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AR/MR 2019.07.19

FaceAppの“老化させるARフィルター”が大流行

ARを活用した表情加工アプリ「FaceApp」に、写真に写った人物を自然に老化させる「老人フィルター(OLD Filter)」が追加されました。このフィルターは海外で大きな反響を呼んでおり、セレブや映画俳優など多くの人々が写真をアップロードしています。

爆発的人気の一方で、「FaceApp」についてはいくらかの懸念が示されています――主に、セキュリティとプライバシー上の。

ハリウッドセレブ内でも流行

「FaceApp」には話題となった「老人フィルター」以外にも、被写体を笑顔にしたり、あるいは若返らせたりするフィルター機能を搭載。2017年にリリースされて以来、自撮り(セルフィ―)をより楽しむためのアプリとして高い人気を誇っています。


(「FaceApp」のフィルターの一例。髪色の変更やメガネの装着、バーチャルメイク、ヒゲの追加など様々な機能を備えている)

アップデートされた「老人フィルター」は、とりわけ海外で話題に。2019年5月にSnapchatがリリースした「性別を替えるARフィルター」と同様、爆発的な広がりを見せています。


(「FaceApp」は野火のごとく広がり、多くのハリウッドセレブやインフルエンサーがこのアプリを使った写真を投稿している。)

大流行の影でセキュリティ上の懸念?

大きな流行を見せる一方で、「FaceApp」にはセキュリティに関する懸念があるとの声も上がっています。

FaceAppは(多くのカメラアプリと同様)写真フォルダへのアクセスを要求する仕様になっており、「アプリが写真データに無断アクセスし、データをクラウドに送信している可能性が存在あるのではないか?」との疑いが持たれました。

FaceAppはスマートフォン端末ではなく、企業側のサーバーでデータを加工するシステムとなっていることや、アプリの利用規約に明確な説明がなかったことがこの疑惑を強めました。

検証の末、疑惑は解消か

これらの声を受け、複数のセキュリティ専門家が検証を実施しました。フランスのリサーチャーElliot Alderson氏は、自身のTwitterで検証結果を公開。転送される写真はユーザーが加工を希望した物限定で、転送も1度きりしか行われないことを解説しています。米メディアTechCrunchも同様の結論を記事にしました。

一方、「FaceApp」が設定で写真へのアクセスを「許可しない」に設定している場合でも、APIが動作し写真送信が行える仕様であることを警告しています。

一連の疑惑と検証を受け、「FaceApp」の開発元であるWireless Labは以下のような声明を発表。その払拭と明確化を図っています。

・「FaceApp」の写真加工はクラウドで行われており、ユーザーが加工のために選択した写真のみがクラウドにアップロードされます。その他の写真はクラウドに転送されません。

・アップロードされた写真は一定期間クラウドに保存されます。これはパフォーマンスと帯域問題の解決が理由で、同じ写真のアップロードを繰り返さないためです。クラウド上の写真は投稿から48時間以内に削除されます。

・我々は問い合わせを受けた場合、サーバーから(該当利用者の)データをすべて削除します。円滑な対応のために(削除を)希望する利用者の方は、アプリのバグ報告機能から「privacy」という件名をタイトルに入れた上で、リクエストを送信してください。

・「FaceApp」の諸機能はログインを行わなくても利用できるようになっています。ログインは設定画面からのみ行えるようになっており、結果99%のユーザーは非ログイン状態でアプリを利用しています。よって我々は個人を特定するような情報にアクセスすることはできません。

・我々は、その他のサードパーティ企業にデータの販売や共有などは行っていません。

・主要なR&Dチームはロシアを拠点としていますが、我々はデータをロシア(国)に転送はしていません。

「FaceApp」の対応デバイスはiOSAndroid、ダウンロードは無料で行えます。

(参考)VRScout
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