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VTuber 2018.07.29

体当たりVTuber「織田信姫」の熱い芸人魂とは?

7月28日から8月19日までの間、コラボレーションカフェ原宿竹下店で、VTuber織田信姫のコラボカフェが開かれます。

VTuber織田信姫の活躍は、めざましいものがあります。4月15日にデビューし、7月末時点ですでにチャンネル登録者数8万3千人以上。登録者数増加の急上昇ランキングベストテンにも、7月末にはほぼ毎日ランクインしています。

彼女が波に乗ってブレイクしたのは、地道な活動あってこそでした。

「人を気遣える汚れ役」ができる女性VTuber

尾張の戦国武将で、1534年6月23日生まれの15歳。まんま織田信長です。「わけあってこっちの世界(バーチャル空間)に飛んできちゃった」ため、年を取らないらしい。目標は天下統一。視聴者を「織田軍」の家臣として巻き込んでいきます。

織田信長女体化キャラが日本にはたくさんいる中、信姫はツンデレからスタートし、一気に芸人ベクトルにハンドルを切りました。

織田信姫のことが一発でわかるのがこの動画。お笑いコンビ「ピーマンズスタンダード」が行う、ロシア武術「システマ」を題材にしたコントのパロディです。

イキリまくる15歳の少女が、自分から言ったとはいえ、蹴られたり斬られたりとボコボコ。その度に顔芸を繰り出す。ものすごい勢いでしゃべりながらも、ツッコミがいないから、話題がぶん投げっぱなしになる。

彼女の開幕挨拶は「ぶおおおおおおお」というボイパ貝(じゃないことも多いけど)。可愛い女の子だと思って動画を開いたら、開幕大声で叫びながら変な顔をしている。それが信姫。

ピン芸人スタイルで、ロケットスタートを切った彼女。かわいい女の子なはずなんだけど、自らかわいくない行動に出まくる。シモネタを含まずに、芸人風の「見せられるヨゴレ」ができる、ハイテンション女性VTuberの「ヤバいやつ」として一気に人気になりました。

もっとも、先駆者であるキズナアイやミライアカリや輝夜月なども、基本は芸人体質。特にキズナアイは変顔ムーブやイキリ芸もかなり多いです。織田信姫はこれら先駆者と同じように、動画投稿ベースで、自らのバーチャルな全身を駆使して笑いをとる、王道スタイルです。

笑いのベクトル自体は異なりますが、一つ一つ積み上げ、編集にこだわり、人を傷つけないように気遣いながら、動画作品で芸風を見せていく姿勢は同じです。

信姫のセンス

彼女がアップするのは、基本的にネタ動画、パロディ動画、ゲーム実況。配信は現時点では一回だけです。ここしばらくはずっと、毎日投稿
実況するゲームも、「ヨッシーアイランド」など、なんで今それを選ぶのというものも多々。ここは織田信姫が、現在の文化を知らないからこそ盛り込める要素。

有名な作品も、プレイの仕方がどうにもおかしい。PUBGのプレイ動画ではダメージを食らう時に痛みを感じています。スプラトゥーンではイカ潜伏中は0歳まで知能が退化するというプレイをしています。操作内容よりも、信姫のリアクションを見る動画としての作りが上手い。

「信姫なら何やってもおかしくない」という下地をコツコツ作ってきたため、理解に苦しむネタが飛んできてもファンが受け取れる状態に現在あります。その分信姫も、予想を超えるようなネタをツッコミ不在で投げてくる。ファンが絶対ツッコんでくれるのを信頼しているかのよう。

織田信姫の特徴の1つが、数多くのパロディ。挨拶の真似だけでも、輝夜月や月ノ美兎やファイ博士のようなVTuberのみならず、ラファエルやシバターやMEGWINなど実際のYouTuberネタもバンバン混ぜていく。

方向性がわからない、と褒め言葉的に言われたのはこのあたりから。今振り返ると、あらゆるネットのネタを芸として飲み込んでいくスタイルが、最初からしっかりあったのがわかります。

VTuberだとげんげんンヌグムがお気に入りなようで、パロディ化しています。この2人が好きという時点で、織田信姫のセンスがよくわかる。マリオカートのキズナアイ杯では、1人だけ似ても似つかないMiiで参加。珍妙な目立ち方をしていました。

かわいさが見当たらない、ネットスラング路線に突き進むのが織田信姫スタイル。なので、動画に出てくるネタが全部分かる人は、相当ディープなネットユーザーのはず。わからなくても楽しめるような構造の動画ではあります。ただし、深いからこそ、元ネタがわかると一気にファンになってしまうコアな魅力もあります。

大きかった顔

織田信姫の話題で欠かせないのが顔の大きさ。最初のモデルは四頭身。デフォルメキャラとしては問題なくかわいいのですが、15歳の女の子だということを気にしだすと、どうにもその比率が気になってしまう。

ファンが「顔がでかい」とうわさする内に、本人がそれをネタに取り入れだします。かくして、「顔がでかい」は定番持ちギャグになりました。どんな話題を振られても、顔デカネタで切り返せるほどキレッキレ。

伝説化しているのが、ガチ恋の話。顔がデカイからガチ恋距離に見えるんや! という自虐的な返しから、カメラにめり込んで3DCGモデルの中身を見せる暴挙に出ます。織田信姫ならではネタです。なお、この技を見せたのは一回だけです。

顔デカキャラとして定着し、多くの人に知られ始めた織田信姫。ところが、7月20日にまさかの展開が。なんと、顔が小さくなった!(サムネイルがひどい)モデルがバージョンアップし、五頭身になります。

すごいのは、そこをネタに笑いをとっておきながらも、話をきっちりまとめて、見ている人の心を動かす演説を行える、彼女の話術です。

信姫のツンデレ

織田信姫が人気な最大の理由は、やはりずば抜けたトーク力。編集はしているものの、どこで息をしているのかわからないくらいのマシンガントークを、常時繰り返しています。ハイテンションなだけでなく、ネタを一切絶やさない頭の回転の速さには驚かされるばかり。

彼女のトークは、序盤とことんおちゃらけて見せて、後半自分の持っている信念や視聴者への感謝へつなげ、感想を情熱的に交えてまとめるのが持ち味。ファンいじりもするし、自分のことも使えるだけネタにするけれども、最後はきちんと締めて感謝を言う。

初期はネタ的にテンプレツンデレしていた彼女ですが、こういうところで本当のツンデレを見せてくるから、ついキュンとなる。なんせ彼女自身毎日弱音を吐かずに、道化になって動画をアップし続けている努力家。たまに述べる力強い信念には、説得力もあるってものです。

キズナアイなどがいるVTuberプロジェクト「upd8」に、織田信姫も参加しました。upd8はVTuber文化をさらに発展させたいという理念が強め。常識をひっくり返していこうと虎視眈々と狙っている彼女が参入するのはよくわかります。

コミュ力が非常に高い織田信姫。Twitterのみならず、動画のコメント欄などにも頻繁に現れます。ツンデレ的に「媚びを売る」みたいに茶化していますが、彼女がかなりしっかりとVTuberたちの動画見ているのは一目瞭然。彼女が心底VTuberが好きで、活動を楽しんでいるのが伝わってきます。

イキったりふざけたりしているけど、実際は毎日投稿する努力家で、時々急に視聴者に対して感謝やねぎらいの言葉をかけてくれる。そんな真のツンデレな彼女の本質こそが、覇王として最大の武器になりそうです。

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