デロイト トーマツ グループのひとつとして知られる有限責任監査法人トーマツは、自社の「監査イノベーション」を体験できるARアプリをリリースしました。それぞれiOS向けのAR機能「ARKit」、Android向けのAR機能「ARCore」に対応しており、現実空間を認識したARが体験できます。また特設Webサイトも開設しており、ARアプリと合わせて「監査イノベーション」の各種施策について楽しみながら知ることができます。
トーマツは既存の監査の概念や手法にとらわれず、未来を見据えた新しい取り組みを早期に現場に導入する「監査イノベーション」に取り組んでいます。
今回リリースされた「トーマツAR」では、RPA(Robotic process Automation、ソフトウェアによる定型業務の自動化)やテキストマイニングなど、監査イノベーションが推進する10のプロジェクトを題材に、それぞれの概念を抽象化したゲームとして制作しました。
トーマツは今回のARアプリリリース、および公式Webサイト開設に際し、「監査イノベーションの先進性、及び、代表的なプロジェクトの概要を、ゲームを通じて知ることができます」と語っており、「スペシャルWebサイトでは、ARアプリで取り上げた監査イノベーションが推進する活動の全体像や、具体的な取り組みをわかりやすく整理し、紹介しています。情報の間口を広げ、監査における新しい取り組みへの関心をより高めるきっかけ作りを図るものです」としています。
珍しい取り組みだが効果には疑問?
トーマツ自らがプレスリリースで「監査法人初」と語っている通り、監査法人がこのようなARアプリを用いて自社の取り組みや施策を紹介するのは(ARアプリによる企業PRは多数あるものの)、筆者が知る限り珍しい取り組みです。
筆者もさっそく手持ちのデバイスで体験してみました。しかし今回が初のARアプリということもあり、その内容には少々課題もあるようです。トーマツの取組やその概念について知ることができますが、ARを利用して体験できる10個のゲームはいずれもゲームとしての面白さに欠けている印象があります(ただし、最後の「テキストマイニング」に関するゲームは楽しめました。周囲に浮かぶ大量の文字から緑色に光る文字を見つけるというもので、周囲を見回して宝探しをしているような感覚があります)。また、ゲーム内容と監査法人としての取り組みの繋げ方も不自然に感じられました。
ARアプリでの情報発信は顧客や企業関係者の興味を惹くものではありますが、各社ともにAR(ARゲーム)へ落とし込む方法をうまく考える必要がある、と言えるでしょう。今後のアップデートにも期待したいところです。
アプリ概要
アプリ名 |
トーマツAR 監査イノベーション体験アプリ |
価格 |
無料 |
リリース元 |
有限責任監査法人トーマツ |
対応デバイス |
・iPhone SE/6S以降(iOS11以降必須) |
ダウンロード |