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イベント情報 2021.11.19

ソニー×カヤックのタッグが実現した「SAO」のVRイベント 関係者が舞台裏を語る

11月20日(土)〜12月7日(火)にかけて開催されるオンラインイベント「ソードアート・オンライン -エクスクロニクル- Online Edition」。過去に東京と京都で開催された展示会の「オンライン版」にとどまらない、VRならではの表現や体験型コンテンツが追加されたイベントとして注目を集めています。

Moguliveでは今回、このイベントを主催する株式会社ソニー・ミュージックソリューションズの松平恒幸氏と、開発を担当した面白法人カヤック天野清之氏にインタビューを実施。「エクスクロニクル」開催に至るまでの経緯をはじめ、実際の開発の進め方や、VRならではの空間作りの難しさ、そして本イベントの見どころまで語っていただきました。

ソニー×カヤックのタッグによる、仮想空間の開発手法

――本企画の経緯としては、ソニーさんからカヤックさんにお声がけをしたような流れになるのでしょうか。

松平恒幸(以下、松平):

実はさらにその前がありまして。そもそもアニプレックスが中心になっている「ソードアート・オンライン」の製作委員会があり、アニメのプロデューサーと一緒に「SAOだから、いつかVRで展示会をやりたいよね」という話を、リアルで展示会(※)を開催する以前からしていたんです。

もっと言うと、本当は最初の構想の時点で「VR展示会にしよう」という話がありました。ですが、イベント会場にVR機材を設置するロケーションベースVRでやろうとすると、なかなか大勢のお客さんに体験していただくのは難しい。なので、ある意味では泣く泣くリアルの展示会にしていたところもあります。それが2020年のコロナ禍の折、「いよいよこれはVRでやるときなのでは?」という話になったわけですね。

(※リアル会場で開催された「ソードアート・オンライン -エクスクロニクル-」は、原作小説の刊行10周年を記念した体現型展示イベント。2019年に東京会場で、2020年に京都会場で開催され、短期間の開催ながら50,000人以上の動員を記録した)

――そしていざオンラインイベントとしてVR空間にSAOの世界を再現するにあたって、カヤックさんに開発をお願いすることになった、と。

松平:

そうですね。クリエイティブやギミックの部分をお願いするなら「SAOはカヤックさんしかないだろう」ということで。我々もいろいろなゲームスタジオさんと組むことが多いのですが、アニプレックスの信頼も厚いカヤックさんに今回はご協力いただいています。

開発の流れとしては、我々ソニー・ミュージックソリューションズのほうで全体の方向性について考えながら、実際のクリエイティブ部分については、カヤックさんに……こう……「爆発的な何かを発揮していただく」というような感じでお願いしています(笑)。

最初の基礎設計だけはソニー側の空間設計チームが担当しているのですが、メインの開発はカヤックさんにご依頼するかたちで「この部分は《アインクラッド》です」「このエリアはこんな感じにしてください」といったざっくりしたお願いを投げると、カヤックさんがすごいものを作ってしまうという(笑)。そういう流れで取り組んでいます。

天野清之(以下、天野):

ソニーさんからはいろいろなご提案をいただきつつ、すごく距離感の近い形で話しながら開発させていただいております。まずは自由に提案させていただいたうえで、もちろん議論もしつつ、「これやってみます」「あれやってみます」といった形で取り組んでいます。

しかしものすごく早いPoC(※実証実験の意)というか、スプリントのような開発方法でやっています(笑)。「こういう形で《ラース》を作ってください」「ここは《はじまりの街》の広場です」といった形でご提案をいただいたら、技術的側面からできること・できないことを判断しつつ、自分の経験則で提案させていただくこともあります。

進め方としては「一度作らせてもらって、見てもらう」ことができるので、すごくやりやすいですね。書面上でのやり取りは少なめで、「VRで作って、体験してもらう」という方法でジャッジしてもらえる。

VR空間では音声通話もできるので、「いいですね!」「この部分はこういう形にできますか?」といった話をその場でできますし、すぐに修正してチェックしてもらえます。ソニーさんとは、そういう進め方ができる関係値もありますので。


(今回のイベント「SAO -エクスクロニクル- Online Edition」の会場のひとつ《研究施設(ラース)》。中央の球体はアニメ本編の人工知能の表現を3D化したもの)

松平:

先日は、VR空間でゲストが来るのを待っているあいだに打ち合わせをしていましたからね。

天野:

松平さんがお忙しくて連絡がとれなかったので、「ちょっと松平さんに会いに行ってくる」って言って、VRヘッドセットをかぶって入ったら、「あ、やっと会えました!」みたいな(笑)。

松平:

すみません(笑)。

天野:

そうやって会いに行って雑談をすることもできるし、実際に作るものも、途中経過の段階で見せて「どうでしょう?」と話し合えるのは良いなと感じています。

それなりに積み重ねのある業界であれば、「あの時の作品のような方向性で作ろう」「この作品に近づけてみよう」といった形で、共通のイメージをすり合わせることができます。そのうえで「今回はこういうエッセンスを足してみようか」といった議論ができるのですが、VRではまだそういった進め方は難しい。

しかし積み重ねのある業界であっても、たとえば書面上で「画像のサイズを一部大きくしますね」とお伝えしても、うまくイメージを共有できないことがあると思います。その点、VRであればまずは実装してみて、「変えてみたので見てください」とお伝えしつつ実際にVRに来て見てもらえれば、その場でイメージを共有しながら議論ができる、という。そういう関係値と速度感でできるのが、VRの空間開発の魅力だと思っています。

松平:

リアルであれば、図面を全部引いて、立面図と平面図を作って、あとは施工するだけなんですよ。ですが、VRの場合はまずプロトタイプが空間にあって、それを見ながら「こんな感じで作ってみようと思うんだけど、どう?」「ちょっと大きくないですか?」などと話しながら作っていける。それはすごく画期的だなと思います。

――「共通のイメージや慣例が少ない分野ではあるものの、VR空間に入ればその場で作ったものを見せられるから、お互いにイメージ通りのものが作りやすい」ということでしょうか。

天野:

そうですね。「これをもっとこうしたい!」と具体的に提案できるので。

松平:

それが実現できているのも結局、カヤックさんの異常なスピードと制作能力があってのことだと思います。手ずから作っていく能力が高くないとそれはできないので、やはりカヤックさんのクオリティ追求はすさまじい。

2020年の年末にもカヤックさんと一緒にSAOのイベント(※)を開催したのですが、ギリギリまで開発に取り組んでいただけて。VRChatに慣れているユーザーの方々からも、「やっぱり公式は違うな!」「公式からライセンスを受けている奴らはクオリティが違う!」という声をいただけました。それだけ好評だったのもカヤックさんあってのことだな、と思いますね。

(※ソードアート・オンライン Synthesis -The Period of Alicization Project-:2020年12月に開催されたVRイベント。VRChatの特設ワールドにて、展示企画やスペシャル番組の配信が行われた)


(会場のひとつ《はじまりの街》。イベントのポータル的なエリアであり、誰でも無料で入場できる)

天野:

おそらく松平さんがその話をされるだろうと思い、資料を持ってきました。年末のイベントではソニーさんからまず図面を6パターンいただいて、その図面通りに簡易的なモデルを用意して、スケール感を合わせて、天井を置く……ということを最初に実行しました。そのうえで「ここに何を置こうか」「実際に入る人は20人くらいだから、あまり広すぎても良くないかな」などと話し合いながら詰めていった感じです。

松平:

たしか1回、広場全体の大きさも調整しましたよね。

天野:

調整しました。最初は「すごく広くしたい」というお話だったと思います。ただVRって、その……広大な土地に何の意味も感じられないまま孤独になると、結構キツいじゃないですか(笑)。

「リアル感」や「ライブ感」と呼ばれるものって、おそらくは人が近くにいるほど感じる、熱量の浸透のようなものによって起こると思うので。「1人でぽつんといて、特に何も起きない」となるとつまらなく感じられてしまうので、「適正な量感とかありますよね」という話も最初のほうにしていました。


(会場のひとつ《地下迷宮(ダンジョン)》。他のエリアと比べると広々とした空間が広がっているが、それゆえに歩き回って探索する楽しみがある)

インスタレーション、上から行くか? 下から行くか?

松平:

実際の進め方についてもう少しお話させていただくと、たとえば「展示をもっとおもしろくしたい」「有料エリアに入れる人と無料エリアしか入れない人に、どのような差があるべきなのか」といった課題について、カヤックさんは「だったらこうしてみましょう!」という引き出しを多く持っていて。普通の会社さんだったらまず仕様書を決めることになるはずです。カヤックさんからはフィードバックもすぐにいただけるので、わかりやすいし進めやすい。そういう引き出しの多さと速度感があるからこそ、ちゃんとおもしろいものができあがるんですよね。


(会場のひとつ《鋼鉄城(アインクラッド)》。いきなり城の内部からスタートするのではなく、「滑車に乗って城へ向かう」というギミックが用意されている)

天野:

今回の《アインクラッド》も、最初の企画書をいただいたときに「盛り込みたい」と言われていた要素は、最終的に全部マージできたと思っています。

苦戦したのは……インスタレーションエリアの置き方ですね。最初から現在のイメージでご依頼をいただいていたんですけど、エリアへの「入り方」に悩みました。完成形は下から上がっていく形で、入るときに内部がチラッと見えるような形になっているのですが……。


(《アインクラッド》の展示エリア4層から見た、インスタレーションエリアの外観。暗いため画像では少しわかりづらいが、通路の先の階段を上がって入っていく形になっている)

たとえばストレートに入る形にすると、パネルを突き抜けて入っていくことになり、手を抜いた感じに見えてしまう。では、何もない空間に床だけがあって、中に入ったらアニメーションが発生するような形ならどうかと言うと、入る前の期待値が低くなってしまう。外から見たときに何かしらの情報がないと、「入ったら何が起こるんだろう?」とは思えないんですよね。

そこで期待値を高めるために、まずはインスタレーションエリアのある4階に上がった時点で、フロア全体が暗くなるようにしました。そのような変化を見せたほうが、ユーザーに「あ、この階はちょっと違うぞ」と感じてもらえるかなと思いまして。


(4層の外縁部。明るく照らされていた他の層とは異なり薄暗い。しかし同時に、展示物がほのかに発光した状態で浮かび上がって見えるため、幻想的な雰囲気もある)

また空間に入る際にパネルを突き抜けてしまうのは、現実ではありえない挙動です。「現実ではできないことをバーチャルで行う」のはバーチャルの本懐であるとも思いますが、「実装をサボっている」のと「現実ではできないような見せ方をする」のとでは、また意味が違ってくる。それなら、「下から入ったほうがいい」と思ったんですよね。

そのうえで、空間をのぞいたときに中でアニメーションが動いているのが見えたら「なんだろう?」と思いながら入っていけるので、そういう構造にしようと決めました。ほかにも「穴が開いていて、入ったら蓋が閉まる」という上から入る案も実はあったのですが、蓋が閉まって演出が始まる形だと、出るときの登り方も用意してわかりやすく示す必要があったりだとか。そんな感じで、上から行くか、下から行くか……時間をかけて考えていました(笑)。


(インスタレーションエリアの内部。作品の美術ボードやキャラクターの設定資料が、内部空間の周囲を回転するように流れている。)

松平:

“インスタレーション、上から行くか、下から行くか。”

天野:

そうそう(笑)。

松平:

バーチャル空間では、場合によってはユーザーの行動をリアル以上に綿密に設計する必要がありそうですよね。展示エリアの「お客さんの視線に応じて展示物を大きく表示する」というギミックもそうですし、「ここまで行ったらドアが開く」「近づいたら映像が流れ始める」といったギミックもそうです。そのような「本当の意味でのインタラクションができる空間」というのが、新しいVRの位置づけなのかなと思いました。

リアルであればセンサーをあちらこちらに設置して、近づいたらモニターが表示される……というシステムを作っていかないといけないため、物理的にも保守が大変ですが。VRはそれをソフトウェア的で管理できますね。

天野:

僕も個人やチームでリアルの展示会のインスタレーションを企画・制作することがあるので、「予算や工数を考慮すると、普通リアルでは無理」といったケースは肌感でわかります。たとえば、音をシチュエーションごとに変えようとすると、リアルではかなり難しいですよね……。

松平:

あれはVRだからできることであって、リアルでやろうとすると本当に大変です。我々もよく展示会を開催するのですが、特殊なシステムを使って、天井にBluetoothのポイントをたくさん作って制御する……という。何千万円もするスピーカーシステムを使えば「ここで位相が切れる」とかはできるのですが、莫大な費用と装置が必要になるので(笑)。

天野:

ソニーさんの持っている逆位相の音響システムを使わないと、リアルでは音が混ざって聞こえてしまうんですよね。「このエリアから出たら、この音は聞こえない」っていうのは、まずできないので……ソニーさんはできるんですけど、それを実際にやると……。

松平:

できる、はできます。が…、コストがかわいくない(笑)。

天野:

でもVRなら「このシチュエーションにはこの音」といったことが比較的簡単にできますし、実装コストが安いわりには高い効果が得られます。

松平:

音声ガイドもそうですね。現実の美術館の場合、耳にイヤホンを入れて、ガイド機に展示物の番号を入力して……といった操作が必要ですが、今回のイベントでは展示の近くに行くと、ユイちゃんが横から飛んできて話してくれる。これはやはりVR空間ならではですよね。


(SAO本編でもおなじみのキャラクター、ユイ。今回のイベントでは音声ガイドとしてユーザーについてきて、各エリアの展示物について説明してくれる)

武器を“盗んで”、《スカルリーパー》と戦う

天野:

武器を持っていける……「盗める」というのも、最初にいろいろ話させていただいたときに出たアイデアでした。

今回は有料エリアと無料エリアがありますが、「《スカルリーパー》とは誰でも戦える(チケットを買わなくても体験できる)」という前提に対して、「課金者と無課金者にどのような優劣をつけるか」という問題がありました。「どのような優位性をつけるか」はユーザーがおもしろいと思うか思わないかの直接的な要因になるため、慎重に考える必要があります。

そこで思いついたのが、「有料エリアに展示されている武器を“盗んで”、《スカルリーパー》と戦えることにしてみたらどうだろう」というものでした。


(《ボス攻略戦》エリアには武器庫があり、5種類の武器の中から好きな装備を選択してボスと戦える……のだが、実はここにある武器だけでなく、「有料エリアの武器も持ってきて使える」のだそう)

松平:

これは新概念ですよ……! 最初はみんな「どういうこと……?」「えっ、盗める……?」などと首を傾げていましたが(笑)。

天野:

「展示物を持てる」というのは、VRの展示方法としては珍しくないと思います。ただ、持ったときの実感が薄いんですよね。リアルの物体であれば重量感やディテールを高精細に感じられますが、VRの場合は視覚以外の情報がありません。なので「体感」で補完する必要が出てきます。

ですが、「パーティクルが出てくればおもしろいか」と言われると、多分あまりおもしろくない。ではVRで何ができるかを考えたときに、今回は《スカルリーパー》という格好の的があったので、「こいつに使えたら楽しい!」という発想に結びつきました。


(《ボス攻略戦》エリアで対峙するボスモンスター《ザ・スカルリーパー》。SAO本編では75層に登場した強敵と、今回のイベントでは最大20人でパーティーを組んで戦える)

松平:

「パーティクルやエフェクトだけだとつまらない」というお話がありましたが……カヤックのみなさん、VRで生き生きと銃を撃ちまくっていましたからね! この前も戸松遥さんが盗んだ武器を楽しそうに振り回していましたし……ヘカートを持ってぶっ放すの、超楽しいですよね……。仮想空間でみんな、「ドーン! ドーン! ドーン!」って(笑)。

天野:

そうですね! 連射の秒数は均一なのですが、ダメージ判定の値と、撃ったあとに次の弾を撃てるまでのタームを、ヘカートと他の銃とで微調整しています。すると武器に個体差が出て、そこにもおもしろさが出てくるかなと。そういう細かいところにもお答えしながら作っている感じですね。

VRが好きな人にこそ味わってほしい、最先端にして最高の体験

松平:

今回はVRChat上でのイベントではなくて、独自のアプリケーションをお客さんにダウンロードしていただく形式になっています。なぜかと言うと「ゼロからソニーが作っちゃったから」というのが一番大きな理由。もうひとつは、チケット関係の制御をするにあたって、既存のプラットフォームでは適したものがなかったからです。

なので、お手数をおかけしますが……絶対に楽しいので、ダウンロードしてください! 回線帯域を消費してでもダウンロードしていただく価値が詰まったアプリケーションなので、ぜひ体験していただきたいと、声を大にしてお伝えしたく思います。

――先行体験で特に4面映像に泣かされた1人のファンとしても、ぜひとも大勢のSAOファンに体験してほしいと強く感じております。ちなみに、VRユーザーに見どころとしておすすめするスポットはどちらでしょうか?

松平:

やはり4面映像は異様にクオリティが良くて……! リアル会場のときから奇跡的な天才たちが集って全力で作ってくれたので、4面映像は最大の財産のひとつですね。スカルリーパー戦も、もちろんおすすめです。

それから「展示そのものの楽しみ方」ですね。VR空間で展示を見る方法と、その周辺ギミックも含めて楽しんでいただきたい。「あなたのOculus Linkを生かせるときが、ついに来た!」と言いたいです。


(松平氏曰く、展示会の「メインディッシュ」である4面映像。映像自体はリアル会場で流れたものと同じだが、VRならではの「空間」を使った表現が数多く追加されている。詳しくは先行体験会のレポート記事へ)


(《アインクラッド》内部の展示エリア。VRの展示会ならではのギミックが実装されている)

VRコンテンツとしても新機軸の要素が大量に入っているので、ぜひその最先端の体験を味わっていただきたいと考えております。「これでもか!」というくらいの量のネタが詰め込まれており、それこそ「スーパーマリオ」の隠しブロックのようなものもありますので、期間中はずっと楽しんでいただけます。

まだまだ普及の途上にあるこの市場で今、VRにふれているのは、新しい体験をハングリーに求めている方々だと思います。そんな方々にこそ、この最高の体験をしていただきたい。
VRが好きな人たちが絶対に好きであろう「ソードアート・オンライン」というすばらしいモチーフを今回こうしてお届けできることを、大変喜ばしく思っております。

もちろん「ソードアート・オンライン」自体はVRユーザー以外の方々の間でも人気ですし、先日のアリシゼーション編も多くの方に見ていただいております。なので、SAOファンの方々にも広く楽しんでいただくために、今回はスマートフォン・PC会場も作りました。


(ウェブ版の《はじまりの街》。スマホ・PC版は専用アプリをインストールする必要がなく、ウェブブラウザから直接アクセスしてバーチャル空間を歩き回ることができる)

スマホとPCから参加できるウェブ版は、VRと比べるとどうしても体験価値としては格段に落ちてしまうんですけれども……。それでも展示内容の重厚さは変わりませんし「コメント機能を使って、展示物の感想をシェアする」という楽しみもあります。

このコメント機能は、ARの使い方に近いところがあります。たとえば、ランドマークやラーメン屋さんがあるリアルの空間に直接コメントを残しておくと、通りがかった人がそのコメントを読んで、「そうか、このうどん屋、おいしいのか」とわかる、というような。ウェブ版には、そのような「AR的に展示物にコメントを残せる」という楽しみ方があります。


(ウェブ版に実装されているコメント機能。コメントはリアルタイムで反映されるため、ユーザー同士でちょっとしたやり取りが生まれる可能性も?)

4面映像も、もちろんウェブ版でもフルで楽しんでいただけます。スマホ版は2分割して表示できるので、もしスマホを差し込むタイプの二眼ゴーグルが手元にあれば、それを使って体験可能です。3D感が出てVRに近い体験ができるので、きっとファンの方々にもご満足いただけるだろう、と。

また、今回チケットは6日間ごとにA・B・Cの3期間に分けて販売しています。スカルリーパーと毎日戦っていただいても良いですし、4面映像を1日1回見ていただいてもOKです。映像番組の配信もありますので、6日間ずっと楽しんでいただけるはずですね。とにかくコンテンツ量が多いので、一種のお祭りとして楽しんでいただければと思います。

やはり有料チケットがあるのとないのとでは、できることが雲泥の差なので。VR版もウェブ版もチケットには非常に価値があるとお伝えしたいです。

――ありがとうございます。開催日を楽しみにしております。

『ソードアート・オンライン -エクスクロニクル- Online Edition』開催概要

・開催期間:2021/11/20(土)~2021/12/7(火)
・開催場所:オンライン
・チケット代/スマートフォン・PC会場:1,800円(税込)~
・チケット代/VR会場:2,300円(税込)~

主催:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ
協賛:ソニーグループ株式会社
協力:SAO-P Project

公式HP:https://2021.sao-ex-chronicle.com
公式Twitter:@SAO_EXCHRONICLE
公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC78x9xUNPs6xQQ7ZmZzY4eg

※有料展示エリアでのキャプチャ画像の転載は禁止されています。記事中の写真や画像は主催者の許可を得て取得しています。

(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

執筆:けいろー


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