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業界動向 2023.08.16

3DディスプレイのLeiaが同業Dimencoを買収、販路拡大狙う

米国の3DディスプレイメーカーLeiaが、オランダの同業会社Dimencoを買収しました。DimencoのCEOがLeiaのCOO(最高商務責任者)に就任するほか、新たに取締役会議長が選任されるなど、経営陣の充実を図ります。


(出所:Leia)

ライバル2社が経営統合

買収元のLeiaは、2020年からタブレット端末「Lume Pad」シリーズを開発・製造するほか、3Dデザイナー向けSDKも提供しています。最新機種の「Lume Pad 2」は「CES 2023 Innovation Awards」で最優秀賞に当たる「Honoree」に選ばれました。3Dビデオチャット、3D映画・ゲーム体験、3D写真・動画の撮影のほか、生成AIを応用した2D/3D変換も行えます。

買収先のDimencoは「Simulated Reality: SR」をキーワードに、2010年頃から裸眼3Dディスプレイを研究・開発していました。同社は8K解像度の3Dライトフィールドディスプレイを開発するほか、ハンドトラッキングや空間音響、2D/3D変換など複数の技術を保有しています。これまでにも、ASUSやAcerの受託製造(OEM)を担っていました。


(Dimencoは裸眼3DディスプレイのOEMを手がけていた。出所:Dimenco)

販路拡大と技術提携に期待か

今回の買収を経て、DimencoのCEO、Maarten Tobias氏がLeiaのCCOに着任しており、Leiaは欧州市場におけるコンシューマ向けデバイスの販路拡大を目指すと見られます。両社はプレスリリースで「産業標準」にも言及しており、開発者ツールの技術標準化や、他企業との提携強化も予想されます。

新たにCCOとなったTobias氏は、「Leiaファミリーの一員となることにワクワクしています。ウェアラブル端末を必要とせず、誰でも、どこでも、どんなデバイスでもアクセスできる没入体験を提供するという、私たちの約束は完璧に実現されるでしょう」とコメントしました。

Leiaは2023年3月に、中国のデバイスメーカーZTEとも提携し、同国内で裸眼3Dディスプレイ搭載タブレット「nubia Pad 3」を共同発売していました。また、4月にはIPO経験のあるCFOが着任したほか、今回の買収を受けて取締役会議長が新たに選任されるなど、経営陣の充実も図っています。

(参考)LeiaDimencoAllied Analytics


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