Home » 3D撮影を1台のカメラで。JDIが新技術開発


テック 2022.11.08

3D撮影を1台のカメラで。JDIが新技術開発

株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)は、1台のカメラで色情報を含む通常の映像データと距離や位置情報を含むデプスマップの両方を取得できる3D撮影技術を開発・発表しました。2024年には、3Dセンサー市場への参入をめざします。

JDIの液晶パネル技術を活用

今回の3D撮影技術は、JDIの液晶パネル技術と、日立製作所研究開発グループの光学と画像処理の融合技術を組み合わせて開発されたもの。

一般的なカメラレンズユニットとイメージセンサーに、JDIが開発した特殊なパターンを表示する液晶パネルを組み合わせ、撮影した映像から光学的物理量を抽出して演算。カメラ1台で人や建物等の位置情報を立体的に取得し、デプスマップ(3D空間の奥行きを色情報等により距離として表現したもの)を生成できます。また、液晶パネル部分の表示モードを制御すれば、通常の映像撮影も可能です。

ステレオカメラやToFの課題を解決

近年、自動運転やメタバースなど急速な市場の拡大が期待される分野において、人や建物等の形状や位置に加えて、色や模様等を正確に把握し、情報・データとして取り込むことが求められています。

こうした要求に対応する技術として、ステレオカメラやToFセンサーが知られていますが、距離や位置、色情報の取得には、複数のセンサーやカメラが必要になるなど、構造が複雑・大型化し、搭載する製品の大きさや取付け位置などの制約が大きくなっていたとのこと。

ステレオカメラはカメラ/センサーが2つ必要、ToFは通常の映像と色情報の取得ができないという課題に対し、JDIの撮影技術は、1台のカメラでデプスマップと色情報を含む通常の映像データを取得できます。使用領域は、FA/AGV(無人搬送車)やVR/AR、ドローン、監視カメラ、自動車、スマートフォンなどを想定しています。

JDIは、同撮影技術によるカメラの小型化や性能向上等の開発を進め、より多くの製品・分野への搭載を容易にすることで、リアルとバーチャルの融合による安心・安全・豊かな社会の実現をめざす、としています。

(参考)株式会社ジャパンディスプレイ


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード