VR/MRヘッドセット「Meta Quest」シリーズにて、PCゲームプラットフォーム「Steam」のゲームを遊べるアプリ「Steam Link」がリリースされました。
「Steam Link」では、ヘッドセットとPCが同じネットワーク上にある場合、Steamライブラリ内のゲームをMeta Quest 2、Meta Quest 3、Meta Quest Proに直接ストリーミングできます。これまでは「Quest Link(Air Link)」や「Virtual Desktop」が必要でしたが、このアプリを起動するだけでVRゲームや非VRゲームを楽しめるようになります。
Steam Linkを始めるには、まずMeta Questにアプリをダウンロード。PC上のSteamにログインしており、PCとヘッドセットが同じネットワークに接続されていることで体験できます。
アプリの配信先はこちら。
https://www.meta.com/ja-jp/experiences/5841245619310585/
必要/推奨スペックは以下の通り。
【最低要件】
・SteamおよびSteamVRを実行しているコンピューター
・サポートされているOS:Windows 10以降
・コンピューターGPU:NVIDIA(GTX970以上)
・無線ルーター:5GHzチャンネル、Wi-Fi 5
・ヘッドセット:Meta Quest 2、Meta Quest 3、またはMeta Quest Pro【推奨環境】
・コンピュータープロセッサー:インテルCore i5-4590/AMD FX 8350と同等以上
・コンピューターメモリ:16 GB RAM
・コンピューターGPU:NVIDIA(RTX2070以上)
・ネットワーク:ブロードバンドインターネット接続
・無線ルーター:Wi-Fi 6またはWi-Fi 6E
・有線ネットワーク接続を使用したコンピューター
実際に体験してみた
実際にMeta Quest 3で起動してみました。PC側でSteamを立ち上げた上で、アプリを開くと、上記のような画面が出てきます(出てこない場合、PCとQuest 3の回線が同じものになっているかを確認しましょう)。その後「ファイルの許可」、「認証コードの入力」といった手順が出てくるので、基本的には説明に出てくる通りに実行しましょう。
こういった画面が目の前に出現したら、同期成功です!
しばらくすると、バーチャルな別荘地に到着。コントローラーでフィールド内を移動できます(移動したい床をコントローラーで指定するワープ式です)。
この別荘から好きなSteamのVRゲームを選択して自由に遊べます。壁面にある「最近のアプリ」リストから、好きなものを選ぶだけでSteamのVRゲームをプレイできます。
試しに「マニー・パッキャオ 拳闘VR」を立ち上げてみましたが、問題なく遊べました。従来の「Quest Link」などの方式と比べても、特に大きな支障がないため、「SteamのVRゲームをメインに遊んでいる」方であれば、このアプリはおすすめできます。ただし、有料アプリ「Virtual Desktop」などと比べると、画質や速度面で若干劣るところもあるように感じられるので、今のところは「無料版の最適解」と言えるかもしれません。
ちなみに、Steamにインストール済みのゲームであれば、VR以外のゲームでも大型スクリーンに映し出して、そのまま遊べます(操作はPC側に接続されたコントローラーやキーボードが必要です)。大型スクリーンでゲームを遊びたいという用途でも活用できそうです。
Steamならではの遊び心も
別荘の中を見回してみると……あっ!!!!
このキューブは!!!!!
Valve Corporationの伝説的ゲーム「Portal」に出てくるキューブだ!!!! なんてことないアイテムのはずなのにプレイすると無性に愛しい存在になってしまうキューブだ!! さすが「Steam Link」だ! もちろん掴んで投げたりできます。
他にも「Steam Link」内のアバター設定を変更したり、バーチャル空間に小道具を出して遊んだりといった要素も用意されていました。マルチ設定では、オンラインのフレンドと同じ空間に入って一緒に遊べるといった機能も用意されており、今後のアップデート次第では、Steamユーザーとのメタバース上のコミュニケーションをより楽しめる可能性があります。
総じて、インストールしておいてまず損のないアプリに仕上がっている印象です。PCと同期して、より高品質なVRコンテンツを遊びたい方はインストールしてみませんか?
(参考)Metaストア