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VRChat 2022.11.10

【VRChat】服の試着から会計まで完結 「チセモール」の画期的なアバター販売に注目!

10月16日(日)に発売された、「VRChat」向けアバター「チセ」は、有志製作チーム「VRC合法チート研究会」が総製作費150万円で制作したことで、大きな話題となりました。

販売に先駆けて公開されたアバターの体験ワールドには、「チセ」本体のみならず、対応衣装のきせかえ例も展示。そのプロモーションは「VRChat」向けアバター業界に大きな一石を投じるものでした。

「チセ」は発売初週から売上を伸ばし、11月3日(木)時点で500ダウンロードを記録。すでに150万円の製作費は回収しており、初動は上々です。しかし、「VRC合法チート研究会」はさらなるアクションを打ち出そうとしています。

それが、11月12日(土)にオープンされるワールド「チセモール」。「チセ」の対応衣装を可能な限り展示したこのワールドには、アバターと対応衣装の市場にさらなる変革をもたらすであろう、驚きのギミックが数多く備わっています。

MoguLive編集部は今回、「チセモール」のプレオープンに参加。「VRChat」でのアバター販売戦略の最前線になり得るワールドの全容をお伝えします。

たくさんの衣装を、その場で試着!


円形のショッピングモールをモチーフにした「チセモール」には、「チセ」対応衣装が数多く展示されています。いずれの衣装も、「チセ」が実際に着ている状態で設置されており、「実際に着てみた様子」を間近で確認できます。

しかし、これだけならば「チセ」体験ワールドと同じ。「チセモール」には驚きのギミックが仕込まれています。

まず、入口で「チセ」の見本アバターに着替えます。見本アバターには色変え機能が搭載されているので、あらかじめ自分好みのカラーリングにしておくとおすすめです。

そして、展示されている衣装に触れます。


すると、選択した衣装にその場で早変わり! そう、この「チセモール」では、展示されている衣装をその場で「試着」することができるのです。


(展示衣装は多種多様。予想もつかないめぐり合わせに出会えるかもしれません!)

着せ替えた例を見るのと、実際に試着してみるのとでは、衣装に対する感触はまるで違います。パッと見て気に入った衣装を、実際に着てみて、動いて、ポーズを取ってみる、リアルの洋服を試着購入する感覚で、アバター向け衣装に触れることができます。

衣装試着ギミックは、ファッションイベント「VirtualFashionMall」にもありましたが、どんなアバターでも試着できるものの、サイズなどの微調整が必要な場合もありました。「チセモール」では「チセ」対応衣装にしぼって展示されているため、細かな調整は一切不要。「気になったらその場でパッと着てみる」という手軽さが実現しているのが最大の特長です。

気になった衣装はカートへ入れ、最後に会計!

しかし、試着できるのは「チセモール」の中だけ。気に入った衣装は、実際に購入まで進めたいはずです。「チセモール」には、衣装を購入する際のサポートも完備しています。それが「会計システム」です。

まず、「チセモール」内で取り出すことができるタブレット端末で、気に入った衣装を着た状態で「カートに追加」を選択しましょう。

すると、選択した衣装がカートの中に追加されます。一度カートに追加した衣装は、展示衣装に触れなくとも、タブレット端末から「試着」を選択するだけで再度着替えることができます。


そして、ある程度カートに追加したら、各階に設置されたセルフレジへ行きましょう。セルフレジにはタブレット端末を置く場所があります。早速置いてみましょう。

すると、カートの中にある商品が自動でリストアップされ、合計金額が算出されます。これが「会計システム」。自分が気に入った衣装がどれだけあるか、そしてどのくらいの総額になったかを、あらかじめ確認できるのです。

ただし、「VRChat」内には決済システムが備わっていないため、このワールドでできるのは「総額表示」まで。ここから実際に商品を購入するには「BOOTH」の商品ページへ移動する必要があります。

そのためのサポートとして、各商品ごとに販売ページのURL表示ができます。表示されたURLを「VRChat」からコピーし、Webブラウザにペーストすることで、「BOOTH」商品ページへの移動がやりやすくなります。「XSOverlay」を導入していれば、「VRChat」内にいながらWebブラウザを操作し、商品ページも開くことも可能です。

なにより、「自分はどれだけの衣装を買おうとしたか」を、購入前に数と金額で可視化してくれるのはありがたいところ。「予算を決めた買い物」ができるため、「うっかり買いすぎてしまった……!」を避けることもできるでしょう。そうした感覚は、リアルでのお買い物にとても近いものです。

アバター衣装クリエイターにも光を当てる

服の試着から会計まで。惜しくも決済までは手が届かないものの、ここまでワンストップで「VRChat」内で完結できるワールドは、おそらく前例がありません。「特定のアバター対応衣装に特化したワールド」であれば、なおさらです。

「VRChat」向けアバターは、そのまま使ってもよいのですが、好きな衣装に着せ替えてあげることで、さらなる魅力とオリジナリティを引き出すことができます。だからこそ、「実際に着てみるとどうなるか」は多くのユーザーが気にするところ。「チセモール」は、そうしたユーザーの欲求を「その場で試着」という形で見事に叶えてくれるでしょう。

同時に「チセモール」は、アバター衣装クリエイターにも大きな追い風をもたらすかもしれません。「BOOTH」で商品を探すよりも、ワールドを実際に練り歩きながら展示衣装を眺める方が、「偶然の出会い」は起きやすいもの。

今回のプレオープン参加者からも、「こんないい服があることを偶然知ることができたのはうれしい」という感想を耳にしました。もちろん、試着によって商品の魅力がよりダイレクトに伝わる点も大きいです。

アバターのみならず、アバター衣装とそのクリエイターにも光を当てた上で、現実のショッピングに限りなく近い「ショッピング体験」をVR内で実現する。アパレルブランドも参入しつつあるアバター業界において、「チセモール」は、今後のマイルストーンとなり得るほどの注目すべきプロモーションと言えるでしょう。

なお、「VRC合法チート研究会」は今後「ファッション部」を設立し、アバターファッションへ本格的に挑戦するとのこと。そして今後の「チセ」の売上次第で、第2弾アバターの展開もあり得るかもしれないと、会長のSOUさんや、開発長のTKSPさんは今後の展望を語ってくれました。

その上で「これからも自分たちがやりたいこと、楽しそうなことをやっていくつもり」とも語っていたのが印象的です。本格的なプロモーションを展開しつつも、根っこにあるのは「楽しいことをやる」という姿勢は、個人が大いに活躍している現在の「VRChat」業界を象徴している、と言えるでしょう。

「チセモール」は、11月12日(土)に「VRChat」にてオープン予定です。


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