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話題 2023.07.26

Apple Vision ProのUIを、Meta Quest Proで再現したアプリ「Vision OS Demo」を体験してみた

2023年6月に発表されたAppleの空間コンピュータ「Apple Vision Pro」は、その独特のUIがお披露目時に大きな注目を集めました。

7月現在、「Apple Vision Pro」の一般向け試遊会は国内で行われておらず、一般ユーザーが本体を体験するのは困難です。しかし先日、Meta Quest Pro上で同システムを再現したアプリ「Vision OS Demo」が登場。あくまで仮のものですが、UIの感触を試せるようになりました。

本記事では、Quest Pro向けに再現された「Apple Vision Pro」UIをレビュー。アップル期待の新デバイスの注目要素を、一足先にQuest Proで体験します。

導入には「SideQuest」が必要不可欠

Vision OS Demo」は、制作者adgray1さんがGitHubで公開しているアプリ。正規(ストア展開されている)アプリではないため、導入にはサイドローディングアプリ「SideQuest」が必要です。

「SideQuest」の導入は、アプリをダウンロードした後にQuest ProをPCと接続し、画面中央のセットアップボタンを押すだけで完了。Quest Proを“開発者モード”に切り替えないと、使えないので注意が必要です。


(QuestスマホアプリでQuest Proを選択。その設定欄から開発者モードを有効化します)

「SideQuest」とQuest Proの接続が完了した後は、GitHubから「Vision OS Demo」のAPKファイルをダウンロードします。次に「SideQuest」を開き、画面右上のAPKインストーラーを選択。「Vision OS Demo」ファイルを選んでインストールします。これでプレイ準備は完了です。


(このアイコンを選択して、ダウンロードしたAPKファイルをインストール)

「Vision OS Demo」は、アプリライブラリの「提供元不明」欄に収納されています。初回起動時には、アイトラッキングのキャリブレーションを求められる場合があるので、表示された際は実行します。

また、本アプリはMRモードで動作するため、“ガーディアン(境界線)”機能がオフだと起動しません。設定を変えている人は、アプリの起動前にガーディアンを再設定する必要があります。

“あの”アイコンたちが目の前に出現


(参考:アップルが公開した「Apple Vision Pro」のUIイメージ)

起動すると、「Apple Vision Pro」のPVなどに登場した“あの”UI画面が表示されます。「Apple Vision Pro」にはハンドコントローラーが付属しておらず、すべての操作は、アイトラッキング(視線追跡)と、手の動きを反映するハンドトラッキングで行うことになりますが、本アプリでもそれらが再現されています。

眼の前に表示されたアイコンは、アイトラッキングによって、目線で選択可能。ハンドトラッキングをつかって「手でつまむ」といった操作ができます。

現段階では、各アプリの詳細をアップルが公表していないので、アプリ自体を開くことはできません。しかし、アイトラッキングの操作感と、ハンドトラッキングの感覚を体験できます。詳細メニューも一部使えるようになっており、より細かな操作をテストできました。

驚くほど正確に目線を認識


(詳細メニュー。細かな選択やシークバーの操作などをテストできます)

筆者は正直なところ、発表当初から「Apple Vision Pro」のアイトラッキングでのUI選択について「これってホントに上手くいくの?」と疑問を抱えていました。そのような操作に、あまりにも馴染みがなかったからです。

ただ今回、Quest Proでテストして、懸念は見事に払拭されました。アイトラッキングでの認識は完璧に動作。筆者の目線だけで、思った通りのアイコンを選べます。

今回は、あくまでもQuest Pro上で再現されたアプリでの体験です。ただ、個人製作のアプリでこれほどの精度を実現できるのなら、ソフトとハードが専用に開発された「Apple Vision Pro」では、更に完成度の高いアイトラッキング操作が体験できると思われます。

現時点では「Apple Vision Pro」の国内発売日は決定していませんが、アップルは2024年後半に“多くの国”で提供を開始すると予告しています。“本物”の出来栄えがどれほどか、今から発売が待ち遠しいところです。

「Vision OS Demo」の詳細はこちら。

執筆:井文


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