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VTuber 2018.07.26

人気VTuber139名調査、視聴回数の多い動画や人気のキャラデザなど傾向が明らかに

ソーシャル動画分析サービスなどを提供する株式会社エビリーは、チャンネル登録者数1万人を超えている人気バーチャルYouTuber(VTuber)139名を分析した調査データを公開しました。

データでは「最も多く視聴された動画の内容」や「配信/動画におけるエンゲージメント率」といった数値から、「2D/3Dのどちらを使用しているか」「髪型、髪色」「服装」などのキャラクター造形に関するものまで、幅広く取り上げられています。

登録者1万人から5万人が全体の3/4を占め、自己紹介動画やコラボが人気

今回の調査はエビリーの分析サービス「kamui tracker」が独自保有するデータを元とし、チャンネル登録者数1万人以上のVTuber139名を対象としています。

チャンネル登録者数の区分割合

チャンネル登録者数1万人以上5万人未満のVTuberが全体の75.5%、およそ3分の4を占めています。30万人以上は4.3%となっています。

各チャンネルで最も見られているのは「自己紹介」。「コラボ動画」も人気

チャンネル別に最も多く視聴された動画内容は「自己紹介」が35.5%と圧倒的。各VTuberが第一回に自己紹介動画を投稿するケースが多く、視聴者は最初に自己紹介を見たうえでそのVTuberを継続的に視聴するかどうかを判断していると考えられるため、他の動画よりも視聴回数が多くなっているものと推測されます。

次点はライブ配信(のアーカイブ)が19.2%を占めています。とりわけVTuber同士のコラボが人気であり、全体で見ると13.5%(ゲーム実況と同数値)がコラボ配信動画となっています。2名以上のVTuberのファンが視聴しうること、またVTuber同士の「掛け合い」が楽しめることなどが、視聴回数が多くなる要因となっています。

ライブ配信のエンゲージメント率は通常動画の1.5倍

また、エンゲージメント率(「(高評価+コメント)/視聴回数」で計算)はライブ配信が4.07%、通常動画が2.78%となりました。高評価やコメントを視聴者が行うことで、視聴者へのVTuberからのリアルタイムな反応が期待できることから高くなっているものと推測されます。チャンネルの成長の指標にもなりうるため、ライブ配信は効果が大きいと言えそうです。

ビジュアルは「2D×ショート×白・グレー・銀髪×赤眼×制服」?

続けて、VTuberには欠かせない「使用しているモデル」やキャラクタービジュアルの調査結果も発表が行われています。2Dの平面的なイラストをLive2D等のツールで動かすタイプ、3Dの立体的なモデルを動かすタイプなどが存在しており、当初は3Dが多くを占めていたものの、直近では2D型も増加しています。

2Dか3Dか

調査結果では2DのVTuberが全体の58.3%を占めており、3Dよりやや多いといった状況。また、チャンネルへの動画初投稿日や登録者数と使用モデルの関係を調査したところ、30万人以上(合計6チャンネル)の登録者数を持つ大手チャンネルはいずれも3Dモデルを使用しています。一方でチャンネル登録者数が1万人から5万人のVTuberや、2018年に入ってから活動を開始したVTuberは2Dのものが多くなっています。

エビリーはこれに対し、「2Dモデルが増えている要因としては、①3Dモデルと比べて、コストが抑えられ、短時間でデビューできること②「にじさんじ」というバーチャルライバーとしての成功事例が出てきたこと」を挙げています。

髪型や髪色、瞳の色、服装

髪型は「顎までの長さ:ショート」「肩の丈までの長さ:セミロング」「肩から下の長さ:ロング」として調査しています。また、ヘアスタイルに関しては大まかに、2つ結び(例:ツインテール)と1つ結び(例:ポニーテール)に分類した上でデータを取っています。

グラフ上ではショートが多いように見えますが、髪が長い場合は2つ結びや1つ結びなどにアレンジされるため、ショートとロングに実質二分されていることがわかります。

髪色については白系統である「白・グレー・銀」が20.3%を占めています。また、金髪や茶髪、黒髪など、現実の世界でも多い髪色が約半数を占めていることがわかります。一方青や緑系統は全体で見るとかなり少ないようです。

瞳の色は票が割れましたが、赤が最も多く16.4%を占めています。続いて青が15.8%、緑が12.3%となっています。

服装に関しては多種多様なものが見られましたが、学校の制服をモチーフにした服装に人気が集まりました。いわゆる私服的なもの、オリジナリティにあふれるデザインのものも人気があるようです。

キャラクタービジュアルの1位を集めてみると……?

以上を踏まえて、エビリー社の分析ツールである「kamui tracker」チームは「キャラ特徴1位を集めたVTuber」をイラストを作成しています。

(「2D×ショートヘア×白・グレー・銀髪×赤眼×制服」のキャラクターイメージ。確かに見たことがあるような気も)

まとめ

上記のデータから読み取れる点として、エビリーは下記の2つを挙げています。

・ライブ配信が一定の効果が持っていること
・キャラクターは2Dが急増しており、現状のトップ層は3Dがほとんどだが今後変動しうること

他にもビジュアルのデータから読み取れる通り、髪色や髪型などのキャラクターデザインには(技術仕様やコストなどの面からも)やや偏りが見られます。

2017年末から続くVTuberの活況を経て、今後どのように環境が変動してゆくのか、注視が必要となりそうです。

(参考)株式会社エビリー プレスリリース


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