ポケモンGOの開発などで知られるARスタートアップのナイアンティックが新たにARスタートアップの8th Wallと合併しました。8th Wallは、アプリが不要でブラウザで高品質なAR体験ができるプラットフォームを提供しています。
ナイアンティックはARゲーム「ポケモンGO」の開発・運営を行なっていますが、リアルワールド・メタバースというビジョンを掲げ、地球規模のAR体験を現実世界で実現するためのプラットフォーム「Lightship」を提供しています。2021年11月の資金調達では3億ドルの資金調達を行い、評価額は90億ドルを超えています。
8th Wallは、2016年にシリコンバレーの中心であるパロアルトで創業。アプリをインストールすることなくブラウザでシームレスにAR体験を提供できるWebARに注力してきた企業です。会社名と同名のプラットフォーム「8th Wall」は、ブラウザ上でARコンテンツを作ることができるツール。AppleやGoogleなどに依存せず、独立したAR技術を有しています。
これまでもペプシやナイキ、ポルシェなど多くの世界的なブランドのプロモーションやキャンペーンに使用されてきました。(8th Wallの過去の事例)
今回の合併を受けて、8th Wallのチームはナイアンティックで引き続きWebでAR体験を提供することに注力するとのこと。現在、LightshipプラットフォームはWebARに対応していませんが、今後スマートフォンやタブレットを使ったWebARにも対応するようです。
WebARは、AR体験への敷居を下げる提供方法として多く利用されてきており、国内外様々なプラットフォームが登場しています。その中でも8th Wallは最大手といっても過言ではない業界でも定番のプラットフォームでした。ナイアンティックは2020年にARクラウドで最有力だったスタートアップ6d.aiを買収しており、今回WebARの雄である8th Wallを吸収しました。ARプラットフォームの確立に向けてその勢いが加速しています。
(参考)ナイアンティック公式、8th Wall公式