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VR動画 2017.12.13

新しい映像体験!おすすめ・期待のVRアニメ8選

現在、さまざまなVR(ヴァーチャルリアリティ)のコンテンツ制作されていますが、その中でもゲームと同じように注目を集めているコンテンツがVRアニメーションです。VRは作られた空間を現実のように感じることができるため、まるで自分がアニメ作品の中にいるかのような体験をVRアニメでは可能にします。

今回はVRで視聴することのできるアニメの中から、おすすめのアニメ8選を紹介していきます。

目次

1.VRアニメ初のアカデミー賞ノミネート作品『Pearl』
2.第二のトイストーリーを目指す『INVASION!』
3.視聴者の視線で物語の視点が分岐する『Raising A Rukus』
4.マッチ売りの少女をモチーフにした心温まるアニメ『Allumette』
5.家族向けのVRアニメーション『Rain or Shine』
6.世界初の長編VRアニメ『Project LUX』
7.アニメのキャラクターとアニメを見る『傷物語VR』
8.ビジュアルアーツのノベルゲーム『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』VRアニメ

VRアニメ初のアカデミー賞ノミネート作品『Pearl』

2016年にGoogleによって制作されたVRアニメーション『Pearl』はVR作品として初のアカデミー賞にノミネートされた作品です。約6分の短編アニメ映画で、監督はオスカーを受賞したこともあるパトリック・オズボーンが努めています。

カメラは常に車の助手席に固定されており、そこから360度見渡すことができるのが本作の特徴。車内という限られた空間の中で父と娘の成長や関係性の変化が描かれており、外面的な変化や車の外の景色によって、経過する時間や季節を表しています。

視聴者は車の助手席から車内の様子や見たり、窓から外の景色を眺めたりすることが可能となっており、作品に対する視点に変化をつけて何度でも楽しむことのできるコンテンツとなっています。

・『Pearl』
Steam ダウンロードページ(HTC Vive,Oculus Rift向け) 

第二のトイストーリーを目指す『INVASION!』

2015年に設立されたBaobab Studiosは、VRアニメ『INVASION!』シリーズを展開しています。第一作として公開された無料の動画は4分のショートストーリーで、地球を侵略しようとする宇宙人と地球の動物の物語です。今後映画化も行われる予定です。

VRの特性を活かした作品に仕上がっており、ウサギが至近距離まで近づいて覗き込んでくるシーンでは思わずドキッとします。360度見回した空間演出と展開で、言葉を一切使うことなく物語が進んでいきます。

同スタジオは『マダガスカル』を手掛けたエリック・ダーネルやピクサーで『トイ・ストーリー3』にも携わったマウリーン・ファンが結成しました。2016年10月には全世界の有名企業から2,500万ドル(約25億円)の投資を受け、ピクサーで『トイ・ストーリー2』や『モンスターズ・インク』の技術監督を務めたラリー・カルターもCTOとして合流する予定と発表されました。

『INVASION!』の映画化を手がけるのは、1996年からウォルト・ディズニー・スタジオの代表取締役を務めたジョー・ロスとユニバーサル・ピクチャーズの共同代表ジェフリー・カーシェンバウム。ジョー・ロスは同作品を「次のトイ・スト―リー」にしたいと語っています。

・『INVASION!』
Steam ダウンロードページ(HTC Vive,Oculus Rift向け)
Oculus Store ダウンロードページ(Oculus Rift向け)
PlayStation Store ダウンロードページ(PSVR向け)

視聴者の視線で物語の視点が分岐する『Raising A Rukus』

映画『アバター』などのプロダクションデザインを担当し、映画監督も務めるロバート・ストロンバーグらが立ち上げたThe Virtual Companyは、家族向けVRアニメ『Raising A Rukus』を配信しています。

『Raising A Rukus』は双子の子供が誕生日に飼い犬のRukusと共に不思議な世界に迷い込み、冒険をするというストーリーです。視聴者が「二人の内どちらをより長く見ていたか」によって、ストーリー展開中に視点の分岐があるインタラクティブなコンテンツとなっています。アクションも多く、臨場感あふれるダイナミックな映像に緊張感や爽快感を味わうことが可能です。

本作は音声対応が英語のみとなっていますが、言葉がわからなくてもキャラクターの表情や動きでストーリーが伝わってくるので、英語が苦手な方でも楽しむことができます。

・『Raising A Rukus』
Oculus Store ダウンロードページ(Gear VR向け)

マッチ売りの少女をモチーフにした心温まるアニメ『Allumette』

童話『マッチ売りの少女』をモチーフとして制作されたVRアニメーション『Allumette』はPlaystation VR、Oculus Rift、HTC Vive向けに配信されています。

Penrose Studiosが制作するこの作品は、トレーラームービーの解説にもあるように「娘と母ふたりの愛と犠牲、そして深い絆」を描く物語です。物語はある冬の日、少女アリュメットが、持ち歩いていた箱の中に入っていたマッチに火をつけるところから始まります。すると、アリュメットの前には母と過ごした1年前の風景が広がっていき……。

本作はキャラクター達の具体的なセリフや状況描写の字幕はありませんが、視聴者は自分の視点で物語を体験することができるようになっています。20分ほどの短編ですが、VRならではの没入感で切ない物語が楽しめます。

・『Allumette』
Steam ダウンロードページ(HTC Vive,Oculus Rift向け)
Oculus Store ダウンロードページ(Oculus Rift向け)
PlayStation Store ダウンロードページ(PSVR向け)

家族向けのVRアニメーション『Rain or Shine』

グーグルのコンテンツ制作スタジオSpotlight Storiesチームは家族向け360度VRアニメ『Rain or Shine』を公開しています。フェリックス・マッシーが監督を務める同作品は5分ほどの短編で、エラという少女と不思議なサングラスの物語です。

ある日、エラが自分の元に届いたサングラスを掛けると、自分の真上に雨雲ができてしまいます。びしょ濡れになるなど不幸な状況になってしまう少女ですが、最後には意外なサングラスの活用法を見つけて……?

・『Rain or Shine』
Steam ダウンロードページ(HTC Vive,Oculus Rift向け)

世界初の長編VRアニメ『Project LUX』

ライトノベル作品『狼と香辛料』シリーズの原作者として知られる支倉凍砂が手がけるVRアニメ作品『Project LUX』が2017年3月に公開されています。対応機種はHTC Vive、Oculus Riftです。

物語は全5章で構成され、全編65分にも及ぶ長編VRアニメとなっています。プレイヤーの選択によってエンディングが変わるマルチエンド方式も本作の大きな特徴。『Project LUX』のストーリーは、エージェントがアーティストの少女ルクスを殺害した罪に問われているところから始まり、プレイヤーはエージェントの記憶を追体験して真相を探るという内容です。

なおプレイヤーの目の前で動くルクスは、彼女の声優である田中あいみさん自身がスタジオにてモーションを付けているとのことです。

・『Project LUX』
Steam ダウンロードページ(HTC Vive向け)
Oculus Store ダウンロードページ(Oculus Rift向け)

アニメのキャラクターとアニメを見る『傷物語VR』

2017年7月12日、PSVRにて『傷物語VR』が配信されました。同作品では「プロジェクションマッピング」を使用しており、VR空間内に劇場版『傷物語』の映像が映し出され、それを本作のキャラクターであるキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(以下キスショット)と一緒に見ることができます。

公式サイトにて「まるでデートをしているかのような甘酸っぱい感覚を楽しめる」と紹介される本作は、おなじみの学習塾内の空間から始まります。雨が降ると隣にいるキスショットから傘を差しだされるシーンもあり「アニメのキャラクターと一緒にアニメを見る」という少し変わった体験をすることができます。

・『傷物語VR』
PlayStation Store ダウンロードページ(PSVR向け)

ビジュアルアーツのノベルゲーム『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』VRアニメ

2017年11月17日、株式会社ビジュアルアーツはノベルゲーム『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』のVRアニメ化に向けて目標額1,000万円のクラウドファンディングを開始、募集開始からわずか40時間で資金の調達に成功しています。

『Air』や『CLANNAD』といった作品で知られるビジュアルアーツの同作品は、2016年にWEB配信および劇場公開という形でアニメ化を果たしており、今回のプロジェクトではその3話の一幕をVRアニメ化します。『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』は2004年に発売された作品で、近未来の荒廃した世界で一人の男と無垢なロボットの出会いを描いたハートフルなストーリーです。

2017年12月時点での配信は行われていませんが、今後の期待作のひとつです。

VRを利用した新しい映像体験を楽しもう!

VRを利用したアニメーションはまだ発展途上であり、映像の中に新しい試みがいくつも詰まっています。VRを利用することで作品の臨場感をより味わうことができたり、VRならではの表現を取り入れたりと、作品によってそれぞれ違った味を出しています。

既にあるコンテンツがVRアニメーションの定型になるのではなく、試行錯誤を繰り返しながらより独自性のあるコンテンツとして育っていく、今後も期待できるジャンルです。


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