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VTuber 2024.03.12

この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画(~3月2日)

閉じ込められちゃったから「力」で全部解決します

ネタ動画で視聴者を煙に巻きつつ驚かせる達人鷲埜木まこと。今回は脱出がテーマのようで、鷲埜木まことと視聴者が一緒になんらかの出口を探しています。とはいえ背景を観るとそんなに脱出しないといけない環境にはないようですが…?

「8番出口」的な脱出のできないループ性、ウミガメのスープ風の問いかけ、ゲームのロード画面のパロディ。それらをひっくるめた「脱出」の意味を考えるメタ構造。オープニングからラストまでネタの宝庫です。それでいて一貫した話の筋も通っているので、納得させるだけの説得力もあります。
ギャグとして笑っていい動画なのですが、構成が緻密かつ完璧なので、オチまでの流れがスムーズで美しさすらあります。

本編の中のネタの流れのみならず、動画内の発言ひとつひとつがインターネットやマンガなど色々なジャンルのネタをオマージュしているのも魅力。引き出しの幅が広く、つい確認のためもう一度見直したくなる魅力があります。

メタフィクションをネタにするのが得意な彼女は、昨年3D化してから表現の幅を一気に広げました。とはいえ過去の2Dのネタも切れ味は十二分に鋭く、意外すぎるオチになることも多いので、VTuber芸能として是非初期動画から見てみてください。

【VRC想定】リフレクトレンズ / Reflect Lens

だまこやが制作したVRChat用の新しいグッズは、遊ぶのには必須ではないけれども、あると人と会いたくなるような、かゆいところに手が届くものでした。瞳にコンタクトのように入れると周囲を反射して、鏡のようになるというものです。これを使えばフレンドと話している時、自分の瞳の中にフレンドが映ることになります。相手もついつい見入ってしまう楽しいアイテム。お互いつい顔を寄せ合って見つめることになるかも。
ありそうでなかったアイデア商品。背景なども映り込むので、自撮りもはかどります。プレイヤーの視点に立って何が求められるか考えたからこそうまれた商品だと思います。そのため改変が好きな人のXの間で、期待のアイテムとして大いに話題になっていました。

パーティクルなどを活かしたユニークな商品を、かなりの数発表して人気ブランドになっているだまこや。リップシンクと連動してしゃべる帽子は、ミュートをするとチャックを閉じる、というおちゃめなシステムが魅力的です。やきとりリュックは他の人がつまむことができるのがミソ。これを背負っている人の背中に大勢の人が集まって、その場でぷち飲み会が起きる様子も見られます。

アバター用の衣装やアクセサリが今BOOTHでは大きな市場になりはじめています。その中でもこのようなユニークアイテムは、ただ使うのではなく応用して身につけるなど、使う側も想像力を問われます。個性的な自身の身体を作るのにもってこいな自由度の高いアイテムぞろいなので、だまこやの新作は常にチェックするのをおすすめしたいです。

【お絵描き対談】#おおわらでん コラボ!大童澄瞳先生といろいろ話す会【儒烏風亭らでん #ReGLOSS 】

ホロライブの儒烏風亭らでんが、「映像研には手を出すな!」の大童澄瞳と対談コラボを行いました。こちらは大童澄瞳がすでにVTuberの姿を手に入れて活動していることもあり、違和感なく画面におさまっています。

前半は「映像研には手を出すな!」についてのトークを行い、後半は視聴者からの質問をふたりで考察しています。「ふたりの思うVTuberの可能性」など重たいテーマも視聴者から寄せられますが、ふたりとも語りがうまくて頭もいいので、しっかりとした分析を聞くことが出来ます。アバターは新しい時代の自画像、SNSと境界線がなくなっていくかもしれない、新しい自我の誕生、などの発言の数々はかなり興味深いところです。

ふたりの会話の間では難しい美術用語などがさらっと出てくることがあります。その際は後ろにある手書きできる背景に儒烏風亭らでんが話しながら説明を書いています。会話を遮らずに視聴者にわかりやすく伝える気遣いが感じられます。

最近では儒烏風亭らでんと学術系VTuberとの交友関係が生まれたり、VTuberを通じて知識を得ることに興味を持つファンが増えたりと、儒烏風亭らでんの登場は知的好奇心を楽しむVTuberという道筋を大きく広げ始めています。

バーチャルアバター化した大童澄瞳(V童)は、他のお気に入りVTuberを配信内で取り上げてイラスト化していたことがあります。火威青やChumuNote、ヘアピンまみれなどをとりあげながら、他のVTuberの配信について話題にするなど、かなりVTuberが好きで見ているのが伝わってきます。
また自身のアバターについても少し触れており、背中に生えている羽はトンボだったりなど様々なこだわりがあるようなので、これからの配信も楽しみです。

Rodents Kingdom – Ironmouse & Camellia

VshojoのIronmouse & Camelliaが公開したオリジナル曲は、自由奔放で大胆な彼女をうまく表現した作品。「Rodents Kingdom」とは直訳すると「ねずみ(げっ歯類)の王国」という意味です。もちろん頂点に君臨するのは、Ironmouseでしょう。

基本は英語で歌われているのですが「復権計画開始さ」「HEY 万鼠招来」とポイントになる部分は日本語で歌われています。複雑な英語の部分はないので、初めて聞いた日本人でもこの歌詞の意味は大体分かると思います。歌詞が理解できたなら、彼女のキャラクター性の面白さも見つけられるはずです。

Ironmouseは元々高音ボイスを得意としていましたが、今回のようなハイスピードかつパワーを求められる作品で、自身の歌との相性の良さを発揮しています。ここはCamelliaが作った音楽がIronmouseのボーカルにピッタリ合っていたからでしょう。それを信じてなのか、後半さらに上がる部分は聞いていてテンションがあがります。EDMスタイルのビルドアップの使い方もうまく、クラブイベントなどでかけたら盛り上がること間違い無しのハイスピードキラーチューンです。

リィンカーネーション / アマクサナナシ – Reincarnation / AmakusaNanashi

歌で感情を咆哮する真っ白な姿のアマクサナナシ。どの作品でもボーカルのパワーは一流ですが、今回は入りのアカペラの部分からアクセル全開です。これだけ力強く、まっすぐに言葉を歌にして撃ち出せるのは、歌詞に対して確固たる自分の意志がこめられていて、そこに自信だったり決意だったりがこめられているからでしょう。是非ゆらぎの一切ない歌の迫力、味わってください。

「正しいだけの正しさじゃきっと誰も救われないんだ’」「人を貶すのは人の業だけど人に生かされた」など、ストレートな言葉であるのに個性の強い言い回しも特徴的で魅力があります。
ギターとベースの音がうねりながら、しっかりこの曲を支えているのも見事です。ギターロックのおいしいところをおさえながら、自信の情動と確信が表現された作品になりました。

アマクサナナシはすでにオリジナル曲を40曲近くアップしています。曲のバリエーション豊かでありつつ、かつどの曲も人間を歌声で表現する強烈なアマクサナナシ節が入っているのが特徴です。一曲でも気に入った曲があったら、間違いなく全部気に入ると思いますので、今回の動画で気になった方は他の曲も是非聞いてみてください。

【オリジナル曲】うーちゃんふぇすてぃばる

編井うもがアップしたのは自身のポジティブな姿勢を表現した、明るくハッピーなキャラクターソング的なオリジナル曲です。彼女はイラストやLive2Dモデリングも行っているクリエイター。今回のMVのイラストも自作のものです。

人形のようなかわいさのある彼女、歌の中ではよく寝てよく食べてよく寝ます。そしてMPが充電したらみんなと思いっきり遊びます。彼女の「たのしーいね!」「いーっぱいたのしくあっそぼー!」という歌詞が出るのは、彼女がとことん前向きであるがゆえ。キュートな歌声で、こちらにはたらきかけるように歌うスタイルは、安心感と応援したい気持ちの両方を刺激してくれます。
この作品は合いの手を入れやすいのも大きなポイントかもしれません。掛け合いするパートがとてもわかりやすい曲なので、配信で披露したり、ライブで歌ったりした時、観客はコールで大盛りあがりになりそうです。

Emotional night / 九条林檎 MV

曲と本人のイメージがあまりにもピッタリ! 九条林檎の代表曲のひとつになりそうなオリジナル曲「Emotional night」がアップされました。心くすぐるエレクトロスウィングに乗せて歌う九条林檎の歌声は、彼女のインテリジェンスさ、クールでスマートな佇まい、ホットで情熱的なエンタテイメント性の全てを包括しているかのようです。

「君が欲しいもの 思いのまま手にして」「君がしたいこと 思いのまま楽しんで」伸びやかかつ軽快な歌声でそう歌う九条林檎。彼女は「したいこと」を実現してきたVTuberです。だからこそ歌詞にものすごい説得力があります。

もちろん「したいこと」をするにはたくさんの努力もいりますが、九条林檎はその努力をやり遂げ「したいこと」をしているのを見れば、背中を押される気持ちになります。九条林檎はみんなの隣人として寄り添ってくれることもあれば、ハイブリットとして上位者的に手を差し伸べる側になることもあります。今回は後者。人間からみてエレガントな彼女のキラキラした姿を味わえます。その佇まいを今まで決して崩してきていないからこそ、九条林檎というVTuberはすごいのです。

【沖縄アレンジver】青と夏 / Mrs. GREEN APPLE【Covered by 根間うい】

「夏が始まる」という概要欄を、春が始まっていない今書けるVTuberは、沖縄に住む根間ういくらいかもしれません。爽やかさ満点のサマーソングのカバーを披露してくれました。彼女にはやはりキラキラの太陽と海の青がよく似合います。超高音パートのある曲なのですが、ハイトーン歌唱が得意な根間ういなだけあって、ブレずにしっかり歌いこなしています。

根間ういのチャンネルのカバー曲には、いくつか「沖縄アレンジver」が存在しています。これは日琉芸能プロジェクトの530など三線を弾ける人たちによってアレンジされたもの。メロディを支えるコードを琉球音楽風に調整し、楽器は三線をはじめとした沖縄の民族楽器で演奏。合いの手や口笛などもふんだんに盛り込んだスタイルです。これが入った状態で根間ういが歌うと、あら不思議完全に沖縄の曲だったかのように聞こえます。アレンジを作るのは相当大変だと思いますが、「知っている曲を好きなVTuberが沖縄風にしている」という沖縄PRの強い訴求力になっているように感じます。

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