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VTuber 2019.04.09

データで見るVTuberのリアル 調査・統計記事まとめ

2017年末頃から大きく盛り上がり始め、2019年現在はひとつのコミュニティ・業界として確立したようにも見受けられるバーチャルYouTuber(VTuber)。この新しいムーブメントの実体を掴むため、さまざまな調査や統計が行われています。今回は過去に掲載したMoguLiveの記事から、VTuberに関する調査・統計に関する内容をピックアップして紹介します。

本記事は、2018年7月~2019年3月に掲載した記事の情報をもとにしています。VTuberは現在成長中のコミュニティ・業界であるため最新の状況はさらに変化があるものと思われますが、大まかな傾向などの参考になれば幸いです。

VTuberの人数は7,000人を突破

株式会社ユーザーローカルが提供するVTuberの人気ランキングサイト「バーチャルYouTuberランキング」は2019年2月21日、VTuberの人数が7,000人を突破したことを発表しました。バーチャルYouTuberランキングに申請されたVTuberと、主要VTuberのチャンネル数をベースとした集計となっています。

記事では同日時点での人気VTuberチャンネルトップ10と、そのファン数も掲載されています。

VTuberの認知度は?複数の調査結果から読み解く

マーケティングを手がける企業などにより、VTuberの認知度に関するレポートが発表されています。

株式会社ジャストシステムは2019年3月19日、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp」にて、「動画&動画広告 月次定点調査(2019年2月度)」の結果を発表しました。2月22日~3月1日の期間中にネットリサーチサービス「Fastask」を利用して調査したもので、調査対象は17歳~69歳の男女1,100名となっています。

これによると、VTuberを知っている人(知っていて他の人に説明できる人と、知っているが他の人に説明できるほどではない人の合計)が37.5%であることが判明しました。世代別に見ると10代は67.0%、20代は50%、30代は39.5%、40代は30.5%、50代は32.5%、60代は20.5%の人がVTuberを認知していました。若年層ほど認知率が高いことが見受けられます。

また、VTuber・ストリーマー事業を展開する株式会社CyberVが2018年8月6日に発表した調査結果では、国内10代~30代男女1,500名に対して実施されたアンケート調査をもとに、VTuberの認知度などさまざまなデータが示されています。

調査対象の世代全体のVTuberの認知率は41.8%でした。性別・年代別では男性・若年層の認知率が高く、10代後半男性が70%、20代前半男性が56.7%と過半数に達しています。全体的に若年層・男性の方が認知度が高い傾向にあります。

2つの調査は対象や時期が異なりますが、大まかな傾向として、全体的な認知率は4割程度であること、若年層を中心に認知が広がっていることが伺えます。男女差も比較的大きいですが、総合すると10代後半~20代前半ではおよそ半数からそれ以上の人がVTuberを知っていると見積もることができそうです。

CyberVの発表ではそのほか、VTuberをはじめて知った媒体やどういった場面で動画を視聴するかといった調査結果も掲載されており、記事ではこれらについても紹介しています。

一方、株式会社NTTドコモは2019年2月12日、「学生のスマートフォン事情」の調査結果を発表しました。調査は2018年12月18日から20日までの期間、スマートフォンを所持する全国の15~25歳の高校生・大学生の男女300人を対象に、インターネット上で実施されたものです。こちらはVTuberに特化した調査ではありませんが、「デジタルネイティブ世代」である高校生・大学生のスマホ生活がどのようなものなのかが伺えます。

「友達との会話にあがることがより多い話題」では、「YouTube」や「スマホで見たニュース」がテレビなどで見たコンテンツを上回っています。また高校生においては「テレビタレント」よりも「YouTuber」のほうが会話に上ることが多いという結果が出たほか、YouTuber、VTuber、TikToker(TikTokユーザー)をはじめとした人気動画クリエイターについての知識がなければ「友人との会話についていけないと思う」と答えた高校生が31%にのぼるなど、VTuberを含む動画クリエイターが会話の話題となっていることについても言及されています。

人気VTuberの傾向は?よく見られる動画の内容からキャラデザまで

ソーシャル動画分析サービス「kamui tracker」などを提供する株式会社エビリーは2018年7月25日、「kamui tracker」が独自に保有するデータをもとにチャンネル登録者数1万人を超えている人気VTuber139名を分析した調査データを公開しました。データでは「最も多く視聴された動画の内容」や「配信・動画におけるエンゲージメント率」といった数値から、「2D/3Dのどちらを使用しているか」「髪型、髪色」「服装」などのキャラクター造形に関するものまで、幅広く取り上げられています。

最も多く視聴された動画の内容は「自己紹介」が35.5%と一番多く、視聴者は最初に自己紹介を見たうえでそのVTuberを継続的に視聴するかどうかを判断しているためと推測されます。またライブ配信が19.2%を占めており、なかでもVTuber同士のコラボ配信が人気であることも伺えます。そのほかゲーム実況が13.5%、歌ってみた・弾いてみたが9.9%と続きます。

また、「(高評価+コメント)/視聴回数」で計算されたエンゲージメント率はライブ配信が4.07%、通常動画が2.78%となりました。高評価やコメントを視聴者が行うことで、視聴者へのVTuberからのリアルタイムな反応が期待できることから高くなっているものと推測されます。

ビジュアル面では2DのVTuberが全体の58.3%を占めており、3Dよりやや多いといった状況。またチャンネルへの動画初投稿日や登録者数と使用モデルの関係を調査したところ、2018年7月段階では、30万人以上の登録者数を持つ大手チャンネルはいずれも3Dモデルを使用していました(※1)。一方でチャンネル登録者数が1万人から5万人のVTuberや、2018年に入ってから活動を開始したVTuberは2Dのものが多くなっています。

エビリーは2Dモデルが増えている要因として、3Dモデルと比べてコストが抑えられ短時間でデビューできることと、「にじさんじ」のバーチャルライバーという成功事例が出てきたことを挙げています。(※2)

(※1:2019年4月時点では主に2Dモデルも使用する「月ノ美兎」が30万人以上に該当)
(※2:2018年後半より、2Dで人気となったVTuberを3Dモデル化する事象も複数見受けられます)

キャラクターデザインに関する調査では、髪色は「白・グレー・銀」が20.3%、服装は学生の制服をモチーフにしたものが人気といった傾向が見られましたが、全般としてはばらつきがあり、多様なキャラクターが幅広く受け入れられていると言えそうです。


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