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業界動向 2019.04.04

米通信大手、VR/ARへの5G活用でHTCらと協働 ワイヤレスXRなど目指す

アメリカの通信大手AT&Tは、次世代通信規格「5G」の活用を進める「Edge Computing Zone (EC Zone) プログラム」の拡大を発表しました。HTCなど複数の企業とパートナーシップを組み、提案を行っていきます。同社のミッションには、ワイヤレスのXR体験も掲げられています。

3つのコアミッション

「EC Zone」は、5G通信とエッジインフラストラクチャの活用により、新たなソリューションを提案していくプログラムです。2018年に開始されました。

AT&Tはプログラムにおいて3つの核となるミッションを掲げています。すなわち、ワイヤレスのXR体験・ゲームの実現、治安維持向けのリアルタイムセンサー分析、自動運転車用のライブHD-3Dマッピングの確立です。

同社は、5G通信が実現するものをさらに推し進める分野として、これら3つのミッションを選択したとしています。またエッジコンピューティングと5G通信を合わせることは、将来の通信インフラ構築の鍵だと表明。プログラムの拡大に至ったということです。

参加企業との協働事例

プログラムは2019年3月から拡大しており、AT&Tはこのプログラムへの参加企業と共に、5G通信とエッジコンピューティングの可能性を示そうとしています。

PlayGiga

PlayGigaはゲームサービスを手掛けるクラウドベースゲームの先駆けです。5G通信の普及に伴い、モバイルネットワークでの高画質ゲームストリーミングが実現すると見られています。PlayGigaはAT&Tと協働し、5G通信がこの期待に沿うものだと明らかにします。

HTC

HTCとの目標は、5G通信のモバイルネットワークで6DoF(頭に加えて上下左右、前後の体の動きに連動)のインタラクティブコンテンツを配信することです。既にHTCの一体型ヘッドセットVive Focus向けに試行しています。この目標は5G通信とエッジコンピューティングにより、ワイヤレスVRヘッドセットに要求される遅延度と帯域幅を満たしながら実現が可能です。

NVIDIA

NVIDIAとは同社のCloudVRソフトウェアを用いて、5G通信によるインタラクティブVRゲームのストリーミングを実現しました。ネットワークの遅延はわずか5ミリ秒、動作障害なしという結果を収めています。

Arvizio

エンタープライズ向けMRを手がけるArvizioとは、5G通信によるMRアプリケーションの配信を目指してきました。5Gとエッジコンピューティングの融合により、複雑な3Dモデルのビジュアル化が可能であることを示しています。

AT&Tによればこれらのプロジェクトはスタート地点に過ぎず、今後数ヶ月で次世代通信のインパクトを評価していきたいということです。

(参考)AT&T


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