。
始まって下を向きながら石を積み上げていきます、石が不揃いなため高く積むのは現実同様の難しさがあります。川の向こうから鬼の集団がやってきます。歩いてくる巨大な鬼と翼の生えた小さめの鬼です。近くまでくると鬼は炎を吐き石を崩しにかかります。
積むのを中断し落ちている石を鬼に投げつけて倒します。何回か当てると爆散しますが、またすぐ次のがやってくるので、その間に石を積み上げていきます。筆者は4つ積んだところでタイムアップになりました。結果はCランク。
下を向かないと石を積めない、顔を上げて川の方も見ないと鬼の出現に気づけない、さらに両手のコントローラーで石を掴み投げるという一連の動作、VRならではの面白さだけでなくゲーム性も高かったです。
開発元:tatsunoru氏
『VR Walk & Run ユニティちゃんになってVR世界を歩き回ろう』ship of EYLN
グッドコンテンツアワード、プレイヤーズチョイスアワード4位
その名の通り体験者が魔法使いになり、檻に囚われているユニティちゃんを助けだすものです。
VRHMD(Oculus RIft CV1)の頭の位置を認識する機能を使って歩くので、歩くときはペンギンのようにその場で足踏みをして左右に頭を振り、歩き始めたらその場駆け足でVR空間内で走ることができます。
また、ゲームの進行には関係ないですが、手の動きをVR空間に反映させるLeap Motionを使っていて目の前に手を出して前方に伸ばすと魔法ファイアーボールが撃てるようになります。
舞台は王道な中世ファンタジーといった雰囲気。部屋の中からスタートします、首を下に向けると自分の体の代わりにユニティちゃんの体が見えています。部屋には鏡があり、魔法使いのキャラクター(実は自分もユニティちゃんですが…)になった自分が映っています。手を動かせば鏡の中のキャラクターの手が動くことで自分だと認識できます。初めてアバターになった自分を見た人は感動すること間違い無しです。
綺麗な蝶が止まっている机に歩いて近づくと、手を伸ばして蝶に触ることができます。そのまま部屋の外に出てユニティちゃんが囚われている建物を迂回し、檻の鍵を取りに小さな小屋に入ると、校庭のような広さの空間が広がり、鍵の上には空飛ぶ鯨がいます。試しにファイアーボールを撃ってみましたが、派手な爆発があっても特に反応もなく、確かに魔法は撃てるだけでした。もちろん魔法が撃てるだけでテンションが上がり、エフェクトが派手でかっこいいので、意味もなく発動していました。
歩いていって鍵を手に取ると、すぐに戻ってユニティちゃんの救出です。走って建物の階段を上り、檻まで行き手を伸ばすと檻が開きました。ここで時間がかかってしまったため、なんども頭を振ってみたものの歩きだすことができなくなり、目の前にユニティちゃんがいるのにそこで時間切れになりました。檻を開けてユニティちゃんに触ることができればクリアです。
他のデバイスを使うことなく、その場足踏みでVR空間を動き回ることも好感触。また、鏡を置いて自分の姿を確認させたり、物を持たせたり、蝶をガイド役にしてどこに向かうかを示すなど、随所にVRならではの配慮がされていたところが素晴らしかったです。
開発元:ship of EYLN
『SPACE TENNIS SHOTING(仮)』 PFQ SHANGHAI
HTC Viveを使った壁打ちテニスのようなシューティングゲームです。相手と試合をするのではなく、奥から飛んでくるボールを指示に従い、打ち返して、敵を破壊して得点を競うゲームです。
利き手にコントローラーを持ちます。VRでは近未来風のステージです、利き手にあるのは三角形のラケット。ミッション形式で進んでいきますが、まず連続5回打ち返すこと、五角形の的を打ち抜くこと、打ち返した球で赤い三角形を壊すこと、ラスボスの動く球体を壊すこと、とレベルが上って行きます。
それぞれ、時間制限があり、できなくても次のミッションへ進むことができます。飛んでくる球は左右に振られるので自分自身も実際に左右に動かないと打ち返せません。熱中すると机等にコントローラーをぶつけてしまうことも。
テニスが下手でも最後の敵まで行けること、思った方向に飛ばすのは難しくても当てることはできるなど、初心者でもやりやすく、体験会向きなゲームです。
こちらは中国の開発チームPFQ SHANGHAIの創立十周年として体験会用に作られたものだそうで、この先事業としてVRコンテンツ作りをする予定は、まだないとのことでした。
開発元:PFQ SHANGHAI
『PING PONG LEAGUE』COVER
HTC Viveを使った卓球ゲーム。コントローラーは片手がラケット、もう一方は卓球の球をあげるの手になります。
体育館の卓球台の前に立っています。振り返ると点数がでる掲示板が出ています。
モードは3段階、筆者はイージーモードを選択、相手は人ではなくNPCです。空中に浮いた球を左手で取り、実際の卓球のように手のひらに乗せたまま上に投げます。上がった球を右手のラケットで打つ。相手のコートにワンバウンドして入ります。特に現実の卓球と変わりません。筆者は卓球が苦手なのでイージーモードだとNPCも下手なのでうまく打ち返すことができず、ラリーが続かないのも現実のようです。
このコンテンツは他にバスケットのシュートなどの体育館でするミニゲーム集にして配信を目指しているとのことです.
公式サイト:『PING PONG LEAGUE』
開発元:カバー株式会社
『スマホをVRに持ち込んでみた』スマホ持ち込み@光輝氏
VR空間(ユニティちゃんのライブ空間)に実際のスマホの画面を入れてスマホと同じように使えるようにしたものです。
使える機能は写真を撮ること、撮った写真をツイートできること。ツイートする方は動作が不安定とのことで、体験では写真を撮ることができました。
Ocuus Riftを被るとそこはユニティちゃんのライブ会場。ステージ上でユニティちゃんが歌って踊っています。
空中にはスマホが浮かんでいます、また自分の手も見えます。スマホを持って移動させると、両手で掴んで広げて拡大、狭めて縮小することが可能です。
スマホ画面のアイコンを押すこともできますが、VR空間内を撮影するにはスマホの横に浮いているカメラアイコンを押します。スマホの画面に今見えているライブが映るようになります。そのまま現実のスマホで撮影するようにカメラアイコンを押せば撮影完了です。
VR空間では時計もなく、連絡も取れないためスマホを持ち込んでしまうという発送は斬新で魅力的です。写真撮影だけでなくスマホでできていることがVRでできるようになるとますます現実に近くなり、一度VRに入ってしまうと現実に戻る必要性が無くなりそうですね。
開発元:スマホ持ち込み@光輝氏
『3D駐車シミュレーター』フレームシンセシス
Oculus Riftだけでなくステアリングコントローラーを使い、実際の車の運転のように駐車シミュレーションができるものです。
椅子に座り、ブレーキやアクセルの位置を確かめて、ギアとハンドルを握ってスタート。ステージは全部で5、最初の2つは前進したまま停めていいので初心者にも簡単です。
駐車スペースは緑色に透けた車が置かれている場所です。そこを目指して前進ギアにいれたらアクセルをゆっくり踏み、ハンドルを切ります。振動こそありませんが、見えてる風景は車内そのものです。
思いっきりアクセルを踏み壁に激突すれば、「Crash!」の文字とともに目の前が赤くなり、スタート地点に戻されます。
VRの場合、前方だけでなく、左右後方も見られる、車の中で実際にいる感覚に近くなります。「駐車」という一見地味なテーマも秀逸です。スピード勝負のレースゲームだとVRでも結局、前半分位しか見ないことも多いですが、駐車となると、ゆっくり、前後左右見回さなければならないあたり、非常にVRに向いたコンテンツといえます。
開発元:フレームシンセシス