フランスに拠点を構える360度映像の専門会社Videostitchは、ロサンゼルスで開催されたSIGGRAPHにて開発中のリアルタイム360度映像のストリーミング技術を展示しました。
VideoStitchは今年7月に数億円規模の資金調達を行っています。360度映像のライブストリーミングは世界中で技術開発が進められているところです。VideoStitchはCGの祭典SIGGRAPHでインターネット回線を通じ、立体視可能な3Dの360度映像のライブストリーミングを展示しました。
実際に体験したVRメディアUploadVRの編集長Will Masonは、その体験を非常に印象的だったと述べています。「NextVRなどが取り組んでいるライブストリーミングは3Dではないので立体感がありませんでした。また、これまでのデモでは頭を動かしてから映像が動くまで2,3秒の遅延がありました。今回のデモはまだ100%リアルタイムと言えないまでも、遅延はほとんど感じられませんでした」。複数台のカメラで同時に撮影を行うため、画像のつなぎあわせ(スティッチング)の技術も必要となりますが、エラーはわずかにあったものの、体験としては比較的良好だったようです。
VideoStitchでは、音声も3Dで配信することを目指しており、バイノーラルマイクの利用も技術に含める予定です。
360度撮影は画質等の向上以外にも、ライブストリーミングが可能か、映像の繋ぎあわせは自然になるか等の技術的な課題があります。VideoStitchがどこまで解決できるのか、引き続き注目です。
(参考)
UploadVR / Videostitch demonstrates live 360 3D video at SIGGRAPH
http://uploadvr.com/videostitch-demonstrates-live-360-3d-video-at-siggraph/
Road to VR / VideoStitch Brings Realtime 3D 360 Stitching and Streaming Solutions to SIGGRAPH
http://www.roadtovr.com/videostitch-brings-realtime-3d-360-stitching-and-streaming-solutions-to-siggraph/