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開発 2023.08.07

ピクサーやAdobe、Appleらが3Dシーン規格「OpenUSD」策定へ

リナックス財団は8月1日(現地時間)、グループ傘下の非営利団体JDF(Joint Development Foundation)の協力のもと、関係各社が3Dシーンの技術規格「OpenUSD」の仕様書を共同作成すると発表しました。現仕様を開発したピクサーのほか、Adobe、Apple、Autodesk、NVIDIAが参加を表明しています。


(出所:リナックス財団)

リナックス財団によれば、新団体はOpenUSD連盟(Alliance for OpenUSD: AOUSD)と名づけられ、3Dシーンの技術仕様「OpenUSD」の相互運用性を高める取り組みを行います。JDFが独立した立場で法人・法務インフラを提供し、国際標準化機構(ISO)における規格制定を目指したフォーラムが運営されます。

3Dシーンの改修コストを下げる

OpenUSD(Open Universal Scene Description)は、ピクサー・アニメーション・スタジオが開発したファイルフォーマット「USD(Universal Scene Description)」の拡張規格です。USDを使えば、3Dシーンを作成するとき、それぞれのオブジェクトを独立したレイヤーとして、他のレイヤーに影響を与えることなく(=非破壊的に)編集できます。

これにより、USDを利用したワークフローでは、複数のアーティストが共通のアセットやシーンで同時に作業できるようになるほか、個別のレイヤーに与えた影響を競合させたり、すべてのレイヤーを都度修正せずとも、効率的に管理することが可能です。


(出所:NVIDIA)

開発ツール横断を目指した仕様検討を開始

AOUSDの公式サイトでは、提案骨子が投稿され、プルリクエストやフィードバックが募集されています。同団体はOpenUSDがツールやサービス、プラットフォームを横断して使えることを目指しており、他の標準化団体にも取り入れられるような仕様書を作成するとしています。対象となる開発ツールは、Maya、Houdini、Autodesk 3ds Max、Adobe Substance 3D Designerなどが想定されています。


(出所:AOUSD。リーダーが提案骨子を公開中)

国際標準化に向けた組織拡大、他団体との連携も

AOUSDには、創設メンバーである上記5社に加え、Epic Games、Unity、IKEA、HEXAGON、FOUNDRY、CESIUM、SideFX等が一般会員として加盟しています。また、ピクサーのCTOスティーブ・メイが設立発起人を務め、初回議長に就任しました。

OpenUSD連盟の運営委員会メンバーは、Academy Software Foundationの「Open Source Days」(8月6日)と、SIGGRAPH 2023の「Autodesk Vision Series」(8月8日)で講演予定としています。

(参考)Linux FoundationAOUSD


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