Oculus社は、以前公開したVRでの移動に関する8つのアイデアに続き、8つの新しい移動方法をSDK(開発者向けキット)に追加しました。今回追加された移動方法はOculusの公式開発者ブログにも記事として掲載されています。
VRによる不快感を軽減?
VRアプリケーションにとって、一般的なゲームの動きや移動方法を取り入れると、プレイヤーが不快に感じることがあります。
そこで、Oculus社ではVRで特に不快に感じやすい加速や回転からの不快感を軽減または排除するような方法を模索しています。
今回は発表されたのは次の8つの移動方法です。
・Artificial Tilt
・Counter Optic Flow
・Unreal World Beyond Static Cockpit
・Process Reducing Relevance of Mismatch
・Ski-pole World Manipulation
・Portals into a Static World
・Window into the Moving World
・Emerging Static in the Periphery
Artificial Tilt
脳に実際の加速が行われているかのように認識させるため、重力成分を運動の加速成分に合わせる方式です。
Counter Optic Flow
ユーザーの移動に伴って反対方向にVR世界を動かす方式です。ユーザーがどの世界を操作しているか分からなくなることによる混乱を避けるために別の色がついています。
Unreal World Beyond Static Cockpit
人間の脳では手前にあるものが静的であると静的なVR世界だと信じる傾向があります。それを利用し、動的なVR世界に歪みを作ることで、現実に近い感覚を表現する方法です。
Process Reducing Relevance of Mismatch
ユーザーの移動と視覚の間のリンクを減少させるコンセプトとなっています。動いた感覚と視覚移動のミスマッチの影響を減らすことで、快適な操作を目標としています。
Ski-pole World Manipulation
この方式はスキーのようにポールをつかみ移動するような方式です。この方式は『Climb』や『Lone Echo』といったゲームで実際に使用されています。
Portals into a Static World
アプリケーション内部で静的な背景をポータルと呼ばれる穴を介してみることができるようになっているコンセプトです。このコンセプトは説明よりも実際に体験してみることをOculus開発者ブログは推奨しています。
Window into the Moving World
この方式では、ユーザーが実際に動いていないということを視覚的に確認することをテーマにしています。テレビの用なモニター形式にすることで、慣れ親しんだ経験を活用しようとしています。
Emerging Static in the Periphery
ユーザーに、ユーザーの動き以外、動きがない静的なVR空間を提供するものです。視覚と感覚の不一致が生む歩行中の不快感の減少を目指します。
これらの詳細に関してはOculus社が開発者向けにそれぞれのアプリケーションを体験するためのサンプルソースコードをOculus開発者ブログにて提供しています。
Oculus社は開発者たちに実験的な移動方法を模索することを勧めており、VRの影響や楽しさを現象させずに、不快感を軽減する移動テクニックを今後も探索していきたいとのことです。
(参考)
Oculus開発者ブログ Research into Comfortable Locomotion (英語)
https://developer.oculus.com/blog/research-into-comfortable-locomotion/
Oculus Adds 8 New Experimental Locomotion Methods to SDK/ROADTOVR(英語)
https://www.roadtovr.com/oculus-adds-8-new-experimental-locomotion-methods-sdk/