徳島県の通称「うだつの町並み」と呼ばれる名勝を、フォトグラメトリ(※)を用いてVR空間に再現した3Dデジタルアーカイブワールドが、「cluster」と「VRChat」で公開されました。制作者は龍 lilea(藤原龍)さん。各プラットフォームから無料で見ることができます。
※現実の建物などをさまざまな方向から撮影して、写真データをもとに3Dモデルに変換する技術。
徳島県美馬市脇町大字脇町にある脇町南町は、江戸中期から昭和初期に建てられた伝統的建造物が並ぶ場所です。建物の一部に漆喰塗りの「うだつ」が多く見られることから「うだつの町並み」とも呼ばれており、現在は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
「うだつ」とは、江戸時代の民家に見られる、小屋根のついた袖壁のこと。本来は防火を目的とした設備ですが、設置にはかなりのお金がかかるため、富や地位などを示すための装飾にもなりました。ここから転じて、「出世ができない」「金銭的に恵まれない」という意味の慣用句「うだつが上がらない」の語源になったのだそうです。
そんな「うだつの町並み」は、一直線の町並みです。びっくりするほど長くまっすぐで、入口からは道の奥がかろうじて見えるほど。
メインストリートの左右には、歴史を感じさせる建物が数多く並びます。多くは2階建てくらいの高さ。本かわらぶきの屋根は色合いは落ち着いていますが、デザインには重厚感や威厳も感じられます。うだつも相まって、コンパクトなお城のようでもあります。
建物の外面はもちろん、内部も一部がスキャンされています。一部の建物の前には看板もあり、街の歴史の一部をたどることができるはずです。
最奥には井戸があります。この井戸の中に飛び込むと……
夜の「うだつの町並み」へ移動できます! 昼とはまた違った情緒ある光景が広がっています。
フォトグラメトリによって作られた高精細な、歴史ある町並みは、歩くだけで小旅行に来たような気分になることでしょう。うだつの並ぶ町並みを、ぜひ体験してみてください。
「うだつの町並み」のデジタルアーカイブワールドは、「cluster」と「VRChat」にて公開中です。
「cluster」版のアクセスはこちらから。
https://cluster.mu/w/4cacf5ce-afd5-41b6-be47-71c4d19ec76c
「VRChat」版のアクセスはこちらから(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_1c294e10-6869-4e51-9629-1d3de358765b&instanceId=0
徳島県「うだつの町並み」を丸ごとスキャン!
VR化してみた。重要伝統的建造物群保存地区。
「うだつが上がらない」の言葉の由来の町並み。旅行がてら撮影した360°カメラと一眼の写真から3Dモデル生成。
続きからVR起動できます!#Photogrammetry #RealityCapture pic.twitter.com/i6ykKvzP2L
— 龍 lilea / Ryo Fujiwara (@lileaLab) January 15, 2023