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VTuber 2023.01.29

この動画がすごい!今週のおすすめVTuber動画(1月14日~1月27日)

日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルアバターで活動しているタレントの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。話題のものから個性派まで、要チェック!

今回紹介した動画のYouTube再生リストはこちら

【VRChatワールド紹介】Amebient / by – phi16

映像制作をしているシンセキくんがアップしたのは、VRChatのワールド「Amebirnt」の紹介PVです。バケツなどのオブジェクトを配置すると、滴る雨や雫によって音がなり、音楽をつくることができるというギミックがあるワールドです。実際に並べて音を作る様子も観られるのですが、このPVの真価は映像で世界に物語を生み出しているところにあります。

ワールド紹介として魅力を存分に伝えるという部分はしっかりこなしつつ、シンセキくんがこの世界で出会い、触れた感覚をそのままストーリーを練り込んでいるので、映像作品として非常にクリエイティブで面白いものになっています。撮影の構図やアングル、被写体深度、カット割りと展開への深いこだわりが見られるので、VRChatを知らない人にでも良質な短編映画として観ることのできる作品です。

他にもVRChatで行われているイベントのPVなども作成しています。イベント全体を俯瞰的に撮る手法から離れ、イベントの内側深くに入り込むことで湧き上がる感情を主観的映像として切り取り、その場の魅力の根源の部分を伝える手法が用いられています。まるで実際に自分もその光景を観て感動した瞬間を観ているような、疑似記憶を刺激する映像作品群です。

【Live2D講座】トラッキングモデルの口の作り方【応用編①:肌色の八重歯】

Live2Dクリエイター表彰プログラム受賞者のモデラー雨瀬おるこがアップしたのは、近年人気の描写手法である肌色の八重歯をモデルでどう表現するかの講座動画です。イラストだとそこまで難しくないのですが、動かすとなると少々想像力が必要になります。

テクニックを順序立ててしっかりまとめ、そうする理由も逐一伝えながら解説している、納得させられる動画です。肌色八重歯自体はみんなが使うわけではないちょっと変わった表現ではありますが、技術面での応用としても使える内容なので、Live2Dを知る上で意義のある動画になっています。

雨瀬おるこはLive2Dを使用したショート動画をほぼ毎日アップしています。動きが滑らかな上に表情豊かなため、実在感がかなり高め。彼女のLive2D技術の高さを観ることができるのみならず、心を癒やしてくれる映像としても強力な作品群になっています。

【 ホラー映画紹介 】この番組、怖すぎ…『 このテープもってないですか? 』紹介動画【 ホラー映画紹介Vtuber 】

ホラー映画紹介に定評のあるミミカモーフがアップしたのは、年末に三夜連続でやっていた番組「このテープもってないですか?」についての紹介番組。一見過去のフィルムを集めて観るバラエティ番組なのですが、集めたフィルムの動画はどこか変なところがあり…以下ネタバレなので気になる人は飛ばしてください。

自分の価値基準はまちがっているんじゃないか?と不安を煽ってくる、モキュメンタリースタイルの映像作品について、ミミカモーフは構造の巧みさ、ラストに感じる違和感の意味、ビデオテープという古い映像が持つリアリティの不気味さなどを、ホラーに精通しているがゆえの分析力で紐解いていきます。
特にミミカモーフは観ている人に刺さる単語を吟味して、的確な表現で解説しているので、話の中身がとても印象に残りやすいです。紹介自体が怪談になっている、という意味でも是非観てほしい内容です。
このドラマに興味があってまだ見ていない人は、2月9日までドラマは見られますので、そちらを是非先に御覧になってから、この解説を楽しんでください。

【星街すいせい】って結局どんなVtuberなの?

VTuberとして初めて「FIRST TAKE」に出演し話題になった星街すいせい。特に注目して観ていたのは、VTuberを知らない音楽好きな人たちです。その人たちに星街すいせいはどう映っていたのかを、DJのプレイ解説動画で知られるDJ SHIGEが紹介しています。彼のこの動画は、彼女の今までの経歴や発言をしっかり調べた上で、知らない人にそのすごさを紹介したい、という思い出作られたものです。
ファン目線ではない切り口であるがゆえに、いかに最初コメント欄が荒れていたかなども冷静に指摘しています。その上で歌が始まってから、浄化と言っても差支えがないくらい実力で空気を一変。その劇的な流れを視聴者の感想をピックアップしながら紹介し、リアルタイムの温度感を伝えてくれます。
星街すいせいの個人勢時代からの遍歴をも整理し、その上昨今の彼女の配信での発言もピックアップ。客観的視点で語る、初心者向け「星街すいせいFIRST TAKEへの道」としての決定版的動画です。

【お葬式】行ってきた【孫はこんなことをお手伝いします】 新人Vtuberにいななゆい

にいななゆいが行った配信は、タイトルを観るとドキッとする「お葬式」の話。しかしその内容は、現実的かつ知っておいて損のない話題で、全体的にポジティブ。しんみりはなしで、生き死にという誰もが直面することを大切にしようと思える配信です

訃報を聞いてから孫としてまずどんなことを行ったのか、準備はどうすればいいのか、葬式にまつわるいろいろな風習について、などを優しいテンションで語ります。中でも生前やっておいてよかったことの体験談は、是非聞いてほしい話題です。なかなか普段やらないことかもしれませんが、話を聞くとその価値がわかります。
生きること、死ぬことは語るのが難しい題材ですが、適切な距離感で、変にかしこまらずに配信で語っているのを聴けるのは貴重です。知識としても、心持ちとしてもおすすめの配信です。

【#ロベルないとめあ】あっち向いてホイに興じる我々【夕刻ロベル/神楽めあ】

夕刻ロベル神楽めあによる名物コラボ「ロベルないとめあ」。一周年目の3Dオフラインコラボは、スタッフ側を騒然とさせるような内容でした。一時間、あっち向いてホイを3Dで行う、というものです。わざわざ機材と場所を準備する中でじゃんけんし続けるのは、VTuberの企画としては前代未聞でしょうか。
そもそも「1時間あっち向いてホイをする」というのは、かなり前に神楽めあが適当に言って、流されるだろうと誰もが思っていた話題。ふたりは10回のサシコラボをすることが決まってしまい、回を重ねるごとに全力のどつきあいができるようになった中で言ったこの発言、夕刻ロベルは「企画を立案する相手を間違ったようだな、やるぞ」と決定。嫌がる神楽めあの意見を聞かずに実現したのが今回です。

間違いなくじゃんけんをするだけの1時間でした。あらゆる手段をもちいて企画に緩急をつけ、配信はずっと面白いまま、というエンターテイナーの意地と才能を感じさせる内容になっています。ふたりとも頭の回転がはやいため、ボケとツッコミのスピード感も心地よいです。数多くのコラボを重ねたことによって、ふたりが相性抜群のコンビに成長したのがよくわかる配信です。

3Dライブのあとにはサプライズ的にふたりの歌ってみた動画もアップされました。漫才コンビで兄弟のような二人組ですが、ここで公式から甘々キュンキュンな作品投下です。アイドルをやっているふたりの声の相性はぴったりで、甘さを表現する歌唱力も見事。VTuber界としても珍しいドタバタ男女コラボとして、その魅力とサービス精神を存分に見せてくれました。

企画│特定のマニアという名の異常性癖たちを紹介します

卯月コウの配信には洗練されたリスナーが集まっていることが多いです。その空気感がわかるひとつとして今回の「特定のマニアという名の異常性癖たち」のおたより企画があげられるかもしれません。おたより全てが濃い。それに対するコメント欄の反応も濃い。
いろいろなベクトルの趣味や性癖があるものですが、それらは行き過ぎると生活に支障をきたします。今回集った内容はいずれも行き過ぎてしまい、楽しさと苦しさの間でもがくものばかりです。13股女声ネカマ、ドM体質、女子高生制服マニアなど種類はさまざまです。
これらに対し卯月コウは肯定も否定もせず、事象として捉えて視聴者と一緒に観ていくスタイルです。こういうのはいい悪いではない。もう持っているのだからどう向き合うか、そういう人がいる事実をどう受け止めるか。フラットかつ中学生の彼から観ている姿勢を崩さないからこそ、新しい視点で観る社会のねじれを観ることができ、各々に幸福論を考えさせてくれる配信です。

理芽 – 狂えない / RIM – (Not) Lunatic (Official Music Video)

山田悠介「サブスクの子と呼ばれて」テーマソングとして制作されたのがボーカル理芽、音楽笹川真生の新作「狂えない」です。釈然としない、そして白黒つけることができない思いの苦しさと、だからこその大切さなものを表現するのに長けたこのタッグの良さがしっかり出ている作品で、歌詞と音のどこをとっても人間の感情の揺らぎが表現されています。

笹川真生楽曲は極稀に入る「!」の使い方などうねる音の中にピンが刺さるような構造が特徴的で、今回も「好き」という歌詞をあえて「☓☓」で表現するなど、気になるポイントが仕込まれているのが印象的です。理芽の歌い方は激しい緩急をつけるだけではなく、凪いでいるように見えて細かくざわざわ波立っているような心の内を伝えることに長けています。寄せては返す感情が練り込まれた作品として、何度も繰り返し聞くほどに発見の多い作品です。

「少年のアビス」の主題歌「インナアチャイルド」のフルMVも公開されています。こちらはどろりとした人間心理をポップに表現した作品です。日常が濁っていくようなSF的映像もあいまって心のざわつき度MAXなMVに仕上がっています。

Time Machine (feat.花奏かのん) – [ahi:]

音楽[ahi:] 、ボーカル花奏かのんの新曲は、ボーカリストの透明感あふれる歌声を最大限活かして表現するために作られた音だと言っても過言ではない構成の作品です。バックに流れるメロディは引き算の仕組みで作られており、花奏かのんの声をどう引き立てるかのために最大限シンプルにまとめられています。ところどころベース1音だけの小節に歌を重ねるレベルまで引き締まったパートが入るほどです。
この構成と花奏かのんのスッと溶けていくような爽やかな歌唱力、背景のイラストレーションの魅力が集ったことで、とても完成度の高い一曲になっています。

クッコロ・セツ 『REDREAMY』MV

デスボイスとハイトーンボーカルを使い分けるメタルシンガーVTuberクッコロ・セツ。今回も出だしからインパクト抜群のデスボイスを聴かせてくれます。
疾走感抜群のメロディに乗せたボーカルはかっこよさで溢れており、同時にキュートさクールさも見え隠れします。クッコロ・セツというボーカリストのこの多色的な魅力を支える土台こそが、パワフルなスクリーモパートのようにも感じられます。

【オリジナル曲】バベルの電脳 / 渚乃奏 & 小宵

シンガーとして多彩なMVをアップしている小宵と、ポエトリーリーディングやラップ作品を発表している渚乃奏。ふたりがバーチャルと電脳を歌うとここまでかっこよくなる、というのをまざまざと見せつけてくれる新作オリジナル曲が発表されました。
スタイルが違うふたりの言葉が、タイポグラフィ表現と相まってガシガシ流れ込んできます。表現の角度は違うものの、双方がリスペクトしあいながら駆け上がっていく言葉のラッシュは聴き応え抜群。声を重ねて作られたイントロとアウトロも耳に残ります。じっくり歌詞を観ながら聞きたい一作です。

【3rd Original Song】Resonant Piece / 月深ツキ【Music Video】

入りの高音パートをしっかり歌いこなす歌唱力に心掴まれる月深ツキの3rdオリジナルソングが発表されました。かなり高音のパートが多い難しい楽曲ですが、全体を通じて安定感のあるボーカルで非常に聴きやすい作品に仕上げられています。その上で力強さが表現されているため、駆け抜けていく頼もしさも感じられて、聴いていてとても爽快です。
「共鳴しよう そこに私がいるよ」というパートでの歌声の伸びのよさは必聴。深く広がるような歌唱技術で歌っているため、本当に心に共鳴してくるような歌声になっています。

アスミルキミヘ – 杏仁ミル 【Official Music Video】

杏仁ミルの2ndオリジナル曲「アスミルキミヘ」のアニメーションMV公開されました。孤独でどこに行けばいいのかわからなくなってしまった迷いのある少年が、猫を拾ったことで心が救われていく様子を描いた物語性の強い作品。その猫に姿を重ねることで、寄り添ってくれるVTuber杏仁ミルの姿がぐっと魅力的に表現されています。

優しいメロディの作品を、自身の柔らかい声で包み込むように表現する杏仁ミルのボーカル。映像の物語がかなり切ないものなので、なおのこと彼女の包容力が歌と共に伝わってきます。多数のファンがいる彼女が、なぜ愛されているのかがよくわかる一作になっています

結束バンド「ギターと孤独と蒼い惑星」LIVE at STARRY 【BandCover / 七海うらら】

バンド+VTuberが魅せるサウンドの魅力を知っている人には是非見てほしい、七海うららのカバー動画が登場です。「ぼっち・ざ・ろっく!」の「ギターと孤独と蒼い惑星」を、七海うららがギター・ドラム・ベースを率いて収録。全員の演奏風景をしっかり見せた映像で、VTuberバンドの楽しさを伝えてくれる内容に仕上がっています。
リアルの演奏動画の魅力は、技術の高さのみならず演者が楽しんでいる様子がダイレクトに見られるところ。VTuber歌唱動画のいいところは歌の巧さをアバターのビジュアルでさらに魅力的に見せてくれる所。この動画での七海うららの歌声は、ロックの歌詞が持つ感情の咆哮をしっかり掴みつつ、歌うことの楽しさが疾走感いっぱいに伝eてきます。演奏中も表情がよく変わり体も大きく動く七海うらら。演奏後の満面の笑みも含めて一曲の物語を感じさせられます。

富士葵×ぜったい天使くるみ cover「おとなの掟」

2018年からのVTuberファンはこのタイトルが発表されたときに、驚愕した人多数だったようです。歌うVTuberが少なかった当時、ファンからは「歌うまブルー」と呼ばれた富士葵、「歌うまレッド」と呼ばれたぜったい天使くるみが、ついにコラボ曲をアップしたのですから。
大人の視点から少女を観るようなブルース的歌声が魅力のぜったい天使くるみ。少女の視点から大人を観るような儚い強さの歌声が魅力の富士葵。元々の声質の違いもあって、重なり合ったときの声の相性は抜群。ぐるぐる入れ替わるハモリパートもナチュラルにこなすふたり、歌唱力が高いと言われ続けたこの数年を立証するかのような、ガチ歌うまコラボレーションになっています。
なお2019年に富士葵はひとりで「おとなの掟」をカバーしています。聴き比べるとまた違った味わいをみつけられるので、こちらも是非。

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