360度動画を使った、より引き込まれるVRならではの映画とはどのようなものでしょうか。昨今では、VRでストーリを描く際は、映画やテレビよりも舞台演劇などが近いとして、舞台に近いアプローチの作品が増えています。
アムステルダムを本拠地とするVR制作会社 WeMakeVRは、実写と3DCGを組み合わせた10分程度の没入型映画『Ashes to Ashes』を発表しました。
おじいさんの奇妙な遺言
「Ashes to Ashes」は、死んだおじいさんが残した「遺灰を吹き飛ばしてほしい」という奇妙な遺言をめぐり、混乱する家族の物語を描いています。観客はおじいさんの”骨壺”の視点から、緊張感ただよう家族の様子を見ることになるでしょう。
VRを意識した撮影方法
本作は社内の実験として制作が始まり「VR Days Europe 2015」というイベントを経て完成に近づいていきました。
また、カットを挟まないことで観客を引き込ませる技法”ワンカット”を用いて撮影されており、没入感が重要となるVRを生かした作りとなっています。また、物語が進むごとにセットがリアルタイムで変化していき、演者や裏方が次々に現れるという演劇のような作りとなっています。
メイキング映像を交えたティザー動画
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『Ashes to Ashes』で試みられている手法は、あくまでも一例ですが、今後も様々なアプローチが模索されることは間違いなく、期待したいところです。
視聴方法
本作は360度動画視聴アプリ『Jaunt』で視聴できます。「Jaunt」は、iOS、Android、Samsungの「Gear VR」、PlayStation VR、Oculus Rift、HTC Vive、各種ブラウザ向けに無料でダウンロードできます。
本編はブラウザでも視聴できますが、アプリでの視聴が安定します
(参考)
WeMakeVR unveils new surreal 360 short Ashes to Ashes(英語)
http://www.vrfocus.com/2017/03/wemakevr-unveils-new-surreal-360-short-ashes-to-ashes/