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VRChat 2024.01.15

今、注目すべきメタバースで活躍する音楽アーティスト16組まとめ【2024年1月】

ここ数年、VRアーティストの活動はめざましく、バーチャル空間を飛び出してリアルイベントに出演するといった事例も相次いでいる。日本だけではなく、国境を越えて活躍するVRアーティストも見られた。そんな中、今年注目したいVRアーティストを一挙紹介する。

PHAZE

ボーカルのViviさん、キーボードのShellさん、ベースのDizさんの3人から結成されているロックバンドユニット。エレクトロスウィングを中心にアップテンポなオリジナル曲を数多く発表している。4月にリリースされた「未来遺書」は、パワフルなバンドサウンドにはもちろんのこと、ドラマ仕立てのMVにも注目してほしい。

今年、特に話題となったのは、9月24日に開催された初のリアルライブ「VARTISTs」だ。普段VRChatで活躍しているアーティストたちが、現実の下北沢の集合したことが大きく話題となり、結果として会場の下北沢ERAは満員となっていた。ボーカルのViviはドイツ在住だが、今回のイベントのために来日。メンバー3名が揃ってのリアルライブに感動した参加者も少なくないだろう。

また、キーボードのShellは、クリエイターチーム「V/R Converters」にも参加しており、8月2日に横浜MMブロンテにて開催された音楽イベント「The Invading Points」にも出演。ベースのDizは11月末にボーカルのMeiと音楽ユニット「Sifneos.」を結成。各メンバーが、さまざまな場所で音楽の才能を発揮している点も、このバンドの大きな特徴と言えそうだ。

StrollZ

サックスのざっくさんとキーボードのしあのさんの2人をメインにインスト楽曲を公開しているフュージョンユニットStrollZ。昨年結成されたユニットながら、先述の「VARTISTs」に出演。その際はドラムにジャンク(PHANTOM)、ベースにMoiri(Johnny Henry)を迎えた4人編成となっていた。

StrollZの魅力のひとつと言えるのが、この固定でないサポートメンバーのバリエーションの多さだろう。例えば、「大分まちなかメタバースイベント」に出演した際はキーボード:かすみんさん、ベース:野中海さん、ドラム:からし明太子さんが参加。ファンタズムRockFesでは、からし明太子とともにベース:あいづたかさんが参加している。他にもKu_Ambientflowの「星 Asobient Compilation」にメイン2人が参加するといったこともあり、その時々のアーティストとのコラボによって、特別な演奏が生み出されている。

2024年1月に行われた横浜でのリアルライブも大盛況となっており、リアル/バーチャルを問わず活躍の幅を広げている。

Johnny Henry

JOHNNY HENRYはボーカル/ハーモニカのYAMADAさん、ギターの藍葉じるあさん、ベースのMoiriさん、ドラムのYuki Hataさんの4人からなるバーチャルブルースロックバンド。2019年12月から活動しており、VRChat発のバンドとしては古参の部類に入るだろう。

(現実で生演奏を披露する)ライブの出演の経験も多く、「VARTISTs」に出演したほか、貝と蜃気楼主催「時計仕掛けの天体」でもリアルライブを行い、2024年1月には結成4周年記念ライブも開催予定となっている。他にも、ひぐちこーき氏主催「サイベリアル音楽祭Vol.1」や「Vket Real in AKIBA」「VRave」、ニッポン放送ミューコミVR主催「スマートシティフェスタ」「Osaka VTuber Circuit Fes」等に出演。着々と実績を積み上げ続けている。

VRChatでのライブでは、横須賀市公式ワールド「メタバースヨコスカ」で開催された音楽イベント「メタスカ」をはじめとして、「POKO ROCK’23」、「LAUTRIV Fes」、「ファンタズムRock Fes」等が行われた。さらに、RKB毎日放送(福岡)「エンタテ!区」やテレビ朝日(関東地区)「金曜日のメタバース」などのTV出演もあって、様々な場所やメディアで自分たちの音楽を伝えている。

各メンバーのクリエイティブな個人活動も目立ち、多方面に活躍を続けるJOHNNY HENRYは変わらず追いかける必要があるだろう。

CROWK

CROWKWisKさんとCROTCHETさんの2人によるVR Hip-hopユニット。活動は3周年目で、2023年6月には3rd Album「THE BLACK TRAIN」が発表されている。歌詞の端々に、VRネタが散りばめられている曲もあり、思わずニヤリとしてしまうことも。歌詞を目で追いながら、じっくりと聴いてみてほしい。

秋葉原エンタスの「エンタス5周年」や、Vket Real in AKIBA「VRave」等に出演。VRライブでは、先述の「メタスカ」など多くのイベントに出演していた。10月に開催された蕎麦屋タナベ氏主催の「ぽかぽかファンタズム」では砂漠エリアの会場BGMにAMOKAAipoとのコラボ曲「砂砂楼閣」を提供。多くのVRChatユーザーの心を掴んだことだろう。

PHANTOM

PHANTOMは爽快感あるロックサウンドが特徴のVRロックバンド。楽曲制作や動画投稿は2021年より行っているが、徐々にライブサポートのメンバーを増やし、現在はギターボーカルのふぁんさんを中心にベースのtimtamさん、ドラムのジャンクさん、の3人がメインとなってのライブ活動を行っている。(ギターのbutchersさんは1月28日のAWAKEでのPHANTOMワンマンライブをもって卒業)

PHANTOMは2023年12月に富士ソフト秋葉原ビルで行われたMiLive “Tokyo”に出演し、PHANTOM初のリアルイベント出演となっていた。また、その同日に原宿のBEAMSで行われた Real Vketコラボイベントの「X Live」では広瀬香美のバックバンドとリーチャ隊長によって「ブラックヘアー」がカバー演奏された。今年はより一層の活躍が期待される。

Alternoise

Alternoiseは2023年2月に結成されたバーチャル3ピースバンド。ギターボーカルののいざんさん、ベースのうららさん、ドラムのふたまるさんによるオルタナティブロックが特徴となっている。

2023年7月「Vket Real in AKIBA×秋Hub」コラボイベントに出演したのを皮切りに、12月にはPHANTOMと同じく「MiLive “Tokyo」”へも出演。現在勢いづいているバンドのひとつである。ライブで披露されるオリジナル曲も多数あり、新人バンドながら聴きごたえは抜群。また、演奏時にはフルトラッキング(※全身の動きをVR上で同期する技術)によって観客を惹きつけるパフォーマンスを披露するのも注目ポイントだ。

LAUTRIV

LAUTRIVは2022年3月に結成され、2023年夏頃からはライブイベントへ出演も行っている4人組のバーチャルロックバンドだ。力強いボーカルのCocoさん、ギターの緋弦かづささん、ベース/スクリームのなべあきさん、ドラムの頬白ギンコさんら演奏メンバーそれぞれの個性も光るバンドとなっている。

L2回目のライブにしてVket Real in AKIBA「VRave」でリアルイベント出演を果たし、VRChatでも「ファンタズムRock Fes」等のライブをこなすなど、活躍の機会が増えてきている。2023年12月には全くファン層の異なるVTuberイベント「バチャカル2023」でも、多くのファンを虜にしており、今後も新風を巻き起こすような活動を期待したいところだ。

YSS

YSSは2020年12月から活動しているVR音楽ユニットで、コンポーザーのyopiさんとボーカルのSorteさんの2人で活動している。さまざまな音楽ジャンルをかけ合わせた独特の楽曲が特徴で、熱狂的なファンも少なくない。VRChat発のアーティストとしては、おそらく最多のリアルイベント出演回数を誇りつつも、毎週水曜日には欠かさず、VRChatから「YSS Haco Live」を配信しており、VR・リアル問わず多くのイベントに出演している。

2023年に出演した代表的なイベントとしては「Vの宴2023」やVRアイドル「えのぐ」プロデュースの「VRide Vol.1」等があり、VRChatでも「SANRIO Virtual Festival 2023」、「MusicVket5 × Spot Light Talks(#VRSLT)」等があった。2023年7月には、3rdアルバム「Nebulosa」を発表。どのアーティストも追いつけないような勢いで精力的な活動を行っている。

Mecori & tom_atom

Mecori & tom_atomは2023年3月にボーカルのMecoriさんとコンポーザーのTom_atomさんによって結成されたVRエレクトロミュージックデュオ。ジャンルはシンセウェーブやシティポップに近く、最近流行りの少しレトロ感のあるサウンドとなっている。

VRChatでは今年CAPSULEがライブワールドを制作し、Mecori & tom_atomと音楽的に似ている要素もあったことなどから一躍注目を集めた。「Vket Real in AKIBA×秋Hub」コラボイベントの他、東京タワーで中継されたclusterの「光線中毒」に出演。memexの「Hydrangea blooming in Xanadu」でオープニングアクトを務めたりと、比較的新しいユニットながら、イベント出演の多いアーティストとなっており、今後の活動にも期待がかかる。

midokan

midokanさんは、ギターの弾き語りを行っているシンガーソングライター。「ポピー横丁」や「Japan Street」といったVRChatワールドの路上弾き語りがメインではあるが、オリジナル楽曲の制作も行っており、VRChatでの日常を描いたような楽曲が人気を得ている。

2023年9月には「大分まちなかメタバースイベント」に出演し、夕方から大分駅前のステージを賑わせていた。VRChatでは、他のVRCアーティストの楽曲の弾き語りカバーも人気で、賑やかで盛り上がるMCも特徴のひとつ。多くのVRユーザーから好評を得ている。

魔法少女シュネー

魔法少女シュネーさんは大人の魔法少女としてVRChatやcluster、SHOWROOMで活動している個人Vsinger。2023年の活動ではVRChatで活動されているアンビエントピアニストのKu Ambientflowさんとのコラボ楽曲『Stella (“星” Planetarium Ver.)』が、さいたま市青少年宇宙科学館プラネタリウムの5月度BGMやVR宇宙博物館コスモリア内プラネタリウムのBGMとして採用され、VR世界の内外問わず彼女の歌声を聞くことができた。

2023年8月より頒布された1st mini Album「明日への魔法」の表題曲は、VR音楽イベント”Spot Light Talks”のスタッフSUSABIさんが作曲し、VRハロウィン音楽家Yamamiiさんも編曲で参加している。VRで活躍する音楽家とのコラボも活発となっている。

Inferno Liverta

Inferno Libertaは2023年9月にVRChatで結成された、4人組VRハードコアバンド。メンバーはボーカルの身代亜土夢さん、ギターの福井柚華さん、ベースのしろ・こなーさん、ドラムのtomo3ちゃんさん。

11月の初ライブでは披露された5曲のうちオリジナル曲が4曲もあり、新人バンドながら勢いを感じるライブとなっていた。また、12月の2回目のライブではVRハードコアバンドのBlood Orangeと対バンを行い、観客をハードコア一色に染め上げていた。

なお、2023年9月以降に結成したり、初ライブを披露したりしたバンドは、Inferno Libertaの他にもBLUE RACCOONKAGARIHISplit The Medullaなどがあり、天降-AMAORI-の再始動も含めて多くのバンドが活動的となってきている。

2024年も多くのイベントやライブが予定されており、2023年にもまして更なるVRアーティストの活躍が期待される。


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